学生でもクレジットカードを持つメリットは大きい。特に海外旅行や留学前にクレジットカードを持ちたいと考えることは多いのではないだろうか。
しかし、はじめてクレジットカードを申し込む学生にとって、不安に思うのが審査だろう。
本記事では、学生がクレジットカードに申し込んだときの審査基準と審査に通るためのポイントについて解説する。
学生のクレジットカード審査で大きく影響すると考えられるのが、過去の事故情報の有無だ。特に注意したいのが、携帯電話料金を自分で支払っている場合。
クレジットカードには学生申込不可というカードもあるが、逆に学生向けのカードもあるので、本記事でも紹介する。
クレジットカードの審査基準
クレジットカードの審査基準はカード会社によって異なるが、いずれのカードでも公表されていない。
しかし、申込時に必要な情報や、実際に申し込んで審査に通った人と落ちた人の傾向をまとめることで、ある程度の基準が見えてくる。
一般的には、クレジットカードの審査では以下の3つがポイントとなっている。
1.申込者属性
その人の年収、勤続年数、居住年数といった「属性」。
審査基準の中でももっとも重視される傾向にある。
クレジットとはいわば信用を担保にお金を借りる行為であり、返済能力の有無が重要なポイントとなる。
年収が高い人であれば貸す側も安心できるだろう。
また、勤続年数が長いほどその会社での地位や立場が確立しているということであり、リストラや転職による支払い能力の減少のリスクが小さい。
2.事故情報の有無
高額の年収があり、勤続年数も長かったとしても、過去に支払い遅延やローンの滞納があった場合は「事故情報」として登録され、審査に落ちてしまうケースもある。
先ほども述べたようにクレジットカードは信用を担保にしている。
「1回や2回の失敗で……」と思うこともあるかもしれないが、貸す側から見れば一度でも信用は下がる。
3.過去の利用履歴
過去にクレジットカードやローンの利用履歴がまったく存在していない場合も、審査で不利になることがある。
学生や新社会人の場合は利用履歴がなくても心配はないが、30代や40代で利用履歴がない場合は審査に不利になる。
クレジットカードは正しく使えば使うほど信用が貯まっていくので、若いうちから履歴を重ねていきたいところだ。
学生の審査基準
学生のカード申込ははじめてカードであることがほとんどなので、前述の通り「過去の利用履歴」はまず審査に影響しない。
年収や勤続年数がないのが普通であるため、「属性」も審査基準にはならないだろう。
必然的に、何らかの「事故情報」があった場合は、審査で一番影響するポイントとなる。
それに加えて、学生本人が未成年者の場合、保護者の信用情報が加味される。
学生が気を付けるべき事故情報
事故情報は自分が思っている以上に簡単にできてしまうものだ。
ちょっとぐらいなら大丈夫だろうと思わず、きちんと対応しよう。
学生が残してしまいやすい事故情報としては、次のようなものがある。
携帯料金の支払い遅延
学生にとって一番身近で危険な存在なのが、携帯端末の分割支払金の延滞だ。
普段はあまり意識しないかもしれないが、携帯本体は機種によっては10万円以上もする高額な商品。
だからこそ多くの人は、月々の携帯使用料金と本体代金を組み合わせ、分割払いを選択している現状がある。
しかし何気なく契約をしていると言っても、それはれっきとした借入であり、法律上もクレジットカードと同様の法律(割賦販売法)が定められているのである。
よって分割金を滞納してしまうと、口座振替や払込み用紙での支払いだったとしても、信用情報に傷をつけることになる。
「携帯料金は自分で払っている」そんな学生は特に注意をしておいてほしい。
公共料金の支払い遅延
一人暮らしなどをしていると、どうしても「うっかり忘れ」をしてしまいがちな、電気・ガス・水道の公共料金。
督促状が届いて、慌ててコンビニに走ったという経験がある人も少なくないだろう。
実はこれらの公共料金は直接信用情報とは結び付いておらず、滞納したとしても信用情報に傷がつくことはない。
会社側が信用情報機関の個人情報にアクセスするには、契約の時点で「信用情報の照会と照会登録の承諾」を取る必要がある。
しかし、東京電力や東京ガス・水道局などは信用情報機関に加入しておらず、また契約時に照会登録の承諾を求められることもない。
ただし、もしもこれらの公共料金をクレジットカード支払いで対応していた場合は、支払い遅延ということになり、信用が傷ついてしまうので気をつけよう。
遅延が続くと、2枚目以降のカードが契約できなくなったり、今持っているカードの利用が制限されてしまうこともある。
家賃の滞納
家賃の滞納に関しても公共料金と同じで、それそのものがクレジットカード審査に影響を及ぼすことはない。
ただし、入居の契約時に「保証人として保証会社を選択した」場合は要注意。
大手不動産会社では、強制的に保証会社に加入を求めるケースもあるだろう。
この場合、家賃の中に保証金が含まれることになるため、家賃を滞納するとその保証会社経由で事故情報が登録されてしまうこともある。
そもそも支払い遅延をしないようにすれば良いだけの話なのだが、十分に気を付けておきたいポイントだ。
審査に関してよくある疑問
学生のカード申込時の審査について、次のような点が疑問に上がることが多いので、それぞれの解説を行う。
アルバイトをしていない
学生のカード審査において、年収などの属性は重視されないため、アルバイトをしていなくても問題ない。
比較的高額な収入があるのであれば、書くことでプラスになることもあるかもしれないが、書かないことのマイナスはないため安心して欲しい。
奨学金を借りている
在学中は奨学金の返還義務がないため、審査に影響することはない。
また、カード申込時に他のカード会社からの借入金を申告することはあるが、奨学金はこれに該当しないため申告の必要はない。
親の収入が低い
審査の際、基本的には「本人の返済能力の有無」が重視されるが、未成年の場合は後ろ盾として、親の収入もある程度見られる可能性がある。
場合によっては審査にマイナスに影響するといえる。
もしもそういった場合には、念のためキャッシング枠を0にするなどして申し込むと良いだろう。
とにかく事故情報に注意!
クレジットカード発行の際の審査基準は大きく分けて3つ。
一つは「申込者属性」。その人の年収や勤続年数といった、社会的なステータスが審査基準になる。
そして「事故情報の有無」。過去に支払い遅延などがないかを調べられ、意図的なものでなくても審査が不利になるケースがあるので注意したい。
最後が「過去の利用履歴」。カードを使えば使うほど、信用が貯まっていき、より審査を通過しやすくなるというわけだ。
学生の場合、基本的には「属性」も「利用履歴」もない状態の場合が多く、「事故情報の有無」が最大の審査ポイントになるだろう。
学生がミスをしやすい事故情報は、公共料金の滞納、家賃の滞納、携帯代の滞納の3つ。
特に携帯代の滞納に関しては、かなり厳しいチェックをされることになるので、特に注意しておくようにしよう。
一般的に言われているような「アルバイトの有無」や「奨学金の有無」が審査に影響を及ぼすことはほとんどない。
カード会社としては、将来の優良顧客候補として、学生の登録を積極的に進めたいのが本心であり、審査基準は社会人などと比べると低いのである。