クレジットカードの中でももっとも高いステータス性を持つのがブラックカードだ。
世界初のブラックカードはアメックスの「アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード」だ。
現在は、ダイナースクラブの「ダイナースクラブ プレミアムカード」やJCBの「JCBザ・クラス」なども登場している。
ブラックカードとなるとそのステータス性に応じて年会費も高額になる。
また、一般的なクレジットカードのように申し込むことができず、カード会社からのインビテーション(招待)が必要だ。
本記事では、上記3券種のブラックカードについて、その特徴とインビテーションに必要な点を解説する。
基本的に、インビテーションのためには下位カードで利用実績を積む必要がある。
ブラックカードの下位カードはプラチナカードだが、このカードもインビテーションが必要な場合がほとんどだ。
そのため、まずは一般カードかゴールドカードから利用実績を積むのがブラックカードに至るルートの始まりとなる。
本記事では、ブラックカードの下位カードについても紹介している。
年会費が高く入手困難なブラックカードだが、ステータス性はもちろんのこと、それに相応しい特典やサービス、保険や補償などが充実している。
そのため、ブラックカードを持ちたいという人は少なくない。そんなときにこの記事をぜひ参考にしてほしい。
ブラックカードに至るルート
クレジットカードの中でもっとも高いステータス性を持つブラックカード。
ブラックカードは通常自ら申し込むことができず、カード会社からのインビテーション(招待)が必要だ。
インビテーションを受けるには、下位カードから利用実績を積まなければならない。
ブラックカードの一つ下のカードは、プラチナカードであるケースが一般的だ。
しかし、プラチナカードもインビテーション制であることが多い。
プラチナカードの一つ下のカードとなると、多くの場合はゴールドカードで、その下が一般カードとなる。
そのため、ブラックカードに至るルートとしては、下記のルートが一般的だ。
場合によってはゴールドカードからスタートできる場合もある。
一般カード申込・所有・利用実績を積む
↓
ゴールドカード申込・所有・利用実績を積む
↓
プラチナカード招待・所有・利用実績を積む
↓
ブラックカード招待
次に、代表的なブラックカードとそこに至るルートをそれぞれまとめる。
アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード
アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード(アメックス・センチュリオン)は、世界初のブラックカードとして、ブラックカードの代名詞的存在。
他のブラックカードに比べても年会費が高額で、入会金もかかるなど維持費がかかるが、その分サービスが非常に充実している。
アメックス・センチュリオンの特徴
センチュリオンならではの保険が付帯
アメックス・センチュリオンには、以下のような他のカードではあまり見ない保険が付帯している。
- 通貨盗難補償
- 個人賠償責任保険
- 海外レンタカー保険
2枚目のセンチュリオン・カードを発行可能
アメックス・センチュリオン本会員は、年会費無料で2枚目を発行可能だ。
海外旅行時や万が一の時のサブカードとして重宝する。
お店を貸し切り
アメックス・センチュリオン会員は、提携している店舗で、営業終了後のお店を貸し切ってショッピングが可能だ。
20店舗程度の高級ショップが対象で、限定品の優先予約もできる。
年会費 | 35万円 ※初年度は入会金50万円が別途発生 |
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ポイント還元率 | 1.0% |
家族カード | 配偶者は無料で発行 その他の家族はプラチナカードを無料で発行 |
旅行保険 | 海外:最高1億円(自動付帯5,000万円+利用付帯5,000万円) 国内:最高1億円(自動付帯) |
アメックス・センチュリオンの下位カード
アメックス・センチュリオンの下位カードは、上位のカードから順の次の通り。
- アメリカ・プラチナ・カード(アメックス・プラチナ)
- アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(アメックス・ゴールド)
- アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード(アメックス・グリーン)
アメックス・プラチナもインビテーション制であるため、まずはアメックス・ゴールドもしくはアメックス・グリーンで実績を積んでいく必要がある。
アメックスは全体的に審査が厳しいため、通常は、アメックス・グリーン→アメックス・ゴールド→(招待)アメックス・プラチナ→(招待)アメックス・センチュリオンというルートになるだろう。
ただし、アメックス・グリーンからでも、利用状況によってはアメックス・プラチナなどのインビテーションが来ることはあるようだ。
それぞれのカードには次のような特徴がある。
アメリカ・プラチナ・カード(アメックス・プラチナ)
アメックス・プラチナも年会費は高額で、特典やサービスも非常に手厚い。
他のブラックカード並みのカードと言えるだろう。
特徴的な点としては、次のような特典・サービスがある。
家族カードにもプライオリティ・パス
アメックス・プラチナは、家族カードにもプライオリティ・パスが無料発行される。
プライオリティ・パスとは、世界中の空港ラウンジを利用可能な会員プログラム。
通常は399米ドルの年会費がかかるが、これが無料になる。
有名ホテルの上級会員資格
アメックス・プラチナ会員は、有名ホテルの上級会員資格を得られる。
上級会員になると、アーリーチェックインやレイトチェックアウト、部屋のアップグレードなどの特典を受けられる。
誕生日プレゼント
アメックス・プラチナ会員は、アメックスより誕生日プレゼントがもらえる。
最近では、実用的なプレゼントが多くなっているようだ。
年会費 | 13万円 |
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ポイント還元率 | 1.0% |
家族カード | 4枚まで無料発行 |
旅行保険 | 海外:最高1億円(自動付帯5,000万円+利用付帯5,000万円) 国内:最高1億円(自動付帯) |
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(アメックス・ゴールド)
充実の特典・サービス、保険・補償のあるゴールドカード。
入会条件は「本人に安定収入がある20歳以上」。
もしアメックス・ゴールドの審査に自信がない場合は、アメックス・グリーンから利用してみよう。
高級レストランのコース料理が1名分無料
アメックス・ゴールド会員が2名以上のコース料理を注文すると、1名分が無料になる。
全国約200店舗が対象で、他社カードではプラチナカードで登場するサービスだ。
充実したトラベルサポート
アメックス・ゴールド会員は、海外旅行中に「オーバーシーズ・アシスト」を利用できる。
医師の派遣や救急車の手配、入院の手配などを代行してもらえる。
家族カードが1枚無料
アメックス・ゴールド会員は、家族カードを1枚、年会費無料で発行できる。
家族カードも、本会員に準じたサービスを受ることができる。
年会費 | 31,900円(税込) |
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ポイント還元率 | 1.0% |
家族カード | 1枚目:無料 2枚目以降:13,200円(税込) |
旅行保険 | 海外:最高1億円(利用付帯) 国内:最高5,000万円(利用付帯) |
アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード
充実のサービスと安心の補償を手に入れられる贅沢なカード
クレジットカードに最低限必要な機能はすべて備えており、プラスαのサービスが付帯している究極の一般クレジットカード。グリーンの次はゴールドカードを。
月会費 | 1,100円(税込) ※1,100円(税込)×12カ月=13,200円(税込)/年 |
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還元率 | 0.5% |
旅行保険 | 国内・海外:最高5,000万円(利用付帯) |
ダイナースクラブ プレミアムカード
ダイナースクラブ プレミアムカード(ダイナースプレミアム)は、アメックス・センチュリオンと並ぶステータスのカード。
年会費は高めだが、家族カードは何枚でも無料で発行でき、特典や補償が充実している。
ダイナースプレミアムの特徴
ダイニング関連の特典が充実
ダイナースプレミアムには、2名以上のコース料理注文で1名分が無料になるサービスがある。
他のカードでもこういったサービスはあるが、対象レストランはダイナースプレミアムが最も多くなっている。
還元率2%
ダイナースプレミアムのポイント還元率は、無条件で2%。
ブラックカード、ハイステータスカードの中でも高い還元率だ。
融通が利く専任コンシェルジュ
ダイナースプレミアムにも、専任コンシェルジュが付いている。
他のカードにも同様のサービスはあるが、回答時間や回答方法でより融通がきく
年会費 | 13万円 |
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ポイント還元率 | 2.0% |
家族カード | 無料 |
旅行保険 | 海外:最高1億円(自動付帯) 国内:最高1億円(自動付帯) |
ダイナースプレミアムの下位カード
ダイナースプレミアムの下位カードは、一般カードのダイナースクラブカードしかない。
ダイナースクラブカード
年会費 | 24,200円(税込) |
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還元率 | 0.4% |
旅行保険 | 海外旅行:最高1億円(利用付帯) 国内旅行:最高1億円(利用付帯) |
JCBザ・クラス
JCBカードの頂点に君臨するカード。
日本発の国際ブランドらしく、日本国内や日本人に人気の国・地域での特典が充実している。
ブラックカードの中では、非常にコスパの良いカードでもある。
JCBザ・クラスの特徴
TDRのラウンジも利用可能
JCBザ・クラス会員は、TDR内にあるJCBラウンジを利用できる。
このラウンジでは、フリードリンク、優先搭乗などのメリットがある。
なお、以前はTDRの会員制レストラン「クラブ33」を抽選で利用可能という特典もあったのだが、現在は終了している。
プライオリティ・パスは同伴者1名も無料
JCBザ・クラス会員は、カード会員だけでなく同伴者1名も無料でプライオリティ・パス対象の空港ラウンジを利用可能。
家族カード会員も同様に利用できるため、最高16枚まで無料利用が可能だ。
年会費 | 55,000円(税込) |
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ポイント還元率 | 0.5% |
家族カード | 8枚まで無料 |
旅行保険 | 海外:最高1億円(利用付帯5,000万円+自動付帯5,000万円) 国内:最高1億円(自動付帯) |
JCBザ・クラスの下位カード
JCBザ・クラスの下位カードは、上位のカードから順の次の通り。
- JCBプラチナカード
- JCBオリジナルシリーズゴールドカード(JCBゴールド)
- JCBオリジナルシリーズ一般カード
JCBプラチナカードは、プラチナカードではあるが、申込も可能。
審査に自信があるならば、JCBプラチナカードからスタートするのもありだろう。
JCBオリジナルシリーズ一般カードは、上位カードへのインビテーションがないカードだ。
そのため、ある程度の利用実績を積んだ後は、JCBゴールドかJCBプラチナカードに申し込むようにしよう。
それぞれのカードには次のような特徴がある。
JCBプラチナ
JCBプラチナは、他社のプラチナカードに比べて手頃な年会費のカード。
また、インビテーションではなく申し込みも可能だ。
申込条件は「本人に安定収入のある25歳以上」。
USJのラウンジを利用可能
JCBプラチナ会員は、USJにあるJCBラウンジを利用できる。
ラウンジでは、フリードリンクや、アトラクションの優先搭乗も可能。
プラチナ専用デスク
JCBプラチナ会員は、プラチナ専用のコンシェルジュサービスを利用できる。
JCBが自社で運営しているサービスで、安心感に定評がある。
海外利用でポイント2倍
JCBプラチナカードは、海外での利用でポイント還元率が2倍となる。
これにより、通常のポイント還元率は0.5%のところ、海外利用ではポイント還元率1%になる。
年会費 | 27,500円(税込) |
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ポイント還元率 | 0.5% |
家族カード | 1枚目は無料 2枚目以降は年会費3,300円(税込) |
旅行保険 | 海外:最高1億円(利用付帯5,000万円+自動付帯5,000万円) 国内:最高1億円(自動付帯) |
JCBオリジナルシリーズゴールドカード(JCBゴールド)
申込条件は「本人に安定収入のある20歳以上」。
ワンランク上のカードとして「JCBゴールド・ザ・プレミア」というカードもある。
本カードの特徴的な点としては以下のようなものがある。
安心のショッピング保険
JCBゴールドには、年間最高500万円のショッピング保険が付帯している。
海外・国内ともに、1回払いでも適用される。
ドクターダイレクト24
JCBゴールド会員は、「ドクターダイレクト24」を利用できる。
24時間365日、健康や育児、介護に関する相談を受け付けている。
JCBゴールド・ザ・プレミアへの招待
JCBゴールド会員は、JCBザ・クラスだけでなく、「JCBゴールド・ザ・プレミア」のインビテーションの可能性もある。
具体的には、JCBゴールドで2年連続100万円以上の買物をすると、インビテーションが届く。
JCBカード
年会費 | 初年度無料 2年目以降:1,375円(税込) 2年目以降も条件により無料 |
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還元率 | 0.5%以上 |
旅行保険 | 国内・海外:最高3,000万円(利用付帯) |
どのブラックカードを狙うべきか
ブラックカードを所有したい場合、ステータス重視なら、アメックスやダイナースがおすすめ。
ただ、ダイナースは利用できる店舗が限られているため、買い物に積極的に利用したい場合はアメックスが良いだろう。
VISAやマスターカードに比べると少ないが、アメックスが利用できる店舗はそれなりにある。
特に日本国内ではJCBとの提携により、JCBの加盟店ではアメックスも利用できるようになっている。
また、アメックスの世界的なステータス性と、特典や保険などの面が非常に手厚いことを考えると、ブラックカードを持つだけの価値がある。
実用性重視ならばJCBがおすすめ。年会費もやや抑えることができる。
JCBプラチナカードは申し込みも可能なので、JCBプラチナカードからスタートできれば最短ルートでブラックカードを入手できる。
とはいえ多くの場合、ブラックカードのインビテーションは、下位カードでの利用実績を重視している。
将来的にブラックカードを所有したいいう人は、まず下位カードから実績を積むようにしよう。