アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード(アメックスビジネスゴールド)は、設立間もない企業やフリーランスでも発行できる法人カード。
「設立0ヵ月で発行できた」など、審査がそこまで厳しくなく、固定電話や決算書などの用意も必要ない。
手軽に発行できる法人カードでありながら、ビジネスに役立つサービスも充実しており、空港ラウンジの利用や手荷物宅配サービス、福利厚生に利用できる「クラブオフ」制度などバリエーションも豊富だ。
そんな魅力的なアメックスビジネスゴールドだが、追加カードを利用するとさらに活躍の幅が広がる。
本記事ではアメックスビジネスゴールドで追加カードを発行するメリットや注意点を紹介する。
追加カードとは
アメックスビジネスゴールドにおける追加カードとはサブカードのこと。
発行された追加カードはアメックスビジネスゴールドと同じ使い方ができ、基本会員である経営者でなくともカードを使った支払いをできるようにすることが可能になる。
【具体例】
- アメックスビジネスゴールドが1枚しかない企業→経営者しかカード払いができない
- 追加カードを発行した企業→追加カードを持つ従業員もカード払いができる
イメージ的には家族カードに近い存在で、家族カードを法人仕様にしたものがアメックスビジネスゴールドの追加カードという認識だ。
発行するメリット
クレヒスを磨きやすい
クレヒスとは「クレジットカードヒストリー」を略した言葉で、一人一人のカードの支払い状況や利用状況をまとめたものを意味する。
個人信用情報機関*に記録・保管されているクレヒスは、カードのグレードアップや他の新規カード申込における審査で重要な役割を担っており、クレヒスの評価を上げる(=クレヒスを磨く)ことはアメックスビジネスゴールドを活用する上でも大切だ。
一般的にクレヒスを磨くためには「クレジットカードを使う→利用分を返済する」というサイクルを回す必要があるが、1人ではどうしても時間的・物理的な限界が来る。
しかし追加カードを利用すれば、基本会員にカードの利用実績が集約されるので、1人でアメックスビジネスゴールドを使うよりも早くクレヒスを磨くことが可能。
結果的にアメックスビジネスゴールドのグレードアップや、ビジネスで使う他のアメックスカードの申し込みにも役立ついうメリットにつながる。
*個人信用情報機関・・・カードの利用状況や支払い状況などをまとめたものを信用情報と呼び、その情報を個人レベルで保管している団体を個人信用情報機関と呼ぶ。個人信用情報機関には「クレジットカードインフォメーションセンター」や「全国銀行個人信用情報センター」など、カード会社や銀行関連の団体が多い。
経営管理や業務効率化につながる
アメックスビジネスゴールドの追加カードを発行する最大のメリットは経営管理をサポートしてくれる点で、「いつ・誰が・いくら」利用したかを明確にし、業務効率化を図ることができる。
【追加カードの使い道】
- リース料(コピー機など)
- 通信費(携帯電話代・プロバイダー料金など)
- 配送費(宅配便など)
- 出張費(航空券・宿泊費用など)
- 保険料(火災保険など)
- 広告費
- 備品代
- 贈答品
上記の支払いを現金で行う場合、後から領収書やレシートで利用分を把握しなければならず、従業員が支払いを立て替える可能性も高い。
しかし追加カードを利用すれば、従業員が経費を立て替える必要もなく、「いつ・誰が・いくら」利用したかを基本会員である経営者が手軽にチェックすることができる。
つまりアメックスビジネスゴールドの追加カードを利用すれば、経費の確認といった無駄な時間を削減でき、業務効率化を実現することに繋がるのだ。
ポイントが合算される
追加カードの利用で獲得したポイントは、全て基本会員である経営者のアメックスビジネスゴールドに蓄積される。
例)基本会員が10万円、従業員2人がが追加カードでそれぞれ5万円利用した場合→10万円×1.0%(ポイント還元率)+5万円×1.0%×2人=2,000ポイント貯まる
1人でアメックスビジネスゴールドを使うより高速でポイントが貯まるので、ポイントの再利用も視野に入れている人がいれば、追加カードの発行をおすすめする。
利用時は注意が必要
ビジネスで活躍する場面が多いアメックスビジネスゴールドだが、利用時にはいくつか注意点が存在する。
1枚ごとに年会費がかかる
アメックスビジネスゴールドの追加カードには年会費が発生し、1枚発行するごとに12,000円必要となる。
例)従業員3人にアメックスビジネスゴールドの追加カードを発行する→12,000円×3人=36,000円の維持費用が発生
さらに基本会員の年会費は31,000円なので、追加カードを発行する場合は最低でも年に31,000円+12,000円=43,000円用意する必要があるので注意が必要だ。
請求は全て本会員宛て
アメックスビジネスゴールドの追加カードで利用した金額は、全て本会員である経営者に請求される。
また追加カードを発行したからといって限度額が増えるわけではなく、最高でも本会員の限度額分までしか利用できない点も覚えておこう。
例)基本会員のアメックスビジネスゴールド限度額が年500万円→追加カードを発行しても、基本会員+全追加カードの限度額=500万円には変わりない
20歳未満は発行できない
アメックスビジネスゴールドの追加カードは20歳以上を入会資格としている。
一般的に18歳・19歳ならクレジットカードを発行できるが、アメックスビジネスゴールドの追加カードは20歳未満では発行できないので注意が必要だ。
法人・個人の場合で発行対象が違う
アメックスビジネスゴールドは法人でも個人でも発行できるが、追加カードの場合は名義によって発行対象が異なる。
【発行対象】
- 法人名義:法人の役員または従業員
- 個人名義:役員または従業員、基本会員の2親等以内の親族
2親等とは祖父母・兄弟姉妹・孫までなので、姪や甥などにアメックスビジネスゴールドの追加カードを発行することはできない。
自営業など個人事業主がアメックスビジネスゴールドを利用するときは、上記の発行対象をしっかりと把握しておくことをおすすめする。
追加カードはビジネスの無駄をなくす
アメックスビジネスゴールドの追加カードの主な役割は、本会員である経営者以外でもカード払いができるようにすることだ。
また「いつ・誰が・いくら」カードを使ったかを把握できるので、結果的に経費の使い道の明瞭化と経営管理の無駄を削減することができる。
他にもポイントが早く貯まる、クレヒスが磨かれるなどのメリットが存在し、これからビジネスを始めるなら1枚は持っておきたいクレジットカードだ。
しかし名義によって発行対象が異なったり、請求先が集約されたりなど、利用時の注意点も多い。
設立間もない企業やフリーランスの強い味方となるアメックスビジネスゴールドを最大限使いこなすためにも、本記事を参考に追加カードの仕組みを理解しておくことをおすすめする。