2020年9月28日、格安SIMで有名なUQモバイルの運営会社であるUQコミュニケーションズ株式会社で信用情報の誤登録が判明した。
同社の発表によると、2018年1月~2020年9月の期間、一部ユーザーの支払い遅延情報の登録に誤りがあったとのこと。
誤った登録情報はすでに修正されているが、誤登録のあったユーザーの割賦・クレジット契約の与信審査に影響が生じた可能性があり、その数は最大12,176人とされている。
影響のあった可能性のあるユーザーに対しては、書面での案内が送られている。
関連報道も参考にすると、通常は3ヶ月以上の遅延情報を信用情報機関である株式会社シー・アイ・シー(CIC)に登録するところ、一部ユーザーの3ヶ月未満の遅延情報が登録されていたようだ。
本記事では、CICを含めた信用情報機関の概要や役割などを解説。信用情報に問題があった場合にどのような影響があるかも解説するので、参考にしてほしい。
信用情報機関とは?
信用情報機関とは、クレジットやローンといった消費者の信用情報を管理する組織のこと。
今回UQモバイルのニュースで登場したCIC以外にも、KSC(全国銀行個人信用情報センター)とJICC(株式会社日本信用情報機構)が存在する。
信用情報機関により次のように取り扱っている情報が異なるが、各機関の信用情報は三機関で共有されている。
- CIC:クレジット系
- KSC:銀行系
- JICC:貸金業系
CIC
CICとは、株式会社シー・アイ・シーによるクレジット系の信用情報機関。
消費者のクレジット・ローン関連の信用情報などを取り扱っている。
信販会社やクレジット会社、保険会社などが加盟しており、消費者の支払い能力をチェックする際に信用情報を提供するのが主な役割だ。
KSC
KSCとは、全国銀行協会が運営する銀行系の信用情報機関。
正式名称は全国銀行個人信用情報センターで、金融商品の取引情報や官報情報などを取り扱っている。
銀行や信用金庫、農業協同組合などが加盟しているのも特徴的だ。
JICC
JICCとは、貸金業系の信用情報機関のこと。
正式名称は日本信用情報機構で、アコムやプロミスといった多くの消費者金融が加盟している。
信用情報に問題があるとどのような影響がある?
信用情報に遅延情報が記載されるなど問題がある場合、どのような影響が生じるのか気になる人も多いはずだ。
簡単に説明すると、ブラックリスト状態(※)になってしまいクレジットカードの新規発行やローンの審査などに通らなくなる。
信用情報に問題がある=支払い能力に問題があると捉えられてしまうので、お金を借りることが難しくなってしまうのだ。
つまり信用情報とは、クレジットカードやローンを利用する上で念頭においておくべき概念といえる。
遅延即ブラックリスト入りではない
ただし、通常、1~2回の遅延や数日の遅延が信用情報に記載されることはまずない。
信用情報に記載されてブラックリスト状態となるのは、通常、2~3カ月にわたり返済が遅延したり、1カ月半以上の支払い遅延が複数回あったりする場合だ。
ブラックリスト状態になった信用情報の記録は5年間残るため、なんとしても避けたいところだ。
※「ブラックリスト」という言葉は信用情報に傷がつくことを表す通称であり、正式なものではない。正式には、信用情報の「返済状況」欄に「異動」と記載される。
信用情報を取り寄せる方法もあり
自分の信用情報に問題がないか気になる場合、個人で取り寄せる方法もある。
たとえばCICの場合、インターネット開示・郵送開示・窓口開示に対応している。
もっとも手軽なのがインターネット開示で、クレジット契約で利用した電話番号から電話をかけて受付番号を取得後、開示報告書(PDF)を閲覧・ダウンロードできる。
なお、インターネット開示・郵送開示の場合は1,000円、窓口開示の場合は500円の手数料が発生する。
どの信用情報機関に開示請求をすれば良いかだが、クレジット・ローン系ならCICかJICC、銀行からの借入等ならKSCという基準がおすすめ。
手数料と手間を厭わないというのであれば、すべての信用情報機関に開示請求を行うと安心だ。
最終更新日:2020/10/07