少し前の話になってしまうが、昨年1月に株式会社マイボイスコムが公表した「【 クレジットカード 】に関するアンケート調査(第7回)」では、もっとも保有者が多いのは「楽天カード」という結果が出ている。(クレジットカード保有者の51.0%が楽天カード)
現時点ではクレジットカードの保有者数に関する最新の調査結果が見当たらなかったものの、その後も楽天カードの保有者数はさらに増加していると予想できる。
しかしここで疑問なのは、なぜ楽天カードの保有者数が多いのかということだ。
楽天カードは今となっては非常に有名なクレジットカードだが、どちらかといえ新しい部類のカードだ。
また、券面のデザインは決してカッコイイとは言えず、むしろ批判的な意見が多いと感じる。
本記事では、なぜそんな楽天カードの保有者数(発行枚数)が多いのかを考察する。
理由1:カードのスペックが魅力的
楽天カードが多くの人々から支持されている最大の理由はカードスペックが優秀だからだろう。
年会費無料、常時1%還元、楽天市場での驚異的なポイントアップは非常に魅力的だ。
利用付帯ではあるものの、スペック重視のカードにしては珍しく海外旅行保険も付帯している。
さらに楽天Edy(電子マネー)一体型のカードも選択可能で、楽天Edyへのチャージでもポイント還元が受けられる。
また、あまり話題にされないものの、楽天カードは非常に多くの国際ブランドから選択が可能という特徴もある。
現在のところVISA、Mastercard、JCB、アメックスと主要な国際ブランド全てに対応している。
一般カードとして見れば文句のつけようがないスペックだ。
理由2:広告を積極的に打っている
楽天カードと言えば「楽天カードマン」が良くも悪くも非常に有名だ。
最近は少し落ち着いたと感じるが、一時期はTVCMが非常にたくさん放送されていた。
独特でどことなくダサさがクセになるTVCMは、様々な年齢層の記憶に残っているはずだ。
クレジットカードを作るとなった際に、聞いたことがある、見たことがあるカードを選ぶのは当然の選択だろう。
マーケティングが大きく成功したカードだと言える。
理由3:申し込み基準がやさしい
クレジットカードにはそれぞれ「申し込み条件」が設定されている。
申し込み条件とは、言わば「最低限満たしておくべき条件」だ。
楽天カードの申し込み条件は以下の通りだ。
「満18歳以上の方(主婦、アルバイト、パート、学生も可)※高校生は除く」
主婦、アルバイト、パート、学生の人は対象外というカードも多いが、楽天カードは18歳以上のほぼ全ての人が対象と言えるほど広い条件となっている。
ただし、申し込み条件を満たしていても必ずカードを発行できるわけではなく、審査に通る必要がある。
しかし、申し込み条件の厳しさはそのカードの審査の厳しさにも影響を与えていると言って良い。
申し込み条件をやさしくしておきながら、審査を厳しくするというチグハグなことをしても、クレジットカード会社にはメリットがないからだ。
結論:楽天カードは一番発行されているカード
ここまで見てきたように、楽天カードは非常に多くの人々に知られており、支持されているカードだ。
と同時に、多くの人々が実査に審査に通っているカードであり、発行されている枚数が多いカードであるということだ。
つまり、楽天カードの審査基準は一般カードの中でも特にハードルが低いということになる。
たくさんの方が申し込みをしても、審査に通らず、実際にカード発行されなければ利用者は増えないからだ。
某インターネット掲示板などでも以前から話題になっていることだが、楽天カードの審査に落ちたら他のカードの審査に通るのは厳しいと言われている。
これは業界関係者の筆者としても納得できることだ。
楽天カードほど申し込み基準がやさしく、対象を広く設定しているカードの審査に落ちるようでは、他のカードの審査に通過することは難しいだろう。
クレジットカード業界には「承認率(発券率)」という考え方がある。
承認率(発券率)とは、クレジットカードの申込者数に対して、審査に通って発行までいった人の割合だ。
実際のところ、当サイトのデータだけで言えば、楽天カードの承認率は他社のカードと比較しても高い数値だと言える。
楽天カードはスペックが優秀であり、マーケティングに成功したカードではあるが、発行者数が多い大きな理由として、審査に通りやすいカードだという理由がある。
最終更新日:2019/08/22