PayPayは2026年6月29日、海外の決済サービスとの連携を拡充し、訪日外国人が自国の決済アプリのままPayPay加盟店で支払える対象を広げたと発表した。新たに5カ国7つのサービスが加わり、加盟店は特別な追加対応なしでインバウンド需要を取り込めるようになる。
海外5カ国7つの決済サービスを新たに追加
今回の拡充では、Alipay+を通じて以下の決済サービスが新規に追加された。いずれも訪日客が自国で日常的に使うアプリやウォレットである。
- MoMo(ベトナム)
- VCB Digibank(ベトナム)
- Zalopay(ベトナム)
- ShopeePay(シンガポール・タイ)
- SCB Planet Plus(タイ)
- HUMO(ウズベキスタン)
- NayaPay(パキスタン)
これにより、PayPay加盟店で利用できる海外のキャッシュレス決済サービスは、累計で17の国と地域の35サービスに広がった。東南アジアや中央アジアなど、これまで対応が手薄だった地域の決済手段が加わった点が今回の特徴である。
訪日客の約8割をカバーする規模に
PayPayは、日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数をもとに、PayPay加盟店で使える海外キャッシュレス決済サービスの「リーチ率」を算出している。今回の拡充により、その割合が訪日外国人の約8割に達するとしている。
訪日客の多数が、日本で新たにアプリを入れたり現金を用意したりせずに、普段使っているサービスのまま支払える環境が整いつつあるということだ。なお「約8割」はあくまで訪日客数をもとにしたカバー率の試算であり、実際の決済額や利用者数を示す数字ではない点には留意したい。
QRコードを読み取り日本円を入力するだけで決済できる
利用者である訪日客は、店頭のPayPayのQRコードを自国の決済サービスで読み取り、商品代金を日本円で入力する。すると金額が自動的に各国の通貨へ換算され、そのまま決済が完了する。
訪日客にとっては、為替の計算や両替の手間がいらず、使い慣れたアプリのまま支払える点が利点になる。日本側で新しい操作を覚える必要がないため、言葉が通じにくい場面でもスムーズに会計を終えられる。
加盟店は追加の準備なしでインバウンドを取り込める
店舗側にとって大きいのは、すでに掲示しているPayPayのQRコードがそのまま海外の決済サービスにも対応する点である。新たな端末の導入や決済サービスごとの個別契約は不要で、追加の準備なしに訪日客の支払いを受けられる。
訪日客の取りこぼしは、そのまま売上機会の損失につながりやすい。言語の異なる客への対応がスムーズになることも含め、インバウンド需要の取り込みを後押しする仕組みといえる。観光地や繁華街の店舗にとっては、対応する決済手段が広がるほど来店客の幅も広がると考えられる。
キャッシュレス決済プラットフォームとしての存在感が増す
国内利用者が多いPayPayが、海外の決済サービスを束ねる窓口としての役割を強めている点も見逃せない。加盟店から見れば、一つのPayPayのQRコードで国内客と訪日客の双方に対応できることになり、決済手段を絞り込みやすくなる。
訪日客の増加が続くなかで、対応できる海外決済サービスの幅は店舗選びや売上を左右する要素になりつつある。自店の客層に外国人観光客が多いなら、こうした対応状況をあらためて確認しておくとよいだろう。














