航空チケットや商品と交換できる「マイル」。
マイルは飛行機に乗ることで貯めるイメージが強いが、飛行機に乗ることなく貯めることもできる。
貯め方はクレジットカードや電子マネーの利用、ポイント交換、提携ホテルの宿泊など、豊富に用意されている。
そのため、日々の買い物や旅行で賢くマイルを貯めていけば、ファーストクラスの航空チケットを手に入れることも夢ではない。
ここでは、代表的な航空会社であるANA、JAL、デルタ航空のマイルの貯め方を解説していく。
よく知られている貯め方だけでなく、裏技的な貯め方も含めて幅広く紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
ANAマイルの特徴
ANA(全日空)が提供するマイルは、ANAの航空チケット(特典航空券)に航空する以外にも、様々な使い道が用意されている。
たとえば、ANAの航空券やツアー旅行の購入に使用できる「ANA SKY コイン」や、高級レストランで食事ができるクーポン券、アジアや日本にあるリゾートホテルの宿泊クーポン券などに交換することが可能だ。
旅行以外の使い道もあり、楽天EdyやTポイント、nanacoポイントへの交換、スターバックスカードへのチャージにも利用できる。
ANAマイルの有効期限は3年間。
有効期限内にマイルを使いきれない場合は、ANA SKY コインや提携ポイントなど、マイルを別サービスに交換することで使用期間を伸ばすことができる。
ANAマイルの貯め方
ANAマイルを貯める方法は、大きく分けて9つある。
1.ANAグループ便を利用する
2.提携クレジットカードで貯める
3.ポイント交換で貯める
4.ホテルに宿泊して貯める
5.ANAマイレージモールで貯める
6.楽天Edyで貯める
7.グルメマイルで貯める
8.口座開設で貯める
9.プロバイダ契約で貯める
1.ANAグループ便を利用する
ANAやスターアライアンス加盟航空会社のフライトでフライトマイルを貯めることができる。
スターアライアンスは世界最大の航空連合で、ANAを始めルフトハンザ・ドイツ航空やターキッシュエアラインズ、タイ国際空港、中国国際空港など28の航空会社が加盟している。
フライトマイルは行き先や座席クラスによって異なり、以下の計算式で求められる。
「区間基本マイレージ」×「クラス・運賃倍率」+「ボーナスマイル」
・区間基本マイレージ
出発地・到着地によって決まり、距離が長いほど数字が大きくなる。例えば、出発地が東京の場合、到着地ごとに以下の数字となる。
大阪:280/札幌:510/沖縄:984
台北:1,330/ロンドン:6,214/ニューヨーク:6,723
・クラス・運賃倍率
座席のクラス・チケットの購入価格などによって変わるマイルの積算率。
例えば、国際線・ファーストクラスでは150%、国内線の旅割21では75%。条件によって細かく数字が変わり、安い航空チケットほど数字は小さくなる。
・ボーナスマイル
ANA会員の特別待遇枠。
ANA会員には、一般会員の他にダイヤモンド、プラチナ、ブロンズのステイタスがあり、ステイタスが上がる程積算率が大きくなる。
例えば、ブロンズメンバー1年目で40%、ダイヤモンドメンバー2年目で125%となる。
ステイタスを決定するのは、フライト毎にマイルとは別に貯まる「プレミアムポイント」だ。飛行機の搭乗機会が多い程ステイタスが上がる。
2.提携クレジットカードで貯める
ANAが提携しているクレジットカードを利用することで、マイルを貯めることができる。
クレジットカードを利用するだけで、飛行機に乗らなくてもマイルが貯まる。
ANA提携のクレジットカードは20種類以上あり、年会費や還元率は様々だが、100円利用毎に1マイル貯まる場合が多い。
特典航空券への交換は1万マイルで可能なので、年間100万円分、月8万円程度のカード利用で達成できる。
特におすすめのクレジットカードは「ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)」だ。
ANAの搭乗ごとに、区間基本マイレージに加えて10%のボーナスマイルが貯まる他、カードの継続で毎年1,000マイルがもらえる。
ANAマイルの他に、通常ポイントとメトロポイントも貯めることができ、いずれもANAマイルに移行可能。
3.ポイント交換で貯める
電子マネーやクレジットカードのポイントには、ANAマイルに交換可能なものがある。
例えば、楽天スーパーポイントは2ポイント=1マイル、Tポイント・nanacoポイントは500ポイント=250マイルに交換可能。
額は大きくないが、他の方法と合わせることでマイルを貯める助けとなる。
4.ホテルに宿泊して貯める
ANAと提携しているホテルを利用することで、マイルを貯めることができる。
提携ホテルには、ANAホテルやホテルオークラ、ヒルトン、シェラトンなど名だたるホテルが揃っている。
ホテルにより異なるが、1回の滞在で200~500マイルが貯まる。
5.ANAマイレージモールで貯める
ANAが運営する会員向けショッピングモール「ANAマイレージモール」でも、マイルを貯めることが可能だ。
ANAマイレージモールは、楽天市場やYahoo!ショッピングなど人気ネットショッピングサイト多く提携している。
ANAマイレージモールを経由してこれらの提携サイトを利用するだけで、利用200円につき1マイルに交換できる。
なお、じゃらんやBooking.com、一休.com、エクスペディア、Yahoo!トラベル、楽天トラベルなど有名ホテル予約サイトも提携している。
普段から該当するサイトを利用している人は、今後ANAマイレージモールを経由させるようにしよう。
6.楽天Edyで貯める
「ANAマイレージクラブEdyカード」「Edy機能付ANAカード」および「おサイフケータイ」の「楽天Edy」支払いで、200円利用につき1マイルが貯まる。
さらに「Edyマイルプラス」対象店舗では200円につき2マイルとなる。
また、対象のANAカードからEdyへのチャージでも200円につき1マイルが貯まる。
7.グルメマイルで貯める
飲食店の中にはANAマイルが貯まる店がある。店舗によって異なるが、100円=1~2マイルとなる。
対象店舗は「グルメマイル」というサイトで検索できる。
居酒屋からラーメン店、高級レストランまで幅広い飲食店が登録されている。
8.口座開設で貯める
新生銀行とスルガ銀行ANA支店では、口座開設によりマイルが付与される。
さらに給与振込の指定口座、外貨預金によって、毎月のようにマイルを貯めていくこともできる。
9.プロバイダ契約で貯める
ANAと提携しているプロバイダを利用することで、マイルを貯めることが可能。
新たなプロバイダ契約や契約先変更の際は、以下のプロバイダから選ぶのもよいだろう。
- IIJmio(アイ・アイ・ジェイ・ミオ)成約=200マイル
- スカパー!成約=950マイル
- SpinNet 毎月の利用=10マイル
- ANAカードでの支払いで100円=1マイル
- NURO 光(ニューロ ヒカリ)対象プラン新規開通=5,000マイル
- 対象プラン毎月利用=毎月120マイル
- 対象プラン契約更新=2,600マイル
- Y!mobile(ワイモバイル)ポケットWi-Fiルーター
- 対象端末の新規契約=1,000マイル
- 月額料金支払い=毎月100マイル
JALマイルの特徴
JAL(日本航空)が提供するJALマイルは、航空チケット(特典航空券)に交換するだけでなく、幅広い使い道がある。
例えば、WAONやdポイント、Amazonギフト券などのポイントに交換することが可能。
また、買い物以外にも、、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンやサンリオピューロランドのワンデイパスや、イオンシネマの映画鑑賞チケットに交換することもできる。
JALマイルの有効期限は3年間。
有効期限までに飛行機に乗る予定がなければ、提携ポイントやレジャー施設のチケットに交換すると良い。
JALマイルの貯め方
JALマイルの貯め方は、大きく分けて7つ存在する。
1.JALのフライトで貯める
2.提携クレジットカードで貯める
3.ポイント交換で貯める
4.JALパックツアー・ホテルの宿泊で貯める
5.JALマイル特約店で貯める
6.JALマイレージモールで貯める
7.JMB WAONで貯める
1.JALのフライトで貯める
JALやワンワールド加盟航空会社のフライトを利用することで、フライトマイルを貯めることができる。
ワンワールドは15の航空会社が加盟する航空連合で、エールフランス航空、エミレーツ航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、中国東方航空、アメリカン航空などが名を連ねている。
区間距離や座席のクラスによってマイルが決まり、以下の計算式で求められる。
「区間マイル」×「利用運賃のマイル積算率」
・区間マイル
出発地・到着地によって決まり、距離が長いほど数字が大きくなる。例えば、出発地が東京の場合、到着地ごとに以下の数字となる。
大阪:280/札幌:510/沖縄:984
グアム:1,561/フランクフルト:5,928/パリ:6,194
・利用運賃のマイル積算率
座席クラス・チケットの購入価格などによって変わるマイルの積算率。
ファーストクラスの航空券では150%だが、スーパー先得や株主割引などお得な航空券では75%となる。
他に、JALカード限定のボーナスマイルも存在する。
入会後初めて搭乗した場合は最大5,000マイルがボーナスとして提供され、搭乗ごとにフライトマイルが最大25%プラスされる。
2.提携クレジットカードで貯める
JALと提携しているクレジットカードを利用すれば、日々の買い物でマイルを貯めることができる。
飛行機に乗る機会が少なくても、特典航空券を入手するのに十分なマイルを貯められる可能性があるのだ。
提携クレジットカードは30種類以上あり、カードによって年会費やマイルの還元率は異なるが、基本的には100円利用につき1マイルが貯まる。
JAL国際線の特典航空券は、往復15,000マイルから利用できるので、年間で150万円、月々12.5万円のカード利用で貯められる計算になる。
提携クレジットカードの中で、どんな方にもおすすなのがJALカードである。
年会費は2,000円(税抜)で、別途年会費3,000円(税抜)のショッピングマイルプレミアムに加入することで、100円利用につき1マイルが貯まる。
3.提携ポイント交換で貯める
電子マネーやクレジットカードのポイントの中には、JALマイルに交換可能なものもある。
基本的には2ポイント=1マイルとなり交換レートはあまり良くはないが、マイルを貯める助けにはなるだろう。
例えば、dポイントやPontaポイント、イオンカードなど、日常的に利用しやすいものも多い。
4.JALパックツアー・ホテルの宿泊で貯める
JALパックツアーや提携ホテルの利用でマイルを貯めることもできる。
JALパックツアーでは、1滞在ごとにマイルが提供されるパターンと、1ドルごとにマイルが貯まるパターンとがある。
また、JALと提携している15,000軒以上のホテルに宿泊することで、マイルを貯めることも可能だ。
日航ホテルやインターコンチネンタルホテル、プリンスホテル、ハイアットなど一流ホテルを中心に多く提携している。
5.JALマイル特約店で貯める
JALマイルは、日本全国に約52,000店舗ある「JALマイル特約店」でお得にマイルを貯められることも魅力だ。
通常200円=1マイルのところ、特約店であれば200円=2マイルと高還元率で貯められる。
代表的なJALマイル特約店は以下の通りだ。
- ENEOS
- 大丸
- 松坂屋
- ファミリーマート
- ウエルシア
- ノジマ
- ディノス
- トヨタレンタカー
- 紀伊國屋書店
- ニューバランス
- 二木ゴルフ
- 紳士服コナカ
- ロイヤルホスト
6. JALマイレージモールで貯める
JALが運営する会員向けインターネットショッピングモール「JALマイレージモール」を利用することでマイルを貯めることも可能。
JALマイレージモールは、Amazonなどの人気通販サイトの他、レストラン、カラオケ、レンタカー、ホテルなど様々なサービス予約サイトと提携している。
JALマイレージモールを経由してこれらのサイトにアクセスすることで、マイルが0.5%加算される。
7.JMB WAONで貯める
JMB WAWONは、電子マネー「WAON」での支払いでJALマイルが貯まるカード。200円利用につき1マイルが貯まる。
さらにWAONボーナスポイントの対象商品を購入すれば、ボーナスポイントの半分がJALマイルに変換されるので大変お得だ。
また、JMB WAWONにクレジットカード機能が付いたのが「イオンJMBカード」だ。
カード利用でも200円につき1マイルが貯まる他、請求をWeb明細にするだけで、毎月5マイルがプレゼントされる。
デルタスカイマイルの特徴
アメリカの大手航空会社、デルタ航空が提供するデルタスカイマイル。
デルタ航空の航空チケット(特典航空券)に交換する他に、JTBクーポンに引き換えることも可能。
デルタスカイマイルの最大の特徴は、有効期限がないことだ。
期限を気にせずマイルを貯めて、お得に旅行を楽しむことができるのは魅力的だ。
デルタスカイマイルの貯め方
デルタスカイマイルの貯め方は、主に次の通り。
1.デルタ航空のフライトで貯める
2.ニッポン500マイルボーナスマイル・キャンペーンで貯める
3.提携クレジットカードで貯める
4.ポイントサイトで貯める
1.デルタ航空のフライトで貯める
デルタスカイマイルのフライトマイルの計算方法は独特で、飛行距離ではなく航空券の代金をベースに算出される。
ファーストクラスや国際線のように、航空券代金が高ければ高いほど貯まるマイルは多くなる。
それだけでなく、会員資格も獲得できるマイル数に影響を与える。
会員資格による獲得マイル数は以下の通りだ。
会員資格 | 1ドルあたりの獲得マイル数 |
---|---|
一般会員 | 5マイル |
シルバーメダリオン | 7マイル |
ゴールドメダリオン | 8マイル |
プラチナメダリオン | 9マイル |
ダイヤモンドメダリオン | 11マイル |
2.ニッポン500マイルボーナスマイル・キャンペーンで貯める
デルタ航空では「ニッポン500マイルボーナスマイル・キャンペーン」の活用により、日本国内線に搭乗するとデルタスカイマイルを獲得できる。
国内線に搭乗する度に、航空会社・航空運賃を問わず500マイルが無料で提供される。
開催期間は、2018年4月1日~2019年3月31日までだ。(※2018年5月時点)
申請方法は、搭乗後2カ月以内に書類に必要事項を記入して、搭乗券を貼り付けた上でFAXするだけ。
一般会員は年間最大5,000マイル(10フライト分)まで、シルバーメダリオン以上は年間最大20,000マイル(40フライト分)まで申請できる。
LCCの格安航空券でも500マイルを獲得できるので、非常にお得なキャンペーンだと言えよう。
デルタ航空は、日本国内ではあまり縁がないと感じている人もいると思うが、ぜひとも知っておきたいマイルの貯め方だ。
3.提携クレジットカードで貯める
デルタ航空と提携しているクレジットカードを利用することで、デルタスカイマイルを貯めることができる。
JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブの3社から提携クレジットカードが発行されており、還元率は1.0%~1.5%となっている。
おすすめなのが「デルタスカイマイル アメリカン・エキスプレス・カード」だ。
年会費は12,000円(税抜)と高めだが、デルタ航空の上級会員「シルバーメダリオン」の資格が自動付帯する。
また、マイルの還元率は1.5%と高く、効率的にマイルを貯めていくことができる。
アメックスカードのステータスも手に入り、空港ラウンジを利用することも可能。
頻繁に飛行機を利用する方にはおすすめの一枚である。
4.ポイントサイトで貯める
ポイントサイトを利用することでも、デルタスカイマイルを貯めることが可能。
ポイントサイトとは、ポイントサイト会員が広告を利用すると、広告料の一部が会員に還元されるというもの。
代表的なものに、ハピタス、モッピー、ポイントタウンなどがある。
ポイントサイトで貯めたポイントを、「Gポイント」または「PeX」でデルタスカイマイルに変換する。
Gポイントは1ポイント=1円相当なので、300円相当のポイントが50マイルになる。
PeXは10ポイント=1円相当なので、400円相当のポイントを90マイルになる計算だ。
グルメ系のポイントサイトを利用すれば、外食や飲み会で大量のマイルを貯めることもできる。
他にも、楽天市場やYahoo!ショッピングでの買い物でもポイントが貯まるので、地道にスカイマイルを貯めることが可能だ。
毎日こつこつマイルを貯めていこう
「マイルを貯める」と言うと、飛行機に何度も乗らなければならないイメージがあったかもしれない。
しかし、今回紹介したように、マイルを貯める方法としてはこれ程幅広い選択肢がある。
ANA、JAL、デルタ航空いずれも、フライト以外では提携クレジットカードを利用することでマイルを貯めるのが基本だ。
1万マイルを貯めるには年間100万円、月8万円程度のクレジットカードの利用で十分なので、難しくはないはずだ。
公共料金などの支払いをクレジットカードにまとめたり、ボーナスマイルがもらえるカードを選んだりすることで、より早くマイルを貯められるだろう。
その他にも、ショッピングモールや提携ポイントカードでコツコツとポイントを貯めることで、マイルに交換することもできる。
飛行機にはそれほど頻繁に乗らないが、マイルを貯めて旅行に行きたいという人は、今回紹介した方法をぜひ参考にしてほしい。