世界180の国で利用できるキャッシュレス決済のUnion Pay。そのQRコード決済の普及が進んでいる。
しかし、日本ではあまり聞きなじみがないということで、「どこで使えるのか」「銀聯カードと何が違うのか」と気になる人も多いはずだ。
そこで本記事では、Union Payの全体像について解説する。
最新のQRコード決済事情にも触れているので、ぜひ参考にしてほしい。
Union Payとは
Union Pay(銀聯)とは、UnionPay International(銀聯国際)が運営する国際ブランド。世界180カ国、5,500万の加盟店が存在する。
カード発行枚数は90億枚以上で、世界一カードの発行枚数が多い国際ブランドとなっている(2021年3月時点)。
なお、UnionPay Internationalは、Chaina UnionPay(中国銀聯)の100%子会社で、UnionPayのグローバル業務を取り扱っている。
銀聯カード
国際ブランド「Union Pay(銀聯)」がついたカードが、銀聯カード(UnionPayカード)だ。
銀聯カードには、プリペイドカード、クレジットカード、デビットカードがある。中国ではデビットカードが主流だ。
日本では、三井住友カードなど国内6社がUnionPayと提携して銀聯カードを取り扱っており、クレジットカードの種類が多い。たとえば、以下のようなカードがある。
- 三井住友銀聯カード(画像左)
- ANA銀聯カード(画像右)
メリット
Union Pay(銀聯)の最大のメリットは、アジア、特に中国やシンガポールでの利便性が高い点。
中国の場合、ビジネス街や観光地以外ではVisaやMastercardのクレジットカードが使えないことがある。
しかしUnion Pay(銀聯)のカードであればほぼ使えるので、海外旅行や出張の機会が多い人におすすめだ。
日本で使える場所
日本でもUnionPay(銀聯)の加盟店は増えており、2020年12月末時点で110万店以上の国内加盟店がある。
そんな日本のUnionPay加盟店のなかで、注目したいのが飲食情報プラットフォームの「ぐるなび」。
2020年6月24日より銀聯カードが「ぐるなびペイ」の加盟店で利用可能になった。
つまり、「ぐるなびペイ」が抱えている約4,000もの店舗でUnion Payが利用できるということ。
他にも、ケンタッキーフライドチキン、木曽路、一風堂など、幅広い飲食店がUnion Payを導入している。
Union PayのQRコード決済
Union PayのQRコード決済とは、UnionPayが提供するアプリや提携アプリで利用できるUnionPayのQRコード決済のこと。
世界14の国と地域、計63のウォレットサービスにその決済機能を搭載しており、世界の約3,000万の店舗で利用できる。
その加盟店は、グルメやファッション、美容室といった中小店舗をメインに広がりを見せている。
銀聯カードとQRコード決済の違い
銀聯カード(UnionPayカード)とUnionPayのQRコード決済は、いずれもUnionPay(銀聯)が提供するキャッシュレスサービスだが、支払いに利用するツールが異なる。
銀聯カードはプリペイドカード・クレジットカード・デビットカードいずれかを利用するカード決済であり、QRコード決済はスマホアプリを利用するスマホ決済だ。
また、共通して使える店もあるが、銀聯カードが使える店=Union PayのQRコード決済が使える店ではないので注意しよう。
JPQRにも参加
JPQRとは、総務省が主導するQRコード決済の統一規格のこと。複数のQRコード決済を1つにまとめることができる。
キャッシュレス決済の本格化につながり、ユーザーはもちろん、店舗側にも大きなメリットだ。
UnionPayは、国際ブランドとしては唯一JPQRに参加しており、JPQR導入店舗ではUnionPayのQRコード決済を利用可能だ。
QRコード決済全国の自動販売機で使えるように
2021年4月1日より、自動販売機でもUnion PayのQRコード決済が利用可能となる。
具体的には、日本コンラックスの電子決済端末を搭載した自動販売機が対象。その数は全国約1万台にのぼる。
東京や大阪、京都からスタートし、全国展開を順次目指す流れだ。
自動販売機で利用できるキャッシュレス決済だとSuicaやICOCAが有名だが、今後はQRコード決済の導入が進んでいくと予想できる。
他にも、Union PayのQRコード決済は、生活雑貨を販売するロフトで利用できる。