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三井住友カードと西鉄の新カード「nimocle」、西鉄電車のクレカ乗車で1.5%還元

三井住友カード・西日本鉄道・ニモカの3社は2026年10月16日、キャッシュレス推進とデータ利活用に関する包括連携協定を締結した。福岡・西鉄沿線で電車やバスを使う人にとっては、新カード「nimocleカード」の登場、西鉄電車での「乗車ポイント」の開始、西鉄バスへのクレカ乗車拡大という3つの変化が同時に進むことになる。

西鉄・ニモカ・三井住友カードの包括連携協定の概要図

西鉄・ニモカ・三井住友カードが3本柱の包括連携協定を締結

今回の協定は「キャッシュレス推進およびデータ利活用に関する包括連携協定」で、取り組みは3つの柱で構成される。1つ目が三井住友カードの公共交通向けソリューション「stera transit」を使ったクレカ乗車の拡大、2つ目が新しい提携クレジットカード「nimocleカード」の発行などによるキャッシュレス体験の向上、3つ目が移動・購買データと決済データを組み合わせた沿線のまちづくりの高度化である。

西鉄グループは鉄道・バスに加え、沿線の商業施設やホテル、スーパーマーケットなどを展開しており、交通系ICカード「nimoca」の運営も手がける。そこに三井住友カードの決済・データ分析の知見を組み合わせるのが今回の協定の狙いだ。

利用者に直接関係するのは1つ目と2つ目の柱である。3つ目のデータ活用については、国土交通省の令和8年度「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト(地域交通DX推進タイプ)の選定事業として、nimocaとクレカ乗車の乗降データを交通事業者向けのダッシュボードとして活用する取り組みが進んでいる。各取り組みの詳細は、検討の進捗に合わせて随時発表するとしている。

新カード「nimocleカード」が2026年11月16日に発行予定

西鉄グループと三井住友カードは、2008年5月から「nimoca三井住友VISAカード」を発行してきた。これとは別に、両社の提携による新たなクレジットカードとして「nimocleカード(ニモクルカード)」を2026年11月16日に発行する予定だ。

最大の違いは、貯まるポイントと交通系IC機能の有無である。既存のnimoca三井住友VISAカードはnimocaポイントが貯まるnimoca一体型のカードだが、nimocleカードは貯まるポイントがVポイント(西鉄の商業施設では西鉄ショッピングポイントも)で、交通系IC機能は搭載しない。その代わりにVisaのタッチ決済に対応しており、西鉄電車の改札などでカードをかざす「クレカ乗車」で使う前提のカードといえる。

nimocleカードとnimoca三井住友VISAカードの比較表

nimocleカードとnimoca三井住友VISAカードの違い

プレスリリースに掲載された2枚の比較をまとめると以下のとおりだ。

項目 nimocleカード nimoca三井住友VISAカード(参考)
貯まるポイント Vポイント nimocaポイント
ポイント付与率 0.5%〜7.0%(Vポイントと西鉄ショッピングポイントの合計) 0.3%
交通系IC機能 なし あり(nimoca一体型)
タッチ決済 Visaのタッチ決済利用可能 Visaのタッチ決済利用不可(Apple Pay・Google Pay等のモバイル決済でのタッチ決済は可能)
年間利用特典 年間利用額に応じてVポイント最大6,000ポイント なし

付与率の下限で比べても0.3%から0.5%へと上がり、西鉄グループでの利用ではさらに差が開く。一方で、nimocleカードにnimoca機能は付かないため、nimocaの乗車券機能とクレジットカードを1枚にまとめたい人にとっては、既存カードの役割がなくなるわけではない。既存カードの今後の扱いや新カードへの切り替え方法について、今回のプレスリリースでは触れられていない。年会費についても記載はない。

西鉄電車のクレカ乗車はnimocleカードで1.5%、定期券購入も1.5%

nimocleカードで最も還元率が高くなりやすいのは、日々の通勤・通学で使う西鉄電車である。西鉄電車でのクレカ乗車には1.0%のVポイントが付与され、さらに後述する「乗車ポイント」(0.5%分)を設定すれば、合計で1.5%分のVポイントが貯まる計算になる。定期券の購入でも1.5%が付与される。

事業者 定期券の購入 クレカ乗車 乗車ポイント
西鉄電車 1.5% 1.0% 0.5%
西鉄バス(西鉄・北九州・筑豊・久留米・佐賀・大牟田) 1.5% 1.0% –
亀の井バス 1.0% 1.0% –
筑豊電気鉄道 1.0% – –

西鉄グループ外での利用は一律0.5%のため、西鉄電車・西鉄バスの定期券や乗車に使うと付与率は2〜3倍になる。たとえば定期代が月1万円の人なら、定期券購入だけで月150ポイント、年間で1,800ポイント(1,800円相当)が貯まる計算だ。

nimocaチャージアプリ経由のチャージでも1.5%

西鉄グループは2026年11月16日、nimocaへのチャージをアプリ経由でできる「nimocaチャージアプリ」の提供を始める予定だ。このアプリでnimocleカードからnimocaにチャージすると、1.5%分のVポイントが付与される。

nimocleカード自体にnimoca機能はないが、手持ちのnimocaにアプリ経由でチャージすれば、nimocaで支払う電車・バス・買い物の分もnimocleカードのポイント対象に取り込める。クレカ乗車に対応していない路線や、nimocaを使い慣れている人にとっては、この組み合わせが実用的な使い方になるだろう。

商業施設やホテルでの付与率は施設ごとに0.5%〜7.0%

西鉄グループの商業施設では、Vポイントに加えて西鉄ショッピングポイントも貯まる。最も付与率が高いのは天神のソラリアプラザで、合計7.0%(Vポイント1.0%+西鉄ショッピングポイント6.0%)となる。

利用先 合計 内訳
nimocaチャージ 1.5% Vポイント1.5%
ソラリアプラザ 7.0% Vポイント1.0%+西鉄ショッピングポイント6.0%
ONE FUKUOKA BLDG./ソラリアステージ/レイリア大橋・春日原・久留米/インキューブ(天神店・久留米店) 3.0% Vポイント1.0%+西鉄ショッピングポイント2.0%
西鉄イン、西鉄ホテルクルーム、ソラリア西鉄ホテル、西鉄グランドホテル等/ONE FUKUOKA HOTEL(宿泊) 1.0% Vポイント1.0%
ONE FUKUOKA HOTEL(レストラン) 6.0% Vポイント6.0%
マリンワールド海の中道 6.0% Vポイント6.0%
西鉄自動車学校 2.0% Vポイント2.0%
西鉄エムテック 1.5% Vポイント1.5%
西鉄グループ外 0.5% Vポイント0.5%

ただし、商業施設の付与率には条件がある。西鉄ショッピングポイントの獲得にはID連携が必要で、表の付与率には会員証の提示で獲得できる西鉄ショッピングポイント1%が含まれている。西鉄ショッピングポイントを使うにはLINEミニアプリへの登録も必要だ。つまり、カードで払うだけでは表の数字どおりにはならず、会員証の提示まで行って初めて上限の付与率に届く。

ホテルは、フロントでの支払いと自動精算機での支払いが対象で、オンライン旅行代理店やインターネット経由での支払いは対象外となる。マリンワールド海の中道は、チケット売り場・お土産売り場での支払いが対象で、レストランでの支払いは対象外である。

年間50万円以上の利用で最大6,000ポイント、確実なのは3,000ポイント

nimocleカードには、年間利用額が50万円(税込)以上の会員にVポイントを最大6,000ポイント付与する特典がある。ただし、6,000ポイントのうち全員がもらえるのは3,000ポイントで、残りの3,000ポイントは年間1,200名への抽選となる。

抽選は、50万円を超えた後の利用10万円ごとに当選確率が2倍になり、最大32倍まで上がる仕組みだ。また、年会費・手数料の支払い、国民年金保険料、nimocaを除く一部電子マネーへのチャージ(モバイルSuica・WAON・nanaco・Edyへのチャージなど)は利用額の集計対象にならない。

確実にもらえる3,000ポイントで計算すると、年間50万円をグループ外で使った場合でも、通常の0.5%(2,500ポイント)と合わせて5,500ポイントとなり、実質還元率は1.1%になる。西鉄グループ外での普段使いも含めて1枚に集約できる人なら、年間利用特典が還元率を底上げする効果は大きい。

手持ちのVisaカードでも西鉄電車で「乗車ポイント」0.5%分を上乗せ

nimocleカードとは別に、西鉄電車では2026年11月16日から、クレカ乗車で「乗車ポイント」としてVポイントが貯まるサービスが2年間の実証実験として始まる予定だ。

対象はV会員(Vポイントを利用している人)で、西鉄電車でクレカ乗車をすると、カード決済で通常貯まる「決済ポイント」に加え、運賃200円(税込)につきVポイント1ポイント(0.5%分)が「乗車ポイント」として付与される。注意したいのは、Vポイントの付与対象がVisaブランドのみである点と、事前設定が必要な点だ。設定はVポイントのサービスサイト(web.tsite.jp/serv/transit/)から行う。Visaのカードを改札の専用端末にかざして乗車するだけで貯まるため、設定さえ済ませれば手間はかからない。

この乗車ポイントはnimocleカード専用ではない。手持ちのVisaカードでクレカ乗車をしている人も対象になるため、新カードを作らない人にとっても、西鉄電車を使うなら事前設定をしておく価値がある。

西鉄電車は全73駅でクレカ乗車に対応済み

2026年9月時点で、西鉄電車は天神大牟田線(太宰府線・甘木線を含む)の63駅と貝塚線の10駅、合計73駅でクレカ乗車に対応している。バスでは、ひのくに号(福岡〜熊本)44台、Fukuoka BRT 24台、太宰府ライナーバス「旅人」21台、博多駅〜福岡空港国際線6台、西鉄バス北九州の北九州空港エアポートバス13台、亀の井バスの市内線全線53台の、計161台に導入されている。

西鉄バスのクレカ乗車は2028年度を目途に約1,300台へ

西鉄グループは、高速バスや一般路線バスの一部で実証導入してきたstera transitによるクレカ乗車を、本格導入へ移行することを決めた。既存の161台に加え、2028年度を目途に福岡都市圏の約1,300台へ導入を拡大する計画である。

これが実現すれば、西鉄電車とバスの乗り継ぎもクレジットカードのタッチ決済だけで完結しやすくなる。交通系ICカードを持っていない人や、訪日外国人旅行者にとっても利用しやすくなるだろう。nimocleカードで西鉄バスにクレカ乗車した場合の付与率は1.0%とされており、バスへの拡大はnimocleカードを使える場面が広がることも意味する。

入会特典は最大12,000円相当、うち5,000円はリボ払いの手数料発生が条件

nimocleカードの新規入会者には、条件達成に応じて合計最大12,000円相当が進呈される。内訳は次の4つだ。

特典 対象期間 内容
新規入会 – Vポイント1,000ポイント
nimocaチャージアプリでのnimocaチャージ 入会月含む4か月間 通常1.5%に加え+6.5%(Vポイント最大1,000ポイント)
スマホのタッチ決済利用 入会月含む4か月間 +5.0%(Vポイント最大5,000ポイント)
マイ・ペイすリボの登録・利用 – 5,000円キャッシュバック

上限まで受け取るには、nimocaチャージでは約1万5,400円(6.5%で1,000ポイント)、スマホのタッチ決済では10万円(5.0%で5,000ポイント)の利用が目安になる。nimocaチャージは入会から4か月間、通常分と合わせて8.0%相当になる計算だ。

さらに、2027年3月までに西鉄電車でクレカ乗車をすると、+6.5%(Vポイント最大1,000ポイント/月)が還元される。月1,000ポイントの上限に届くのは運賃が月約1万5,400円のときで、通勤・通学で毎日西鉄電車に乗る人ほど恩恵が大きい。

5,000円キャッシュバックはリボ手数料の発生が前提

注意したいのが、12,000円相当のうち5,000円を占めるキャッシュバックの条件だ。対象となるのは、次の条件をすべて満たした人に限られる。

  • マイ・ペイすリボを新規登録する
  • マイ・ペイすリボ登録月+2か月後の末日までに6万円(税込)以上の買い物をする
  • 上記の期間中にVpassから本特典にエントリーする
  • 期間中の買い物利用でリボ手数料が発生する
  • 特典進呈時期までにマイ・ペイすリボの登録を解除していない
  • 過去にマイ・ペイすリボ登録を条件としたキャンペーン等で特典を受けていない

つまり、リボ払いの手数料を実際に支払うことが前提の特典である。手数料の額はリボの支払額設定や利用額によって変わるため、5,000円がそのまま得になるとは限らない。リボ払いは残高が残るほど手数料が膨らむ仕組みでもあり、手数料を払ってまで狙う特典かどうかは慎重に判断したい。リボ特典を除いた場合、受け取れるのは最大7,000円相当(入会1,000ポイント+nimocaチャージ最大1,000ポイント+スマホタッチ決済最大5,000ポイント)となる。

西鉄電車・バスを日常的に使う人が恩恵を受けやすい

nimocleカードが最も力を発揮するのは、西鉄電車・西鉄バスの定期券を買う人や、西鉄電車でクレカ乗車をする人だ。定期券購入とクレカ乗車(乗車ポイント込み)でいずれも1.5%、nimocaチャージアプリ経由でも1.5%と、交通費がまとまってかかる人ほど既存のnimoca三井住友VISAカード(0.3%)との差が大きくなる。天神のソラリアプラザなど西鉄の商業施設を頻繁に使う人も、会員証提示やID連携を前提に付与率を上げられる。

一方で、nimoca機能が一体になったカードを使い続けたい人には、nimoca三井住友VISAカードとは性格の異なるカードになる。また、新カードを作らなくても、手持ちのVisaカードで西鉄電車の乗車ポイント(0.5%分)は受け取れる。西鉄沿線の生活でどれだけ西鉄グループのサービスを使うかを基準に、発行開始の11月16日以降に比べてみるとよいだろう。

※Apple PayはApple Inc.の商標です。Google PayはGoogle LLCの商標です。
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オトクレ編集長 池田 星太

執筆・編集

池田星太

オトクレ編集責任者。2013年より「大人のクレジットカード」を運営。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、金融全般での情報発信を行っている。また、クレジットカード専門家として、雑誌やメディアでの編集や監修も行っている。日常生活のほぼすべてをキャッシュレスで過ごす。

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