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stera pack light開始、月額0円の新端末は2年超の利用で割安に

三井住友カードが、個人事業主や小規模店舗向けの新サービス「stera pack light」の本格提供を2026年9月28日(月)に始めた。月額利用料0円・初期費用39,600円(税込)という料金体系は従来の「stera pack」とは逆の設計で、どちらが得かは使う期間とキャッシュレス売上の規模で決まる。

「stera pack light」は月額0円・初期費用39,600円の新プラン

stera pack lightは、SMBC GMO PAYMENTが提供するキャッシュレス決済サービス「stera pack」の新しいラインナップだ。専用の決済端末「stera terminal light」を、決済手数料1.98%~、月額利用料0円で導入できる。申込はWebから受け付け、最短1週間で端末が発送される。

これまでのstera packには、据置型の「stera terminal standard」と、対応する決済ブランドが限られる「stera tap」があった。三井住友カードは、「持ち運びたい」「多様な決済に対応したい」という個人事業主・小規模店舗や開業準備中の事業者の声に既存のラインナップでは応えきれなかったとしており、その空白を埋めるのがstera pack lightという位置づけだ。

1台でクレジットカードからコード決済まで受けられる「stera terminal light」

stera terminal light

stera terminal lightの特徴は、持ち運べるサイズでありながら対応する決済手段が幅広い点にある。これまでのstera packでは「決済手段は多いが据え置きのstera terminal standard」か「対応ブランドが限られるstera tap」から選ぶ形だったが、stera terminal lightはこの2つの長所を1台で両立させた端末といえる。

クレカ・タッチ決済・電子マネー・コード決済に対応、銀聯などは対象外

対応するのは、クレジットカード、タッチ決済(NFC)、電子マネー(iD、QUICPay、交通系IC等)、コード決済(PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ等)だ。客が普段使っている支払い方法の多くを1台でカバーできるため、「この決済は使えますか」と聞かれて断る場面を減らせる。

ただし、銀聯と一部のコード決済は対象外とされている。インバウンド客の多い観光地の店舗や、特定のコード決済の利用者が多い地域では、自店の客層が使う決済手段が含まれているかを申込前に確かめておきたい。

190gのポケットサイズ、SIMを使えばWi-Fiのない屋外でも決済できる

端末の重さは190gで、ポケットに収まるサイズだ。レジ前だけでなく、飲食店のテーブル会計や店外での決済にも使える。客が席を立ってレジに並ぶ必要がなくなるため、ランチタイムの会計待ちを減らしたい飲食店にとっては使い勝手が変わる部分だ。

また、オプションのSIMを利用すればWi-Fi環境がない場所でも決済できる。キッチンカーやマルシェ、イベント出店のように屋外で営業する事業者にとっては、通信環境を気にせず使えるかどうかが導入の決め手になりやすい。なお、SIMの利用には別途費用がかかる。

stera packとstera pack lightの費用を比較

公式サービスサイトに掲載されている料金をもとに、従来のstera pack(据置型のstera terminal standard)とstera pack lightを比べると、両者の違いは「費用を最初に払うか、後から毎月払うか」に集約される。

項目 stera pack(stera terminal standard) stera pack light
端末 据置型 持ち運び可能(190g)
初期費用 0円 39,600円(税込)/台
月額サービス利用料(1年目) 0円 0円
月額サービス利用料(2年目以降) 3,300円(税込) 0円
サービス利用料の免除 直近1年間の累計キャッシュレス売上が3,000万円以上なら永年無料 もともと0円
端末の発送 最短3週間 最短1週間

stera packは初期費用がかからず1年目も無料なので、始めやすさでは有利だ。一方、2年目からは月3,300円(税込)のサービス利用料がかかり続ける。stera pack lightは導入時に39,600円(税込)をまとめて払う代わりに、その後の月額料金は一切かからない。

2年ちょうどで総額が並び、3年目以降はlightが割安になる

stera packの2年目以降のサービス利用料は、月3,300円×12か月=年39,600円だ。これはstera pack lightの初期費用39,600円とぴったり同じ金額になる。つまり、stera packの1年目は無料、2年目の1年間で39,600円を払い終えた時点、すなわち利用開始から24か月目の終わりで両者の累計費用は並ぶ。

利用期間 stera pack(累計) stera pack light(累計) 差額
1年 0円 39,600円 stera packが39,600円安い
2年 39,600円 39,600円 同額
3年 79,200円 39,600円 lightが39,600円安い
5年 158,400円 39,600円 lightが118,800円安い

※端末1台あたり、税込。サービス利用料の免除条件を満たさない場合の計算。決済手数料・振込手数料・SIM費用は含まない

表のとおり、2年以内に解約する可能性があるならstera packのほうが安く、2年を超えて使うならstera pack lightのほうが安い。3年目以降はlightとの差が年39,600円ずつ開いていき、5年使えば差額は118,800円になる。開業して長く店を続けるつもりの事業者にとっては、最初に39,600円を払ってでもlightを選ぶ意味は大きい。

ただし、stera pack lightの初期費用は1台ごとにかかる。テーブル会計用に3台そろえるなら初期費用は118,800円になり、開業時の手元資金を圧迫する点には注意が必要だ。開業直後は資金繰りに余裕がないことも多く、総額では割高でも初期費用0円のstera packを選ぶという判断もありうる。

キャッシュレス売上が年3,000万円以上ならstera packが逆転する

stera packには、直近1年間の累計キャッシュレス売上が3,000万円以上の場合にサービス利用料が永年無料になる条件がある。この条件を満たせばstera packは初期費用も月額料金も0円になり、初期費用39,600円がかかるstera pack lightより安くなる。

年3,000万円は月平均にすると250万円のキャッシュレス売上だ。個人経営の小さな店舗や開業直後の事業者がすぐに届く水準ではないと考えられるが、客単価が高い飲食店やすでに売上の多い店舗なら現実的なラインになる。自店のキャッシュレス売上がこの水準に近いかどうかは、どちらを選ぶかの大きな分かれ目だ。

決済手数料は1.98%~、入金サイクルと振込手数料も確認したい

決済手数料率は1.98%~で、これは小規模事業者向けの手数料率とされ、その他の条件もある。すべての決済手段・事業者に一律で1.98%が適用されるわけではない点に注意したい。仮に月30万円のキャッシュレス売上に1.98%が適用されると手数料は月5,940円で、月額料金よりも決済手数料のほうが長期的なコストに占める割合は大きくなる。

売上の入金サイクルは、月2回締め15日後払い、月2回締め6営業日後払い、月6回締め6営業日後払い、毎日締め6営業日後払いの4種類が案内されている。ただし、毎日締めは新規申込時には選択できない。入金が早いほど資金繰りは楽になるため、仕入れの支払いが多い業種は締め日と入金日の組み合わせを意識して選ぶとよいだろう。

振込手数料は、入金先が三井住友銀行の口座なら0円、その他の銀行口座なら220円(税込)だ。すでに三井住友銀行の口座を持っているなら、入金先に指定することで振込手数料の負担をなくせる。

最短1週間で届くため開業準備中でも間に合いやすい

stera pack lightは、Webからの申込後最短1週間で端末が発送され、届いてすぐに利用を始められる。据置型のstera terminal standardの最短3週間と比べると2週間早い。オープン日が迫っている開業準備中の事業者や、急にイベント出店が決まった事業者にとっては、この納期の差が選ぶ理由になりうる。

サポート面では、専用ヘルプデスクによるサポート体制が用意されている。初めてキャッシュレス決済を導入する事業者にとっては、トラブル時の問い合わせ先がはっきりしている点も安心材料になる。

stera pack lightが向いている事業者と、stera packのほうがよい事業者

stera pack lightが合っているのは、2年以上続ける予定で、キャッシュレス売上が年3,000万円に届かない個人事業主や小規模店舗だ。キッチンカー、移動販売、マルシェやイベントへの出店、テーブル会計をしたい飲食店、客のもとへ端末を持っていく訪問型のサービス業など、端末を持ち運びたい業態とは特に相性がよい。

反対に、2年以内に閉じる予定の期間限定の店舗や、開業時の手元資金をできるだけ残したい事業者は、初期費用0円のstera packのほうが負担は軽い。ただしstera packの端末は据置型のため、持ち運んで使いたい場合は選べない点をあわせて考える必要がある。また、年間のキャッシュレス売上が3,000万円以上あるか、それに近い事業者は、サービス利用料が永年無料になるstera packのほうが費用面では有利だ。

どちらを選ぶにしても、比べるべきは「月額0円」という表示ではなく、何年使うか、端末を何台置くか、キャッシュレス売上がどの程度あるかを踏まえた総額だ。銀聯や一部のコード決済に対応していない点も含め、自店の客層と使い方に照らして判断したい。

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オトクレ編集長 池田 星太

執筆・編集

池田星太

オトクレ編集責任者。2013年より「大人のクレジットカード」を運営。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、金融全般での情報発信を行っている。また、クレジットカード専門家として、雑誌やメディアでの編集や監修も行っている。日常生活のほぼすべてをキャッシュレスで過ごす。

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