交通系ICカードの普及に伴い、クレジットカード一体型のカードも増えている。一体型カードは、カードの枚数を減らせる、オートチャージを利用できる、チャージによりポイントが貯まるなどのメリットがある。
なかでも便利なのが、定期券搭載が可能なクレジットカードだ。本記事では、首都圏で利用の多いSuicaとPASMOの定期券搭載が可能な一体型クレジットカードを紹介する。
利用頻度の高い沿線で特典やポイントアップの多いカードを選ぶのがおすすめ。交通系ICカードは今や全国で利用できるので、首都圏以外に住む人にも参考になるだろう。
目次
Suica・定期券一体型クレジットカード
Suicaは、JR東日本が発行する交通系ICカード。Suica一体型のクレジットカードは、JR東日本グループの株式会社ビューカード発行の「ビューカード」で、いくつかの種類がある。
ビューカードに共通するメリットとして、JR東日本の「VIEWプラス」対象サービスでは下表のように高還元率になるという点があげられる。
ビューカード ゴールドカード | ビューカード ゴールドカード以外 | ||
---|---|---|---|
えきねっと | 1.JRのきっぷを予約(予約時決済) | 8% | 3% |
モバイルSuica | 2.グリーン券を購入 | 8% | 3% |
3.定期券を購入 | 4% | 3% | |
4.オートチャージ・チャージ | 1.5% | 1.5% | |
Suica | 5.オートチャージ | 1.5% | 1.5% |
6.その他 ・みどりの窓口 ・発券機 ・駅たびコンシェルジュ ・VIEW ALTTE(エキナカATM) などの利用 | 1% ※チャージ、旅行商品購入等は0.5% | 0.5% |
さらに、SuicaをJRE POINTサイトに登録すると、以下のサービス利用時、モバイルSuicaは50円ごとに1ポイント(2%)、カードタイプSuicaは200円ごとに1ポイント(0.5%)が加算される。
- 在来線乗車
- Suicaグリーン券購入
- モバイルSuica定期券購入※カードタイプ対象外
- 「タッチでGo!新幹線」等
また、JRE POINT加盟店でカードを提示すると、上記とは別に100円(税抜)利用につき1ポイントが貯まるため、非常にお得。
ビューカードのうちいくつかのカードは定期券搭載が可能だ。そのなかでもおすすめのカードを次に紹介する。
「ビュー・スイカ」カード(View Suica)
Suica一体型のクレジットカードで一番スタンダードなカード。
同じ「ビュー・スイカ」カードのシリーズで、ゴールドカードや、リボルビング払い専用のリボカードもある。
年間利用額に応じたボーナスポイントあり
「ビュー・スイカ」カードでは、年間利用額に応じて、下表のように最大2,500ポイントのボーナスポイントが付与される。
年間利用額 | ボーナスポイント |
---|---|
30万円(税込) | 250ポイント |
70万円(税込) | 1,000ポイント |
100万円(税込) | 1,500ポイント |
150万円(税込) | 2,500ポイント |
定期券購入や日々のSuicaチャージ、毎月固定の支払いなどに本カードを利用することで、ボーナスポイントを獲得しやすくなるはずだ。
国内・海外旅行保険が付帯
海外旅行傷害保険が傷害死亡・傷害後遺障害 最高500万円、個人賠償責任 最高3,000万円などの補償で利用付帯、国内旅行傷害保険が最高1,000万円の補償で利用付帯となる。
「ビュー・スイカ」カード
普段のSuicaチャージでポイントが貯まるお得なカード
- モバイルSuicaのオートチャージで1.5%還元
- JRきっぷ予約(予約時決済)、モバイルSuicaでのグリーン券・定期券購入で還元率3%
- Suica・定期券搭載
- JRE POINTが貯まりやすい
JR東日本を中心に、幅広く活躍するカード
年会費 | 525円(税込) |
還元率 | 0.5%~ |
ETCカード | 525円(税込) |
家族カード | 525円(税込) |
旅行保険 | 国内:最高1,000万円(利用付帯) 海外:傷害死亡・傷害後遺障害 最高500万円(利用付帯) |
国際ブランド |
ルミネカード
ルミネでいつでも5%OFF、年に数回のキャンペーンでは10%OFFになるルミネユーザーにおすすめのカード。
ビュー・カードには他の企業と提携したカードがいくつかあるが、その中で定期券搭載が可能なのはルミネカードのみ(2018年9月5日時点)。
ルミネ店舗は全国に展開しているが、特に首都圏に多いため、Suica利用者にとってのメリットは大きい。
ルミネでの買い物がいつでも5%OFF
ルミネ、NEWoManとルミネのネット通販アイルミネでの買い物がいつでも5%OFFになる。定価販売の本やDVD、レストランや食品なども割引対象となるのでかなりお得。
また、年に数回10%オフになるキャンペーンもあり、対象店舗をよく利用する人は持っておきたいカード。
ポイントはルミネ商品券にも交換可能
ルミネカードでも、カード利用によりビュー・カードのJRE POINTが貯まる。貯まったポイントは、ルミネの商品券に交換することもできる。
Suicaへのチャージは1ポイント=1円だが、ルミネ商品券に交換する場合は1ポイント=最大役1.2円となり、額が大きくなるほどややお得になる。
利用金額に応じて商品券プレゼント
年間のカード利用金額に応じて、以下のようにルミネ商品券がプレゼントされる。
20万円~50万円未満の利用:1,000円分の商品券
50万円~70万円未満の利用:2,000円分の商品券
70万円~100万円未満の利用:3,000円分の商品券
100万円以上の利用:5,000円分の商品券
100万円以上利用した人には、さらにスペシャルVIPサービスとして年に1度の「プレミアム体験キャンペーン」に参加できる。
ルミネカード
年会費 | 初年度年会費無料 2年目以降:1,048円(税込) |
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還元率 | 0.5%~1.5% |
旅行傷害保険 | 国内:最高1,000万円(利用付帯) 海外:傷害死亡・傷害後遺障害 最高500万円(利用付帯) |
電子マネー | Suica |
国際ブランド |
JRE CARD(Suica定期券付)
駅ビルなどの「JRE CARD優待店」での利用でポイント還元率3.5%になるカード。優待の豊富な駅ビル利用の多い人におすすめ。初年度年会無料なのも嬉しい。
定期券搭載がないSuica一体型、定期券もSuicaも搭載がないタイプのJRE CARDもある。
JRE CARD優待店でポイント還元率3.5%
「JRE CARD優待店」での利用で100円(税抜)につきJRE POINTが3ポイントが貯まり、ポイント還元率3.0%となる。
また、クレジットカード利用月の翌月中旬に、利用金額1,000円(税込)につきJRE POINTが5ポイント貯まり、ポイント還元率合計は3.5%となる。
JRE CARD優待店は、首都圏・東日本エリアの駅ビルやJRE MALLなど。
駅ビルなど提携施設での優待あり
駅ビルなどJR沿線の提携施設で様々な優待を受けられる。
たとえば、アトレ・アトレヴィでの年間ボーナスポイントなど。JR沿線の施設をよく利用する人におすすめだ。
PASMO・定期券一体型クレジットカード
PASMOは株式会社パスモが発行する交通系ICカード。首都圏の私鉄やその沿線で利用が多い。
定期券搭載が可能なカードとして以下がある。
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)
東京地下鉄株式会社のクレジットカード「To Me CARD」にPASMO、さらにANAカードの機能が一体になったカード。
JCBのOkiDokiポイント、ANAマイル、東京メトロのメトロポイントの3つを貯めることができる。
搭載できる定期券は、東京メトロ、東急電鉄、東武鉄道、京急電鉄、相模鉄道、京王電鉄で発売している定期券。
おすすめポイント
・選べるポイントプログラム
ポイントプログラムとして、マルチポイントコースとマイル自動移行コースの2種類があり、ショッピング利用によりJCBのOki DokiポイントまたはANAマイルのどちらを貯めるか選択できる。
マルチポイントコースでは利用金額1,000円でOki Dokiポイントが1ポイント貯まる。
マイル自動移行コースでは、5マイルコースで利用金額1,000円で5マイル、10マイルコースなら10マイル貯まる。
・東京メトロのメトロポイントが貯まる
乗車や電子マネーの利用、定期券の購入などにより、東京メトロの提供するポイントサービス「メトロポイント」も貯まる。
乗車では平日5ポイント、土休日15ポイント、定期券購入では1,000円ごとに5ポイントが貯まる。
貯まったポイントはPASMOへのチャージや他のポイントプログラムへの移行が可能。
・マイルとポイントの相互交換可能
本カードの利用で貯まったOki Dokiポイントは、マイルやメトロポイントに移行できる。
1 Oki Dokiポイントは3~10マイルまたは5メトロポイントに交換可能。
また、交換レートは低いがメトロポイントをマイルに交換することも可能。
ANA To Me CARD PSAMO JCB(ソラチカカード)
年会費 | 初年度無料 2年目以降:2,200円(税込) |
---|---|
還元率 | 0.5% ※「10マイルコース」を選択した場合のマイル付与率は1.0% |
旅行保険 | 海外:最高1,000万円(自動付帯) |
電子マネー | PASMO |
国際ブランド |
Tokyo Metro To Me CARD Prime PASMO
東京地下鉄株式会社のクレジットカード「To Me CARD」とPASMOの一体型カード。ゴールドカードもある。
株式会社ジェーシービー発行のカードと、三菱UFJニコス株式会社が発行するVISA・マスターカードのカードがあり、それぞれポイントプログラムが異なる。
搭載できる定期券は、東京メトロ、東急電鉄、東武鉄道、京急電鉄、相模鉄道、京王電鉄で発売している定期券。
おすすめポイント
・国際ブランドを選べる
Tokyo Metro To Me CARD Prime PASMOでは、JCB・VISA・マスターカードから国際ブランドを選ぶことができる。
VISA・マスターカードは三菱UFJニコスの発行でポイントプログラムは「わいわいプレゼント」、JCBでは「Oki DOkiポイント」となる。
いずれもカード利用1,000円につき1ポイントが貯まる。
VISA・マスターカードでは海外旅行保険やショッピング補償が付帯する。
・メトロポイントが貯まりやすい
東京メトロ乗車や定期券の購入、電子マネーの利用により東京メトロのメトロポイントを貯めることができる。
乗車時に付与されるメトロポイントは平日10ポイント、土休日20ポイントと高めの設定。
さらに年間利用額によるボーナスポイントもあり、30万円で100ポイント、50万円で300ポイント、100万円で1,000ポイントが付与される。
・さまざまなポイント移行が可能
カード利用により貯まるポイントは、1ポイント=5メトロポイントに移行可能だ。
メトロポイントは、PASMOチャージの他、楽天スーパーポイント、nanacoポイントに1:1の交換レートで移行可能。
ANAマイルにも移行可能だが、100ポイント=90マイルとなるので交換レートはやや下がる。
東京メトロ「To Me CARD Prime PASMO」
年会費 | 初年度無料 2年目以降:2,200円(税込) |
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還元率 | 0.5%〜 |
国際ブランド |
TOKYU CARD ClubQ JMB
東急グループの東急カード株式会社が発行するクレジットカード。
基本のポイント還元率も1.0%と高還元率だが、東急グループや提携企業では最大10%となる。
搭載できる定期券は、東急電鉄、京急電鉄、東京メトロ、東武鉄道、相模鉄道、京王電鉄の定期券。
おすすめポイント
ポイントプログラムは「TOKYU POINT」、ポイント還元率1.0%と高還元率のカードだ。
・東京グループ・提携店舗でポイント還元率最大10%
さらに、東急グループを始めとした提携店舗では、カード提示・利用で還元率が最大10%となる。
カード提示のみでもポイントアップが可能。
・JALマイルも貯まる
JAL便搭乗時にJALマイルを貯めることができる。
TOKYUポイントとの相互交換も可能で、2,000ポイント→1,000マイル、10,000マイル→10,000ポイントとして移行。
・オートチャージや定期券購入で最大1%
オートチャージや定期券購入時にも還元率1.0%でポイントが加算される。
また、12ヵ月分の定期券をまとめて購入する「東急線いちねん定期」では、ポイント還元率が3.0%となる。
TOKYU CARD ClubQ JMB
年会費 | 初年度無料 2年目以降:1,100円(税込) |
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還元率 | 1.0%〜10% |
国際ブランド |
東京スカイツリー東武カードPASMO
東武鉄道グループの株式会社東武カードビジネスが発行するクレジットカード。
東武グループの対象施設、東武鉄道定期券・チケット購入でのカード利用で東武グループポイントが付く。
東京スカイツリータウンでの特典があるのも特徴。
搭載できる定期券は、東武鉄道、東京メトロ、京急電鉄、東急電鉄、京王電鉄、相模鉄道の定期券。
おすすめポイント
・東武鉄道定期券・チケット購入で高還元率
東武鉄道の定期券を購入すると還元率1.5%でポイントが付与される。
また、東武鉄道のチケット購入ではポイント還元率3.0%となる。
ポイント付与の対象は限られているが、東武鉄道の利用機会が多い人には非常にお得だ。
・東武グループポイント参加施設でポイントが貯まる
東武グループのポイント参加施設でもカード利用でポイントが付与される。
施設や利用金額によって変動するが、ポイント還元率は1.0%~最大7.0%。
・東京スカイツリータウンでの特典あり
東京スカイツリーの天望デッキ入場券(当日)の割引、東京スカイツリータウンの駐車場料金が1時間無料になる特典を受けられる。
京王パスポートPASMOカードVISA
京王グループの株式会社京王パスポートクラブが発行するクレジットカード。
通常のカード利用やオートチャージでは、三井住友カードの「Vポイント」が貯まる。
電子マネー利用や定期券購入、京王ポイント加盟店の利用では京王グループ共通ポイントが貯まる。
搭載できる定期券は京王電鉄、東京急行電鉄、京浜急行電鉄、東京メトロ、東武鉄道、相模鉄道の定期券だ。
おすすめのポイント
・定期券購入・オートチャージでポイント還元率最大1.5%
本カードのポイントプログラムは「Vポイント」。
オートチャージで0.5%、定期券購入で1.5%のポイント還元率となる。
定期券購入では京王グループ共通ポイントも貯まる。
※2020年6月1日より、「ワールドプレゼント」が「Vポイント」にリニューアルした。
・京王グループ共通ポイントも貯まる
PASMO利用で1.0%、定期券購入で1.5%、京王ポイント加盟店のカード利用で0.5%~最大10%の京王グループ共通ポイントを貯めることができる。
京王グループ共通ポイントは、京王グループの対象店舗で1ポイント=1円で利用できる他、1,000ポイント=1,000円相当のポイント券にも交換可能。
・ポイントの二重取りを活用
定期券購入時には、ポイント還元率1.5%でVポイント・京王グループ共通ポイントの両方が貯まる。
また、京王ポイント加盟店では、電子マネーを利用することで、電子マネー利用分0.5%+利用金額の1.0%~の京王グループ共通ポイントが付与される。
ポイントが貯まる機会が多いので、忘れずに活用したい。
よく利用する沿線で選ぼう
PASMOやSUICAで定期券を利用している場合は、一度、今回紹介したクレジットカードの利用を検討してみてほしい。
定期券・交通系ICカード・クレジットカードを一枚にまとめられると便利なうえ、定期券購入でかなりのポイント還元を得られる。
沿線の施設でポイントアップが適用されることも多いので、よく利用する施設が対象になっていないか確認してみよう。
特に沿線の施設を利用しない場合は、ソラチカカードがおすすめだ。
このカードであれば、通常のポイント、東京メトロのメトロポイント、ANAマイルを1枚のカードで貯められる。
通常ポイントとメトロポイントはANAマイルに移行することもできるため、マイルを効率的に貯めることが可能だ。
ANA To Me CARD PSAMO JCB(ソラチカカード)
年会費 | 初年度無料 2年目以降:2,200円(税込) |
---|---|
還元率 | 0.5% ※「10マイルコース」を選択した場合のマイル付与率は1.0% |
旅行保険 | 海外:最高1,000万円(自動付帯) |
電子マネー | PASMO |
国際ブランド |