TOP

WeChat PayとPayPalが連携、訪中観光客の中国決済が便利に

テンセントがWeChat PayとPayPalの連携を発表し、外国人観光客が中国で現地QRコード決済を使いやすくなる方向性が示された。まず米国のPayPalユーザーから対応が始まり、今後ほかの市場へも拡大される予定だ。

WeChat Pay加盟店でPayPalのQRコード決済が使えるように

テンセントは、米国のPayPalユーザーが中国国内でWeChat Payの加盟店ネットワークを通じてQRコード決済を利用できる仕組みを発表した。WeChat Payは中国国内に圧倒的な加盟店数を持つ決済インフラであり、飲食店・小売店・交通機関など幅広い場面で使われている。外国人がこのネットワークをPayPal経由でそのまま利用できるようになれば、中国旅行中のキャッシュレス利用の障壁が大きく下がることになる。

現時点での対応対象は米国のPayPalユーザーに限られている。テンセントは「その後ほかの市場にも順次拡大する」としており、日本を含むほかの国・地域のユーザーへの対応時期は今後の発表を待つ必要がある。

初回利用者向けに手数料免除キャンペーンも

テンセントは、初めて国際銀行カードをWeChat Payに登録するユーザーを対象に、取引手数料の免除キャンペーンを実施することも発表した。費用面でも外国人が中国のキャッシュレス決済を試しやすくする施策の一環だ。

2026年1〜4月の期間に外国人が国際カード連携経由でWeChat Payを通じて使った金額は、前年同期比で約80%増と大きく伸びており、訪中外国人によるキャッシュレス利用はすでに拡大傾向にある。

中国のインバウンド向けキャッシュレス対応が加速している背景

中国は外国人観光客の取り込みを重要な課題として位置づけており、政府・企業双方でキャッシュレス決済の外国人対応整備が進んでいる。WeChat PayとAlipayはどちらもすでに外国発行のクレジットカードを登録して使う仕組みを提供しているが、アカウント作成や登録の手順が複雑という指摘もあった。今回のPayPalとの連携は、すでにPayPalアカウントを持つユーザーが追加設定の手間を省いて中国決済インフラにアクセスできる点が特徴だ。

中国政府の統計では、前年の訪中外国人数(香港・台湾を除く)は3,500万人超と2019年の水準を上回った。観光業は中国GDPの4%超を占めるとされており、外国人旅行者のキャッシュレス利便性向上は経済的な優先課題になっている。

日本からの中国旅行者にとっての現状

現時点では日本のPayPalユーザーが今回の連携の対象になるかどうかは確認されていない。日本から中国を旅行する際のキャッシュレス手段としては、WeChat PayやAlipayの外国人向けアカウント(国際クレジットカードを登録して利用)がすでに選択肢として存在している。今回の発表はその流れをさらに加速させるものとして位置づけられるが、日本ユーザーが実際に利用できるようになるタイミングは、テンセントとPayPalの今後の発表次第だ。

最終更新日:2026/05/30

シェア ツイート LINEに送る
シェア ツイート LINEに送る
オトクレ編集長 池田 星太

執筆・編集

池田星太

オトクレ編集責任者。2013年より「大人のクレジットカード」を運営。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、金融全般での情報発信を行っている。また、クレジットカード専門家として、雑誌やメディアでの編集や監修も行っている。日常生活のほぼすべてをキャッシュレスで過ごす。

大人のクレジットカード編集部について詳しく見る