アメリカン・エキスプレスのANAマイル移行に、年間4万マイルの上限とは別枠で使える「移行上限なしキャンペーン」が登場した。上限が外れる代わりにレートは1ポイント=0.5マイルとなるため、通常枠との使い分けが損得を左右する。
上限なしの代わりに1ポイント=0.5マイル、通常枠とは別扱い
アメリカン・エキスプレスのポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」からANAマイルへ移行する場合、通常は1,000ポイント=1,000マイルのレートで、1月〜12月の年間移行上限が40,000マイルに定められている。今回のキャンペーンは、この上限とは別枠でANAマイルへの移行を受け付けるものだ。お申込み期間は2026年10月1日(木)〜11月30日(月)である。
見出しだけを見ると「好きなだけマイルにできる」制度に見えるが、移行レートは2,000ポイント=1,000マイルとなる。1ポイントあたりに直すと0.5マイルで、通常申込の半分だ。同じ1万マイルを得るのに、通常枠なら10,000ポイントで済むところ、本キャンペーンでは20,000ポイントが必要になる。
本キャンペーンで移行したマイルは、通常申込の年間移行上限(40,000マイル)の計算対象外となる。つまり、通常枠を使い切ったあとでも追加で移行でき、逆に本キャンペーンを使っても通常枠は減らない。移行は2,000ポイント単位で申し込む。
通常申込とキャンペーン申込の違い
公式ページに記載された条件をもとに、2つの移行方法を並べると以下のとおりである。
| 項目 | 通常申込 | 移行上限なしキャンペーン |
| 移行レート | 1,000ポイント=1,000マイル(1pt=1マイル) | 2,000ポイント=1,000マイル(1pt=0.5マイル) |
| 移行上限 | 年間40,000マイル(1月〜12月) | 上限なし(通常枠の計算対象外) |
| ANA参加登録費 | 年間参加費5,500円(税込、2年目以降自動更新) | 不要(本キャンペーンの申込みのみの場合) |
| マイル積算 | キャンペーン申込分より短い |
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ポイントで比べると、本キャンペーンは明らかに不利なレートである。一方で、上限を気にせず一度にまとまったマイルを用意できることと、本キャンペーンだけを使う場合はANA参加登録費がかからないことが、通常枠にはない特徴となる。
まず通常枠4万マイルを使い、足りない分だけキャンペーンで補う
レートが半分である以上、移行できるポイントはまず通常枠(1pt=1マイル)に充て、それでも不足するマイルだけを本キャンペーンで補うのが合理的な使い方になる。公式ページも、通常申込と本キャンペーンを組み合わせて「足りないマイルを足す」活用例を2つ示している。
ヨーロッパ行きビジネスクラス115,000マイルの例
1つ目は、ビジネスクラスでヨーロッパへ1名で行く場合の例で、必要マイル数は115,000マイル(レギュラーシーズン、2026年10月1日時点)とされている。公式の組み合わせ例は以下のとおりだ。
| 移行時期 | 申込方法 | 使うポイント | 得られるマイル |
| 2026年11月 | 通常申込 | 40,000ポイント | 40,000マイル |
| 2026年11月 | 本キャンペーン | 70,000ポイント | 35,000マイル |
| 2027年1月 | 通常申込 | 40,000ポイント | 40,000マイル |
| 合計 | 150,000ポイント | 115,000マイル |
2026年分と2027年分の通常枠でそれぞれ40,000マイルを確保し、残り35,000マイルを本キャンペーンで埋める形である。仮に115,000マイルをすべて本キャンペーンで用意すると230,000ポイントが必要になる計算で、通常枠を優先した組み合わせの方が80,000ポイント少なく済む。通常枠だけで115,000マイルを用意しようとすると、年間上限があるため3年分の枠をまたぐことになる。本キャンペーンは、その待ち時間をポイントの上乗せで短縮する手段といえる。
ハワイ2名分80,000マイルの例
2つ目は、パートナーと2人でハワイへ行く例で、必要マイル数は40,000マイル×2名(レギュラーシーズン、エコノミークラス、2026年10月1日時点)である。公式例では、2026年11月に通常申込で40,000ポイント=40,000マイル、同月に本キャンペーンで80,000ポイント=40,000マイルを移行し、計120,000ポイントで80,000マイルをそろえている。
この例では、本キャンペーン分の40,000マイルに80,000ポイントを使っている。通常枠で同じ40,000マイルを得る場合の40,000ポイントと比べ、40,000ポイント多く消費する。1年に4万マイルずつ通常枠で移行するスケジュールでも旅程に間に合うなら、本キャンペーンを使わずに済む可能性がある。差のポイントを払ってでも年内(11月末〜12月末の積算予定)に必要マイルをそろえたいかどうかが、利用を判断する材料になるだろう。
少量だけ移行したい人は参加費不要の点も比較材料に
通常申込でANAマイルへ移行するには、ANA参加登録費として年間5,500円(税込、2年目以降自動更新)がかかる。本キャンペーンの申込みのみであれば、この参加費は不要だ。普段はANAマイルにあまり移行しない人が、今回だけ少量のマイルを用意したい場合には、参加費を払わずに済む点が通常申込との違いになる。
ただし、その場合も1ポイントあたりのマイル数は通常申込の半分である。たとえば10,000マイルを得るには、通常申込なら10,000ポイントと参加費5,500円、本キャンペーンなら参加費なしで20,000ポイントが必要になる。追加で必要になるポイントと参加費のどちらを重く見るかは、手持ちのポイント残高や今後の移行予定によって変わるため、移行量と照らし合わせて選びたい。
対象はメンバーシップ・リワード・プラス登録者のみ、スカイ・トラベラーは対象外
本キャンペーンの対象は、以下のカードを持ち、メンバーシップ・リワード・プラスに登録済みのカード会員に限られる。
- グリーン、ゴールド、ゴールド・プリファード、プラチナ
- ビジネス・グリーン、ビジネス・ゴールド、ビジネス・プラチナ
- コーポレート・グリーン、コーポレート・ゴールド、コーポレート・プラチナ
- JR東海EX・コーポレート、JR東海EX・ゴールド・コーポレート、JR東海EX・プラチナ・コーポレート
スカイ・トラベラー、スカイトラベラー・プレミアは対象外である。メンバーシップ・リワード・プラスに未登録の会員は、登録完了後から本キャンペーンの対象となるため、先に登録を済ませてから申し込む必要がある。
申込時は「ANA期間限定(1pt=0.5マイル)」の選択を忘れずに
申込みはアメリカン・エキスプレスのウェブサイトにログインしたうえで、キャンペーンページ下部のお申込みフォームから「ご登録申し込みフォーム 提携先プログラムのご登録・ポイント移行」に進んで行う。受付はウェブサイトのみで、電話やチャットでは申し込めない。
航空会社の選択欄で区分を間違えない
航空会社の選択欄では「ANA期間限定(1pt=0.5マイル)」を選ぶ。「ANA通常(1pt=1マイル)」を選ぶと通常申込分として手続きされる。通常枠を使い切ったつもりで本キャンペーンに申し込む場合などは、選択を誤ると意図しない扱いになるため、送信前に確認しておきたい。
続いて、ANAマイレージクラブ会員番号と登録名を入力する。会員番号は基本カード会員名義で登録されているものを使う。すでにANAマイレージクラブのお客様番号を登録済みの人も、本キャンペーンの申込時には改めて入力が必要だ。番号の入力誤りや照合不一致でポイント移行が完了できない場合は、期間内の申込みであってもマイルが積算されないことがある。
最後に移行したいポイント数を入力すると、キャンペーンレートで積算予定のANAマイル数が表示される。100万ポイント以上を移行したい場合は、2回以上に分けて申し込む。フォーム送信後には「ご登録の申込みを承りました [受付番号: xxxxx]」というメールが届く。
即時移行はできず、積算は11月末または12月末
本キャンペーンで注意したいのは、マイルがすぐには使えない点である。積算予定は、10月1日〜10月31日の申込分が11月末、11月1日〜11月30日の申込分が12月末となっている。ポイントは申込受付後の処理時にすぐ減算されるが、マイルの積算は受付メールに記載されたタイミングではなく、上記の予定日となる。公式ページも、通常申込より移行期間が長くかかると案内しており、いかなる場合も至急移行には対応しないとしている。
特典航空券を予約したい便が決まっている場合は、積算予定日から逆算して申込時期を決める必要がある。11月に申し込むと積算は12月末になるため、早めにマイルが必要なら10月中の申込みが選択肢になる。なお、特典航空券の予約は空席状況によるもので、アメリカン・エキスプレスは予約を保証しない。
取消・変更はできず、マイルの有効期限は36か月
ポイント移行の申込み後は、取消・変更ができない。レートが通常の半分である以上、必要マイル数を確認してから申込量を決めたい。本キャンペーンの移行で積算されるマイルの有効期限は、積算月より36か月後の末日(グループ1:通常マイル)である。
このほか、本キャンペーンは予告なく変更・中止される場合がある。本人以外からの申込みの疑いなど不正が認められた場合は、アメリカン・エキスプレスとANAの判断で、積算マイルの削除やANAマイレージクラブアカウントの凍結、発券航空券の無効化が行われることがある。
通常枠を使い切っても特典航空券のマイルが足りない人向け
本キャンペーンが向いているのは、2026年分の通常枠40,000マイルをすでに使い切った、あるいは使い切る予定で、ビジネスクラスや家族分の特典航空券など、まとまったマイルを近い時期に必要としている人だ。1ポイントの価値は半分になるが、年間上限を待たずに必要マイルをそろえられる。
一方、旅行の予定が先で、年をまたいだ通常枠の移行で間に合う人や、手持ちポイントに余裕がない人は、無理に使う必要はないだろう。ANA参加登録費を払わずに少量だけ移行したい人にとっては選択肢になるが、ポイントが通常の2倍必要になることを踏まえ、通常申込との差を比べて判断したい。申込みは2026年11月30日(月)まで受け付けている。












