アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(以下、アメックスゴールド)は日本で初めて発行されたゴールドカードだ。
ステータス性が高く、憧れている人も多い。
しかし、年会費は31,900円(税込)とゴールドカードの中でも高い。
アメックスゴールドの特徴として、トラベルサービス、プロテクション(補償)、グルメ・エンターテイメントサービスが充実していることがあげらる。
本記事では、アメックスゴールドのサービスや特典に焦点を当てて解説し、ほかのゴールドカードと比べてどれほど価値があるのか検証する。
基本スペック
アメックスゴールドはアメリカン・エキスプレスが発行するゴールドカードのこと。
高いステータス性が有名で、社会人なら憧れるクレジットカードのひとつだ。
トラベルサービス、プロテクション(補償)、グルメ・エンターテイメントサービスが充実しており、アメックスのネットワークを通じて世界各国のホテルやレストラン、娯楽施設、空港などで優待を受けられる。
ポイントはカード利用金額100円ごとに1ポイント貯まり、カードで支払いをする際の利用や、マイルや楽天・Tポイントへの移行が可能だ。
また、厳選された500以上のアイテムの中から体験プランなど特別感を満喫できるコースに参加することもできる。
その他、次のようなサービスがある。
使い勝手の良いサービス
プライオリティ・パス
通常99ドルのプライオリティ・パス(スタンダード)が無料でつく。
これにより、世界120か国以上400都市の空港にあるVIPラウンジが利用可能で、1回32米ドルの利用料が年間2回まで無料。
VIPラウンジにはフリードリンクとスナックサービスがあり、出張時や旅行時にゆっくり過ごせる。
手荷物無料サービス
海外旅行のときにスーツケース1個を無料で配送してくれる。
重い荷物を持ち運ぶ手間が省け、スムーズに移動できる。
エンターテイメントサービス
東京・丸の内のエンターテイメントクラブ「コットンクラブ」や新国立劇場などで会員限定の特典が受けられる。
アメックスゴールドならではのサービス
さらに、アメックスゴールドとして特徴的なのは、次のようなサービスだ。
家族カード
家族カードは1枚目年会費が無料。
家族カードも会員本人と同様のサービスが受けられ、ポイントも貯まる点がポイントだ。
2枚目以降は年会費13,200円。
スターバックス特典
カードを継続すると、スターバックス コーヒージャパン公式モバイルアプリ等で使えるスターバックス特典(3,000円)がプレゼントされる。
トラベルサービス
海外旅行傷害保険最高1億円
旅行代金をカードで支払うと、最高1億円の海外旅行傷害保険が付帯される。
なお、2021年7月1日以降は利用付帯、それまでは利用付帯最高5,000万円+自動付帯最高5,000万円の補償。
航空便遅延費用補償
海外旅行のとき、飛行機の遅延によって発生した宿泊費や食事代を補償してくれる。
手荷物の到着遅延や紛失の場合は、衣類など生活必需品も補償対象だ。
オーバーズ・アシスト
レストランの予約や緊急時の連絡など、海外にいても日本語で電話対応してくれる。
24時間無料で相談にのってくれるため、海外旅行中でもOK。
プリファード・ゴルフ
指定ホテルに2泊以上すると、ゴルフコースのプレー代が1ラウンド1名限り無料になる。
通常年会費は295ドルだが、アメックス会員は無料で登録できる。
ザ・ホテル・コレクション・国内クーポン
カードの継続により、ゴールド・カード会員向け旅行予約サイト「ザ・ホテル・コレクション」の国内対象ホテルで2泊以上の予約に使える15,000円クーポンがプレゼントされる。
クーポンは、「ザ・ホテル・コレクション」の通常特典(館内施設100米ドル相当オフ・部屋のアップグレード)と併せて利用可能。
アメリカン・エキスプレス・トラベル オンライン
航空券やホテル、レンタカーの予約ができるカード会員限定のサイトが利用可能。
アメリカン・エキスプレスのグローバルなネットワークを通じて、充実した選択肢の中から自由に旅のプランをセレクトしよう。
「エクスペディア」での優待サービス
世界3万都市の人気ホテルやツアー予約ができるエクスペディアで、宿泊料金8%オフや優待価格でのツアー予約といったサービスが受けられる。
旅行代代金5%オフ
アメリカン・エキスプレスの会員専用サイト「アップルワールド」で国内外の旅行を予約すると、代金が5%オフになる。
プロテクション
キャンセル・プロテクション
出張や入院などで、すでにカードで代金を支払ってしまった旅行やコンサートに行けなくなった場合、キャンセル料金を年間最高10万円まで補償。
スマートフォン・プロテクション
カード本会員が所有するスマートフォンが以下の条件を満たす場合、その破損の際の修理代金を、1年間の保険期間中、通算最大5万円まで補償してもらえる。
- 保険事故発生時点で直近3回連続してアメックス・ゴールドでスマホ通信料を決済している
- 保険事故発生時点で、スマホ購入後24ヶ月以内
- 偶然な事故によるスマホの破損により修理をしている、または、修理困難な場合は同種等のものを再調達している
なお、1回の事故につき自己負担額1万円が適用される。その他、こまかな規約があるため、実際に利用する場合は一度目を通しておこう。
ダイニング・エンターテイメントサービス
ゴールド・ダイニング by招待日和
国内外約200の指定レストランで、コースメニューを2名以上予約すると1名分が無料になる。記念日などに大切な人と利用したい。
American Express Invitesレストラン優待
飲食代が20%オフになったり、ボトルワインがサービスになるなど、世界600以上のレストランで優待が受けられる。
質の高い料理やサービスを堪能でき、食通や特別な時間を過ごしたい人にぴったり。
ゴールド・ワインクラブ
ゴールド・ワインデスクにて、希少価値の高いワインや季節のおすすめワインの紹介や購入といったサービスが受けられる。
専用電話窓口ではワインの銘柄に関する質問を受け付けており、ソムリエやバイヤーが予算にあったワイン選びまで相談にのってくれる。
京都観光ラウンジ
豊臣秀吉の正室、北政所が晩年を過ごした高台寺塔頭 圓徳院にある「京都特別観光ラウンジ」が利用できる。
重要文化財や国指定名勝の庭や茶室があり、京都観光や出張時にくつろげる。
他のゴールドカードとの比較
以上のようなサービスを提供しているアメックスゴールドだが、他のゴールドカードと比べると、どのような点が違うのだろうか。
主要なゴールドカードとその特徴を比べてみた。
楽天ゴールドカード
楽天ゴールドカードは年会費の安さとポイント還元率の高さが魅力的なカードだ。
年会費は2,200円(税込)とゴールドカードの中でも安く、ポイント還元率は1~7%を誇る。
海外旅行傷害保険は最高2,000万円まで補償され、国内の主要空港のラウンジが無料で使えるサービスもある。
プライオリティ・パスやトラベルサービス、国内外でのダイニングサービス面においてはアメックスゴールドの特典のほうが充実している。
一方、年会費の安さとポイント還元率については楽天ゴールドカードが優れている。
楽天市場でよく買い物をする人、年会費とポイント還元率にこだわりがある人は楽天ゴールドカードが向いているだろう。
- 2021年4月1日より、SPUにおける楽天ゴールドカードのポイント倍率が+4倍→+2倍に改定されました。 詳細はこちらの記事をご確認ください。
ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
日々の買い物によってポイントとマイルが両方貯まるゴールドカード。
旅行券などANAグループでの利用がポイント2倍となり、年会費34,100円(税込)とアメックスゴールドより高額だが、マイルを効率よく貯められる。
ポイントの有効期限は無期限。
旅行傷害保険は最高1億円、キャンセル・プロテクション、手荷物無料宅配サービスなどが付帯している。
マイルを早く貯めたい人やANAを頻繁に利用する人にはANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードをおすすめする。
JCBゴールドカード
年会費11,000円(税込)、海外旅行傷害保険が最高1億円のゴールドカード。
JCBのプロパーカードだけあって、グルメ優待サービス、ゴルフサービス、空港ラウンジサービス、ゴールド会員専用デスクなどバランスの取れた特典が受けられる。
ポイント還元率は0.5%以上でアメックスゴールドと大差ないが、セブンイレブン、アマゾン、スターバックス*などポイント優待店ではボーナスポイントが付与され、還元率がアップする。
*1 店舗でのクレジットカード支払いではなく、事前にキャンペーンに登録し、オンラインでスターバックスカードへチャージする必要があるので注意。
充実したサービスと還元率の高さ持ち合わせるJCBゴールドカードだが、プライオリティ・パスやトラベル、プロテクション、ダイニング・エンターテイメントサービスでは、アメックスゴールドのほうがクオリティが高いと言える。
三井住友カード ゴールド
30歳以上限定で発行できるゴールドカードで、年会費は11,000円(税込)。初年度年会費はオンライン入会で無料となり、翌年度以降は条件付きで4,400円(税込)まで割引となる。
最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険(利用付帯)や空港ラウンジサービス、一流ホテル宿泊予約プランでの優待など、特典内容は年会費にふさわしい充実ぶり。
還元率は基本的に0.5%だが、ポイントアップモールを経由して買い物をすると+0.5%~9.5%まで跳ね上がる。
※2022年7月現在
※ポイント還元率は予告なく変更となる場合あり。
年会費のお得さ、ポイント還元率を重視し、保険やサポート、空港サービスを利用したい人なら三井住友カード ゴールドがぴったりだ。
一方、海外旅行が多い人や優待サービスの質の高さを重視したい人にはアメックスゴールドが向いている。
オリコカード・ザ・プレミアム・ゴールド
年会費1,986円(税込)という手頃な価格と1~2.5%という高い還元率が特徴のカード。常に1%以上の還元率で、入会後6か月は2%となる。
オリコモールでの買い物や電子マネーの利用によって還元率がアップし、使用用途を問わず高還元率のゴールドカードを探している人に最適だ。
旅行傷害は海外が最高2,000万円(自動付帯)、国内が最高1,000万円(利用付帯)となっている。
トラベル、プロテクション、ダイニング・エンターテイメントサービスなど特典の内容はゴールドアメックスのほうが格上だ。
しかし、年会費とポイント還元率を重視し、使用用途を問わないゴールドカードをつくりたい人にはオリコカード・ザ・プレミアム・ゴールドがお得。
海外出張や旅行が多い人には◎
アメックスゴールドはプライオリティ・パスや旅行傷害保険、プロテクション、グルメ・エンターテイメントサービスが充実しており、これらを積極的に利用することで、年会費分のお得さがある。
逆を言えば、海外に行く頻度が少ない人にとっては特典を生かしきれない可能性が高く、あまりメリットを得ることはできない。
よって、海外出張や旅行が多い人、ステータス性を重視している人にとっては非常に魅力的なカードと言える。
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
年会費 | 31,900円(税込) |
---|---|
還元率 | 0.5% |
旅行保険 | 国内:最高5,000万円(利用付帯) 海外:最高1億円(利用付帯) |