通勤通学などで日常的に電車を利用する人にとって、「Suica」を利用できる便利なカードとして知られている「ビュー・スイカ」カード。
クレジットカード、交通系ICカードの「Suica」、定期券の3枚が一体化した非常に便利なクレジットカードである。
このカードには、「ビューサンクスポイント*1」と「Suicaポイント」といったように、1枚のカードに複数種類のポイントシステムが付属している。
「ポイントの二重取り」ができるお得な使い方もあって、ポイント還元もより多く受けられることになる。(方法については後述)
だが裏を返せば、「ポイントは付与率も使い方もバラバラ。仕組みが複雑で、上手に使うのは難しい。」という意見があるのも事実。
そこで、本記事は上手に利用し、賢くポイントを貯める方法を紹介しよう。
また、ビューSuicaカードユーザーにとって気になるニュースとして、「Suicaポイント」「ビューサンクスポイント*1」と統合することも検討されている、JR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」についても後ほど解説する。
ビューカードの特徴とメリット
「ビュー・スイカ」カードの最大のメリットは、ごく一部の提携カードを除き、交通系電子マネーの「Suica」機能が付属していることだろう。
さらに、通勤・通学用の定期券機能を付けることもできる。
日常的に「Suica」を利用する人にとって、もう一つ大きなメリットとなるのは、「ビューカード」から「Suica」にオートチャージが可能であること。
残額が一定金額に減ったところで、あらかじめ設定しておいた金額が自動的にチャージされる。
オートチャージ利用金額分には「ビューサンクスポイント」が通常の3倍も付与される。
通常のショッピングは1,000円利用につき2ポイントに対し、チャージ分は1,000円利用につき6ポイント。
さらに、提携クレジットカードの場合は、提携店舗の独自のポイントも貯まり、Suicaをショッピングに利用することで、「Suicaポイント」も貯まる。
1枚のカードにクレジットカード、ICカード、会員証の複数の機能が搭載され、貯まるポイントも複数に分かれているということもビューカードの特徴だろう。
国際ブランドはJCB、VISA、Masterから選択することができる。(提携カードの種類によっては、JCBだけ、VISAだけのカードもある)
ポイントの種類、還元率、貯め方
どのポイントが、どこでどのぐらい貯まるのか、貯まったポイントはどんなことに利用できるのかをそれぞれ見てみよう。
ビューサンクスポイント*1
すべてのビューカードに付属するポイントシステム。
通常のショッピング利用時に、ビューカードで支払いすると1,000円利用につき2ポイント付与され、ETCカードの利用でも同様のポイントが貯まる。
JR東日本の窓口での切符購入や定期券の購入、Suicaチャージ、Suicaオートチャージに利用した場合は、1,000円につき6ポイント貯まる。
貯まった「ビューサンクスポイント」は、400ポイントを1,000円分の「Suica電子マネー」として「Suica」にチャージして利用することができるほか、商品券や他社ポイントサービスへの交換、Suicaペンギングッズをはじめ、さまざまな商品と交換することができる。
還元率は「400ポイントが1,000円分」と考えた場合、1.5%になる。
Suicaポイント
Webサイト「Suicaポイントクラブ」へ利用登録することで、「Suica電子マネー」を利用した際にポイントが貯まるようになる。
「Suica電子マネー」は、電車の利用時の運賃支払いだけでなく、全国の交通系ICカード利用加盟店でのショッピング利用時の支払いにも利用できる。
ポイント付与率は利用加盟店によって異なり、100円利用につき1ポイント、または200円利用につき1ポイントとなっている。(電車利用時にはポイントは貯まらない。)
貯まった「Suicaポイント」は、100ポイント以上10ポイント単位で「Suica」にチャージすることができ、1ポイントあたり1円として利用できる。
また、提携する他社のポイントに交換することも可能だ。
貯まったポイントを全額チャージしたとして考えると、還元率は0.5%~1%になる。
特定の店舗やサービスで貯まる
特定の店舗と提携しているビューカードは、提携店舗を利用すると、その店舗独自のポイントが貯まるシステムになっている。
なお、この「独自ポイント」と「ビューサンクスポイント」両方つくかどうかは、カードによって異なる。独自ポイントの付き方や還元率について、詳しくは後述する。
お得に貯める「ポイント二重取り」
ビューSuicaカードが人気である理由のひとつは、「ポイントの二重取り」ができることにもある。
その方法について、具体的な例を挙げて説明してみよう。
まず、「Suica」は、「Suica電子マネー」をチャージして利用するICカードである。
「Suicaポイント」の項で前述したように、「ビューカード」で「Suica電子マネー」をチャージすると、「ビューサンクスポイント」が、1,000円につき6ポイント貯まる。そして、ショッピング利用時の支払いに「Suica電子マネー」を利用すると、「Suicaポイント」が100円利用につき0.5~1ポイント貯まる。
次に、全国の交通系ICカード利用加盟店で、1万円のショッピング利用した場合のときのことを考えてみよう。
ビューカードでクレジットカード払いを利用することももちろん可能である。しかし、そうすると貯まるのは「ビューサンクスポイント」20ポイント(通常のショッピングなので1,000円につき2ポイント)のみとなる。
これを、クレジットカードではなく、Suicaで支払うと、既にチャージの時点で「ビューサンクスポイント」が60ポイントついたほかに、さらに「Suica電子マネー」を利用することで「Suicaポイント」も50~100ポイント、二重で貯まることになるのだ。
「ビューカードでチャージしたSuicaをショッピングの支払いに利用する。Suicaを支払いに利用できるお店では、クレジットカード払いにはしない。」これがSuica機能つきビューカードの、究極の「ポイントをお得に貯めるための使い方」である。
JRE POINTとは?
「JR東日本グループの共通ポイント」として2016年2月23日から新たに登場したポイントサービスのこと。JREとは「JR East」の頭文字。(JRA「日本中央競馬会」とは無関係なので注意)
このポイントシステム、現在までのところは、首都圏の駅ビルそれぞれで異なるポイントが貯まる仕組みだったものが、統合されてどの駅ビルでも共通で利用できるように改善されたというのが、主な特徴でもあり機能でもある。
対象となる駅ビルは、「アトレ」「アトレヴィ」「ボックスヒル」「アトレヴィ」「テルミナ」「グランデュオ」「シャポー」。(グランデュオは2016年3月1日から、シャポー小岩は4月1日から)これらの駅ビルでのショッピングや飲食をした際、カードを提示することで100円につき1ポイント貯まる。
貯まったポイントを利用するときは、1ポイントから1円として利用可能。還元率は1.0%と低めではあるが、すぐに利用できる点は高く評価できる。(付与率が良くても、かなりのポイント数まで貯めないとポイント交換することができず、そのうちに有効期限が来てすべて無駄になってしまうようなポイントシステムよりはずっと良いだろう。)
JRE ポイントカードへの入会には、クレジットカード機能がつく「アトレビューSuicaカード」以外は、入会金や年会費は一切かからない。(「アトレビューSuicaカード」については後述する。)
申し込む駅ビルによってカードのデザインは異なるが、1枚持つとこれらどの駅ビルを利用したときにも同じ「JRE POINT」を貯めたり使ったりすることができるようになる。
「グランデュオ立川カード」「グランデュオ蒲田カード」「テルミナカード」は、各駅ビルのカード発行受付カウンターにて切り替え手続きをすることにより、これまでに貯まったポイントも「JRE POINT」として利用できるようになる。
「アトレカード」「アトレビューSuicaカード」「ボックスヒルズカード」は、切り替え手続きは不要。
以上が現在運用されている「JRE POINT」のサービスだが、このポイントシステムが話題になっている理由がもう一つある。
JR東日本グループでは、将来的に「ビューサンクスポイント」と「Suicaポイント」も、このJRE POINTへ一本化することを検討しているのだ。
ポイント付与率や使い道が統一されれば、利用者にとっては、分かりやすく使いやすくなることが大いに期待できる。ちなみに統合の時期は現時点では未定。
なお、JR東日本グループのポイントサービスにはもうひとつ、切符の予約や検索ができるサイト「えきねっと」を利用することで貯まる「えきねっとポイント」もあり、このポイントは貯まると「ビューサンクスポイント」や「Suicaポイント」に交換可能となっているのだが、現時点ではこちらのシステムとの統合は予定されていない。
個別提携カードの紹介
ビューSuicaカードにはいろいろな提携カードがある。いくつか紹介してみよう。カード選びの参考にしていただきたい。
ビックカメラSuicaカード
ビックカメラとSuicaのダブルネームで有名なビックカメラSuicaカードはあらゆる点において非常にお得なカードだ。
年1回の利用で2年目以降も年会費無料、最大還元率11.5%、Suica搭載でオートチャージにも対応と、実はかなりハイスペックなカードである。
クレジットカードでSuicaにチャージし、Suicaで支払いをすることでポイントの二重取りも可能。
仮にビックカメラをあまり利用しない方であってもSuica搭載のクレジットカードとして非常におすすめな1枚だ。
こんな人におすすめ
- ビックカメラで買い物をする
- Suicaをチャージする機会が多い
- 年会費はやっぱり無料がいい
3つのおすすめポイント
ビックカメラで買い物をする
ビックカメラで買い物をすると、最大で11.5%のポイント還元が得られる。
ビックカメラSuicaカード以外のクレジットカードで支払った場合は還元率は8%となってしまう。
Suicaをチャージする機会が多い
ビューカードの機能付きなので、クレジットカード払いでSuicaのチャージをした場合や、JRのチケットを購入した場合に1.5%のポイント還元を得ることが出来る。
オートチャージにも対応しているので、ポイントをもれなく貯めることが可能だ。
2年目以降も年1回の利用で年会費無料
初年度年会費無料で、さらに年1回の利用があれば次年度以降も年会費無料となる。
利用がない場合の年会費は477円(税抜)。還元率が高いため、年会費はほとんど気にならないだろう。
ビックカメラSuicaカード

初年度年会費無料で最大11.5%の高還元率!オートチャージにも対応
Suicaを普段から使っている方でビックカメラの利用がある方にとってメリットは大きい。
年会費 | 初年度無料 2年目以降:477円(税抜) 年1回の利用で翌年も無料 |
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還元率 | 1.0%~2.0% |
電子マネー | モバイルSuica ※オートチャージ対応 |
ルミネカード
ルミネでいつでも5%OFF、年数回開催のキャンペーンでは10%OFFになる場合もある。
ルミネを利用する機会が多い場合は、是非とも持っておきたい1枚。
また、数少ないSuicaと定期券一体型で、オートチャージにも対応しているため、Suicaユーザーにもメリットが大きい。
旅行保険も付帯しており、海外旅行であれば最高500万円が自動付帯するのもうれしい点だ。
さらに、店頭で申し込んだ場合は「仮カード」が即日発行され、その日から使うことが可能。
こんな人におすすめ!
- 「ルミネ」「NEWoMan」「アイルミネ」をよく使う
- Suicaのオートチャージを使いたい
- Suicaの定期券を使いたい
3つのおすすめポイント
ルミネでいつでも5%OFF
「ルミネ」「NEWoMan」「アイルミネ」での買い物がいつでも5%OFFになるため、日頃から対象の店舗を利用する方にはおすすめ。
また、「ルミネ」のネット通販「アイルミネ」の買い物もいつでも5%OFFになる。
さらに、カード会員向けに年に数回10%OFFキャンペーンなども実施されている。
Suicaのオートチャージが利用可能
自動改札機を通過する際に、事前に設定した残高を下回った場合に自動的にクレジットカードからチャージしてくれる。
さらに、オートチャージで1.5%相当のポイントが付与されるので、知らず知らずのうちにポイントが貯まっていくのは魅力だ。
定期券としても使える
カード裏面に定期券の情報を印字できるので、クレジットカードの機能と同時に定期券として利用することができる。
カードを複数持つ必要がないため、普段から財布にいれるカードを減らすことができる。
ルミネカード
年会費 | 初年度年会費無料 2年目以降:953円(税抜) |
---|---|
還元率 | 0.5%~1.5% |
旅行傷害保険 | 国内:最高1,000万円(利用付帯) 海外:最高500万円(自動付帯) |
電子マネー | Suica |
国際ブランド | ![]() |
まとめ
通勤通学に電車を利用する人だけにお得、と思われていたかもしれない「ビューSuicaカード」。
Suica機能の活用範囲が広いことを知り、ポイントを最大限に獲得できるお得な利用方法と、将来より便利にお得になることが期待されている「JRE POINT」についてご紹介してみた。
ご参考になれば幸いである。
*1ビューサンクスポイントは2018年6月28日より「JRE POINT」に変更される。