電子マネーはキャッシュレス決済の手段の一つとして便利なだけでなく、利用やチャージでマイルを貯めことができるという特徴がある。
電子マネーを使ってマイルを貯める方法は、陸でマイルを貯める手段のひとつとしておすすめだ。
日常的に電子マネーを活用してマイルを貯めておけば、旅行や帰省などで飛行機を使う際に利用できるので便利だ。
ただ単に電子マネーを利用するだけでなく、お得にマイルを貯めるコツも存在する。
中でも、クレジットカードとの併用によるマイルの二重取りは、非常に有効な貯め方のためぜひ活用したい。
通常よりも遥かに効率的にマイルを貯められる方法として、特定加盟店やキャンペーンの活用もおすすめだ。
本記事では電子マネーの利用とチャージによるマイルの貯め方、そして対応する電子マネーを一挙に紹介する。
飛行機の搭乗以外でも賢くマイルを貯める「陸マイラー」にも、ぜひ参考にしてほしい。
目次
電子マネーでマイルを貯めるコツ
加盟店・キャンペーンを活用
ANAカードマイルプラス加盟店を始めとする特定の加盟店で、電子マネーを利用して買い物をすると、通常よりもマイルが貯まる。
時期によってはチャージやサービス利用などで、マイルがプレゼントされるキャンペーンなども行われている。
電子マネーiDを例にとって見ると、ANAカードマイルプラス加盟店でiDを活用すれば、マイル還元率が最大2%までアップする。
加盟店の数は多くないが、ENEOSやセブンイレブンなどの日常的に利用する店舗もあるため、使いやすいはずだ。
ANAカードマイルプラス加盟店には、以下のような店舗がある。
- ENEOS
- セブンイレブン
- 紳士服 コナカ
- 大和自動車交通
- 東京無線タクシー
これらの店舗では、Apple Pay、 iD 、QUICPayのいずれかの方法で、対象のANAカードから決済を行うことでポイントが貯まる。
ポイントは、利用日から約1~2ヶ月後に積算される。
ANAカードマイルプラス加盟店で貯まるマイルは、クレジットカード会社や契約内容によって異なるので、あらかじめ確認しておこう。
二重取り
効率的にマイルを貯めるうえで欠かせない方法が、ポイントの二重取りだ。
WAONをはじめ、電子マネーとクレジットカードの併用によって、ポイントの二重取りができることは多い。
クレジットカードから電子マネーにチャージする際にマイルを貯め、さらに電子マネーの利用でもマイルを貯めるといった二重取りは、非常に効率的なマイルの貯め方だ。
利用したい電子マネーでのポイントの二重取りが可能か、日常生活のなかで二重取りができる機会は多いかなど、事前に調べておくことをおすすめする。
二重取りができる例として、前述の、WAONにおけるJALマイルの二重取りがある。
電子マネーやクレジットカードの利用で貯まったポイントをマイルに交換する方法でも良いが、やはりチャージと利用どちらのシーンでもマイルが貯まるのがおすすめだ。
コストをかけずに電子マネーを利用する
電子マネーの中でも、貯まったポイントをマイルに移行できたり、直接マイルが貯まったりするタイプは限られている。
クレジットカードの発行には入会費や年会費がかかるものも多いが、ポイントやマイルを貯めるために、わざわざ年会費の高いカードに申し込むのは得策とは言えない。
できる限りコストをかけず、効率的に電子マネーとクレジットカードを利用してマイルを貯めるべきだ。
例えば、iDとQUICPayがダブルで搭載された年会費無料の「オリコカード・ザ・ポイント」など、発行手数料や年会費がかからないカードで電子マネーを利用するなど、工夫したい。
ANAマイルが貯まる電子マネー
電子マネー | 楽天Edy | iD | nanaco |
---|---|---|---|
モバイル版 | ○ | ○ | ○ |
マイル還元率 | 0.5~1.0% | 1.0%~2.0% | 0.5% |
楽天Edy
楽天Edy株式会社が運営する、プリペイド型の電子マネー。
Edyを利用してANAマイルを貯めるには、以下の方法がある。
Edy一体型カードでEdy利用
Edy機能が搭載されたANAマイレージクラブカード、およびANAカードに搭載されたEdyで支払いを行うと、200円につき1マイルが直接貯まる。
カードの利用から約2~3週間後、対象分のマイルがANAマイレージクラブのマイル口座に自動的に積算される。
なお、Edy マイルプラス対象店舗では、Edyでの支払いで、200円につき1マイルのところ、200円につき2マイルが貯まる。
おサイフケータイでEdy利用
おサイフケータイを利用して、Edyで支払いを行うと、200円につき1マイルが直接貯まる。
ただし、利用できる端末は、Android端末のみ。
手持ちのスマートフォンに「楽天Edyアプリ」を設定し、「ケータイ de Edyマイル」のサービス登録を行うことで、利用できる。
Edyチャージ
ANA JCBワイドゴールドカード、ANA ダイナースカード、ANAカード プレミアムのいずれかのANAカードからEdyにチャージを行うことで、200円につき1マイルが自動的に積算される。
iD
株式会社NTTドコモが運営する電子マネー。
後払い方式のためチャージ不要なのが特徴。モバイル版も利用できる。
iD利用では、三井住友カードのポイントプログラムであるVポイントが貯まり、このポイントをANAマイルに交換することでマイルを貯めることができる。
Vポイントは200円の利用ごとに1ポイント貯まり、1ポイント=2マイルでの移行となる。
※2020年6月1日よりワールドプレゼントがVポイントにリニューアルした。
さらに、「ANAカードマイルプラス加盟店」で、対象のANAカードからiDを利用すると、100円または200円の利用ごとに1マイルが直接貯まる。
ANAカードマイルプラスの対象となるANAカードは、以下の通り。
- ANAカード一般
- ANAワイドカード
- ANAゴールドカード
- ANAカードプレミアム
- ANAカード(法人用)
nanaco
nanacoは、プリペイド型の電子マネー。
モバイル版の「nanacoモバイル」は入会無料で、スマホで利用状況などをチェックできる。
nanacoでは、100円(税抜)の利用につき1ポイントが貯まり、nanacoポイント500ポイントをANAマイル250マイルに交換できる。
また、nanacoポイント500ポイントをANA SKYコイン500コインに交換できる。
ANASKYコインは航空券や旅行商品などのほか、ANASKYコインで購入した航空券でもマイルを貯めることができる。
JALマイルが貯まる電子マネー
電子マネー | WAON |
---|---|
モバイル版 | ○ |
マイル還元率 | 0.5~1.0% |
WAON
「WAON」はイオンリテールが発行する、プリペイド型電子マネー。
WAONを利用してJALマイルを貯めるためには、JMB WAONカードに入会する必要がある。
なお、JMB WAON以外のWAONカードでは、JALマイルは貯められない。
JMB WAONカードにはクレジットカード機能付きとクレジットカード機能なしのものがある。
クレジットカード機能付きのカードでは、WAON利用200円(税込)につき1マイルが直接貯まる。
また、毎月5日・15日・25日の「お客さまわくわくデー」ではWAON利用200円(税込)につき通常の2倍の2マイルが貯まる。
この他、WAONを利用しない場合も、カードショッピング利用200円(税込)につき1マイルを貯めることができる。
クレジットカード機能なしのカードは、JALマイルが貯まるJALカードと紐づけることで、電子マネーでの支払い200円(税込)で、1マイルが貯まる。
さらに、見逃せないのが、JALカードを使ったクレジットチャージ、オートチャージによるマイルの二重取りだ。
以下のJALカードを使ってJMB WAONにチャージをすると、チャージ金額200円(税込)につき1マイルが貯まる。
- JAL・JCBカード
- JAL・Visaカード
- JAL・Mastercard、JALカード
- TOKYU POINT ClubQ
上記のクレジットカードからWAONへのチャージ登録をインターネット経由で行うと、JALカードを使ってWAONのチャージおよびオートチャージができるようになる。
なお、JALカードを使ったチャージ方法には、以下の2つがある。
WAONカードを利用する場合
JMB WAONカードと対象のJALカードを準備する。
パソコンまたはスマートフォンから、WAON公式ホームページのJMB WAONクレジットチャージの設定ページにアクセスし、2枚それぞれのカードの必要事項を入力する。
イオンなどに設置されているWAONステーションまたは全国のイオン銀行ATMで、JALカードからWAONにチャージを行うことができるようになる。
モバイルJMB WAONを利用する場合
モバイルJMB WAON アプリ画面から「チャージ」→「クレジットチャージ申請及びオートチャージの設定」を選ぶ。
利用規約に同意し、クレジットカード情報を登録する。
オートチャージを希望する場合はオートチャージ設定を「希望する」を選び、金額を入力し、登録を行う。
ANA・JAL両方のマイル貯まる電子マネー
Suica
貯まるマイル | ANA、JALマイル |
---|---|
モバイル版 | あり |
マイル還元率 | 1% |
JR東日本が提供する、プリペイド型の共通乗車カード・電子マネー。
Suicaの電子マネー利用でマイルが貯まるのはクレジットカード機能付きのSuicaのみ。
カードの種類も限られているため、その点には注意したい。
以下のカードでチャージを行うと、マイルが貯まる。
- ANA VISA Suicaカード(年会費8000円):チャージ100円につき1マイル
- JALカードSuica(年会費5000円):チャージ100円につき1マイル
これらのカードはモバイルSuicaにも登録できるため、iphoneやスマートフォンからの利用も可能だ。
QUICPay
貯まるマイル | ANAマイル(JCB、アメックス) JALマイル、デルタ航空スカイマイル(JCB) |
---|---|
モバイル版 | あり |
マイル還元率 | カードにより異なる |
QUICPay(クイックペイ)は、JCBが提供する後払い形式の電子マネー。
カード版、モバイル版の2種類がある。
マイルが貯まる国際ブランドは、JCB、アメックス(モバイルのみ)となる。
JCBとアメックスで移行できるマイルの種類が異なるため、注意したい。
さらに、QUICPayの利用で直接マイルが貯まるわけではなく、JCB、アメックスのポイントをマイルに移行する必要がある。
JCBブランドのカード
ANAマイル
Oki Dokiポイント1ポイントを、ANAマイル3マイルに移行できる。
500ポイント以上1ポイントから移行が可能で、移行登録後、約1週間後に移行が完了する。
ANAスカイコイン
Oki Dokiポイント1ポイントを、ANAスカイコイン3コインに移行できる。
500ポイント以上1ポイントから移行が可能で、移行登録後、約1週間後に移行が完了する。
JALマイル
Oki Dokiポイント1ポイントを、JALマイル3マイルに移行できる。
500ポイント以上1ポイントから移行が可能で、移行登録後、約2~3週間後に移行が完了する。
デルタ航空スカイマイル
Oki Dokiポイント1ポイントを、デルタ航空スカイマイル3マイルに移行できる。
500ポイント以上1ポイントから移行が可能で、移行登録後、約1~4週間後に移行が完了する。
アメックスブランドのカード
ANAマイル
ANAマイルに移行するためには、「メンバーシップ・リワード ANAコース」への登録が必要。
登録の手順は以下の通りだ。
オンラインサービスにログインし、メンバーシップ・リワード カタログサイトの「ポイントプログラムについて」より「ポイント移行 提携先プログラムのご登録/メンバーシップ・リワード・プラスへのご登録」を選ぶ。
フォームに必要事項を入力すると、「メンバーシップ・リワードANA コース」の登録が完了。
移行するポイント数を入力すると、ポイント移行の手続きができるようになる。
メンバーシップ・リワード・プラスに登録済みの場合は1,000ポイントごとに1,000マイル、未登録の場合は2,000ポイントごとに1,000マイルの移行レートとなる。
国際ブランドがJCBの場合、ANAカードマイルプラス加盟店でのクイックペイ利用で、マイルに移行できるOki Dokiポイントと別でマイルも貯まる。
ポイントの2重取りが可能なため、効率的にマイルを貯められる。
なお、QUICPay で貯まったポイントもnanacoと同様、ANASKYコインとの交換も可能だ。
どの電子マネーが最もマイルを貯めやすい?
結論から言うと、電子マネーを使う場所やおサイフケータイの利用の有無など、ライフスタイルに合わせて使う電子マネーを決めるのがもっとも効率的にマイルを貯められるといえる。
また、貯めたいマイルの種類がANAか、JALかによっても異なる。
電子マネーの利用でJALマイルを貯めたい場合、JMB WAON、またはJALカードSuicaでなければマイルを貯めることができないため、選択肢は限られる。
JMB WAONでJALマイルを貯める場合には、JALカードとの併用が圧倒的にお得なため、一緒に申し込むことをおすすめする。
ANAマイルは電子マネーの利用でマイルを貯めやすく、選べる電子マネーの種類も豊富だ。
マイルが貯まること以外のメリットや利便性なども加味して決めることをおすすめする。
電子マネーで賢く陸マイルを貯めよう
現金を所持する必要がなく、支払いがスムーズにできる電子マネーはマイルを貯めるのにもおすすめの方法だ。
日常の買い物がラクにできて陸マイルが貯められるとなれば、利用するメリットは大きい。
従来の電子マネーというと「チャージが面倒」という印象があるが、オートチャージやクレジットカードからのチャージを利用すれば、店舗などでのチャージも必要ない。
また、モバイル版がある電子マネーがほとんどだ。
iphoneやスマホから電子マネーを使うことができるため、カードを持ち歩いたり取り出したりせずに済む点もメリットである。
ポイントをマイルに移行できるタイプのカードも多いため、電子マネーとクレジットカード一体型のカードを持ち、両方を活用していく方法が非常におすすめだ。
現在では有名チェーン店などをはじめ、電子マネーが使える店舗も続々と拡大しているため、「店頭で電子マネーが使えなくて困る」ということも減ってきている。
さらに、カード利用でもマイルが貯まるクレジットカード一体型ならば、電子マネーが使えない店舗でもカードで支払いができ、マイルを貯める機会を損なわずに済むだろう。
電子マネーを賢く使って、上手に陸でマイルを貯めていこう。