JCBが韓国の交通決済大手Tmoneyと基本合意書(MOU)を締結した。韓国の公共交通機関でJCBのタッチ決済による「クレカ乗車」を導入することを目指す提携で、まずは2027年内にソウル市内バスへの導入が予定されている。

2027年内にソウル市内バスでJCBカード1枚の乗車を目指す
今回合意したのは、JCBの海外業務を担う株式会社ジェーシービー・インターナショナルと、韓国ソウルに本社を置く株式会社Tmoneyだ。両社は韓国の公共交通機関にJCBのタッチ決済を導入することで基本合意し、その第一歩として2027年内にソウル市内バスへの導入を予定している。
これが実現すると、JCB会員は現金を用意したり韓国の交通カードを購入したりしなくても、手持ちのJCBカード1枚をバスの読み取り機にタッチするだけで乗車できるようになる見込みだ。日本国内で広がりつつある、改札や車載端末にクレジットカードを直接タッチして乗る「タッチ決済乗車」を、韓国のバスでもそのまま使えるイメージになる。
これまでの韓国の交通決済はカード購入とチャージが前提だった
これまで日本からの旅行者が韓国で地下鉄やバスに乗る場合、Tmoneyカードに代表される交通カードをコンビニなどで購入し、あらかじめ現金でチャージしておくのが一般的だった。残高が足りなくなれば都度チャージが必要で、旅行の最後に残った残高の使い道に悩むこともあった。
Tmoneyは韓国を代表する交通決済事業者で、地下鉄・バス・タクシーなど幅広い公共交通機関で使える決済プラットフォームを提供している。近年はモバイル決済や生活決済サービスにも事業を広げている。今回の提携でJCBのタッチ決済に対応すれば、こうした事前のカード購入やチャージという手間を踏まずに移動できる選択肢が加わることになる。
地下鉄券売機対応やモバイルTmoneyのApple Payチャージはすでに実現済み
JCBとTmoneyの連携はこれが初めてではない。すでにソウル地下鉄駅の自動券売機ではJCBカードでの決済に対応しており、旅行者が券売機で切符やチャージ手続きを行える環境が整っている。
さらに、Tmoneyが提供する「モバイルTmoney」アプリではApple Payを使ったチャージにも対応している。ここで注意したいのは、このApple PayチャージがApple純正の「ウォレット」アプリからではなく、「モバイルTmoney」アプリの中からのみ利用できる点だ。利用するにはApp Storeから「モバイルTmoney」アプリをダウンロードし、アプリ内でTmoneyの登録とチャージを行う必要がある。今回のバスへのタッチ決済導入は、こうした既存の連携を土台にした次のステップという位置づけになる。
現時点はMOU段階、サービス確定ではない点に注意
今回の発表はあくまで基本合意書(MOU)の締結であり、導入内容やスケジュールが確定したサービスではない。時期も「2027年内」、対象も「ソウル市内バス」に限定された予定であって、すぐに韓国全土の交通機関で使えるようになるわけではない。
地下鉄やタクシーへの拡大、対応するJCBカードの範囲、実際の運用開始時期などは今後の協議で詰められていくとみられる。韓国旅行を計画する際は、少なくとも当面は従来どおり交通カードの購入やチャージができる準備をしておくのが現実的だろう。
タッチ決済乗車が海外の公共交通にも広がる動き
クレジットカードを直接タッチして公共交通に乗る仕組みは、日本国内でも鉄道やバスで採用が進んでいる。今回の提携は、その流れが訪日・訪韓といった国境をまたぐ移動にも広がりつつあることを示す動きといえる。
日本のJCB会員にとっては、使い慣れた1枚のカードを海外の移動でもそのまま使えるようになる点にメリットがある。渡航先ごとに現地の交通カードを用意する負担が軽くなれば、キャッシュレスでの海外旅行がより身軽になる可能性がある。
商標について
- App Store、Apple Pay、Apple Watch、Face IDは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。















