クレジットカードについて、申込方法や審査基準に関しては公式サイトや各種メディアなどに情報が多いが、解約方法に関しては意外と情報が少ない。
本記事では、クレジットカードの解約方法と、解約の際に注意すべき点を解説する。
ただし、解約について解説するものの、基本的にはよほどの理由がない限り、クレジットカードの解約はおすすすめしない。
一度解約してしまうと再度申し込めないカードもあるし、申し込めたとしても審査の手間がかかってしまうからだ。
年会費がかかるカードでも、何らかの利用があるなら解約しないほうが良いだろう。
それでも解約をする場合は、利用残高と追加カードの利用、クレジットカード支払いになっている固定費、年会費発生のタイミングなどに注意しよう。
また、解約をする場合でも、短期解約・複数解約は避けよう。
この点に気を付けないと、カード会社の印象が悪くなり、次にカードに申し込んだりローンを組むときに影響してしまう。
解約は、各カード会社のサポートデスクやそれに準ずる窓口で行うことがほとんどだ。
手続き自体は簡単なので、注意点を踏まえたうえで、それでも解約をするという場合は電話をかけよう。
クレジットカードの解約は慎重に
大前提として、クレジットカードは非常に便利な決済方法で、カードを持っていることによるメリットは大きく、よほどの理由がない限り解約はおすすめしない。
年会費無料のカードはもちろん、年会費のかかるカードでも、何かしらサービスや特典の利用、年に1~2回でも利用がある場合は解約しないほうが良い。
クレジットカードを一度解約すると、再度同じカードを申し込んだとしても、すぐに利用再開できるわけではなく、一から審査を受けることになる。
以前の利用実績がほとんどない場合や返済状況が良くない場合、あるいは勤務形態が変わった場合などは、審査に落ちてしまうこともある。
再入会すること自体が難しいカードもあるため、むやみに解約をすることは避けてほしい。
また、意外と知らない人も多いようだが、初年度年会費無料のカードを年会費が発生するタイミングで解約をして、もう一度初年度年会費無料の特典を利用することはできない。
こういったことをしようとすると、たとえ年会費を払っても、同じカードを作ることができなくなる場合もあるので注意してほしい。
一般的な解約方法
クレジットカードを解約するだけの理由があり解約をする場合、まずはそのカードのサポートデスクへ電話をしよう。
一般的にクレジットカードは、サポートデスクもしくはそれに準ずる窓口で解約申請と手続きをすることが多い。
サポートデスクの電話番号は、ほとんどの場合、カード裏面やカード発行会社HPに記載されている。
また、カード入会時の申込書控えなどには必ずサポートデスクの電話番号が記載されている。
解約の際に簡単なアンケートがあったり、解約理由を聞かれることはあるが、しつこく引き止められることはまずない。
サポートデスクの応答はオペレーター対応の場合と自動アナウンスの場合があるが、どちらにしても基本的な手続きは変わらない。
また、解約申請を行うとその瞬間からカードが使えなくなるということを覚えておいてほしい。
カードの付帯サービスや特別な割引などもその瞬間から利用できなくなる。
解約後の不要カードの処理
解約後にもっとも注意してほしいことのひとつが不要になったカードの処理だ。
クレジットカードには重要な情報が保存されており、解約後もそれらの情報が残っているため、不正に情報を抜き取ることができてしまうのだ。
防犯という観点から、不要になったカードはハサミ等で細かく切り刻み、念のため別々に捨てるのが望ましい。
各カード会社の公式ページなどでも上記の方法を推奨している。
解約時の7つの注意点
クレジットカードを解約する際に重要なのは、解約方法はもちろんのこと、解約したことでどのような影響があるかを知っておくことだ。
解約して後から困ってしまわないように、以下の点について解約前にぜひ一度目を通してほしい。
利用残高の一括払いを求められることがある
普段から頻繁に使っていたカードを解約する場合は「利用残高の請求」に注意してほしい。
分割払い、ボーナス払い、リボ払いなどクレジットカードには様々な分割支払い方法があるが、解約をしてしまうと全額一括払いによる清算を求められることがある。
利用残高がある場合は、解約をする前に残高を減らしておくか、すべて支払っておくようにしよう。
カードによっては解約後も分割払いを継続できるカードもある。
いずれにせよ、解約前に利用残高の返済方法について確認しておきたい。
貯めたポイントの失効
楽天カードやリクルートカードなどのポイントがwebアカウントに紐づいている一部のカードを除いて、基本的にポイントは解約と同時に失効してしまう。
どうしても解約をする必要がある場合は、ポイントを使い切ってから解約するようにしたい。
ポイントを使い切る際は使い勝手の良いマイルや電子マネー、その他のポイントに交換することをおすすめする。
貯めたポイントが失効するのか、アカウントに紐づいて残るのかを解約の前に確認しておこう。
年会費は返金されない
年会費がかかるカードの場合、途中解約をしても一度支払った年会費が戻ってくることはない。
一般的にはカードの有効期限内に解約をすれば次年度の年会費はかからない。
しかし、有効期限ギリギリで解約をする場合、すでに年会費の請求が発生している可能性があるので注意が必要だ。
一度年会費の請求が発生してしまうと取り消すことはできず、解約するのに年会費を払うことになってしまうからだ。
もし年会費を無駄にしたくないということであれば、いつ解約をすれば次年度の年会費がかからないのかを事前に問い合わせておくことをおすすめする。
家族カードやETCカードも使えなくなる
クレジットカードを解約すると、追加カードの家族カードやETCカードも使えなくなるので注意が必要だ。
特に気をつけてほしいのがETCカードだ。本人以外の家族がETCカードを日常的に利用している場合は注意が必要だ。
カードを解約したことを知らずに利用しようとして事故を起こすといったことがないよう、解約のことををあらかじめ共有するよう、注意をしてほしい。
毎月の固定費をカード払いにしている
電気、ガス、水道といった公共料金をはじめとして、携帯の利用料やネット料金など毎月の固定費をクレジットカードで支払っている人も多いだろう。
このような支払いを行っているカードを解約する際は、事前に別のカードや口座振替に支払方法を変更しておくことをおすすめする。
解約したカードに請求がきても支払うことはできないため、延滞や未払いになってしまう可能性がある。
特に携帯の利用料には本体代金の割賦分が含まれていることが多く、延滞や未払いとなってしまうと個人信用情報に傷がついてしまう。
毎月の支払いを行っているようなメインカードを解約する場合は十分に注意をしてほしい。
解約に手数料がかかるカード
一般的にクレジットカードの解約では手数料などは発生せず、電話一本で無料で完結することがほとんどだ。
しかし、なかには解約時に手数料のかかるカードも存在するので注意が必要だ。
解約時に手数料がかかるとして知られているカードは以下の2種類だ。
・JCB GOLD EXTAGE
・JCB CARD EXTAGE
これらのカードは解約時に「カード発行手数料」として2,200円(税込)がかかる。
理由は上記カードが29歳以下限定で特別に年会費を無料にしているカードだからだ。
このことはJCBの公式ページにも記載されている。
JCB公式ページ
現在は上記の2種類以外に解約時に手数料がかかるカードはないと思われるが、もし不安な場合は事前に確認をしておくと良いだろう。
短期解約・複数解約は避ける
クレジットカードの申し込みや解約を行うと個人の信用情報に履歴が残り、カードの入会審査やローン審査の際にチェックされる。
- 審査と信用情報の詳細はこちら(クレジットカード審査の仕組みを徹底解説!審査の流れ、見られている内容、通りやすい・通りにくいの判断基準まで一挙に紹介!)
入会後に短期間での解約や、複数カードの同時解約は審査において不利になることがあるので注意が必要だ。
短期解約を避けるべき理由
なぜなら、短期間での解約は入会特典を狙った申込、つまりカードの利用意思がない申込と判断されるから<だ。 入会特典を用意しているカード会社は多く、その内容は、景品プレゼントからポイント付与、キャッシュバックまでさまざまだ。 年会費無料のカードにも関わらず、数千円〜1万円の高額なキャッシュバックを提供しているカードもある。 こういったお得なカードが多いため、短期間での解約は入会特典のみを狙っていると判断されてしまうのだ。 特に、半年以内〜1年以内の解約は入会特典狙いだと判断される可能性が高い。
たとえ他に正当な理由があったとしても避けるべきだ。
同時解約を避けるべき理由
複数カードの同時解約は、カード発行会社から「何か問題があった」と判断される。
何も理由がないのに複数のクレジットカードを一度に解約する必要はない、何かしらの理由があるはずという判断になるのだ。
たとえば、収入の大幅減、支払いにおいて問題を抱えているなどの問題だ。
特に、年会費のかかるカードを一度に解約すると、「年会費も払えないほどの状況になってしまったのでは?」思われてしまう。
メインカードに支払いをまとめたい場合や、使っていないカードを整理したいという場合もあるとは思うが、解約のタイミングには注意が必要だ。
解約は簡単だが入会は難しい
すべてのカードに共通して言えることだが、クレジットカードは入会するのは難しく、解約は簡単にできてしまう。
しかし今回紹介したように、よほどの理由がない限り、クレジットカードは解約しないほうが良い。
一度解約をすると再度申し込めないカードもあるし、再申込ができたとしても再度審査が必要で、最初の申込より厳しくなる可能性もあるのだ。
どうしても解約が必要な場合も、カード会社にあらぬ疑いを抱かせないよう、解約するタミングに気を付けてほしい。
また、利用残高がないか、追加カードを利用していなか、固定費の支払いをカード払いにしていないかといった点も、解約前に確認が必要だ。
これらの点をクリアしたら、サポートデスクもしくはそれに準ずる窓口に電話をしよう。解約の手続きは、電話ですぐに行えることが多い。
なお、解約する際に簡単なアンケートなどを求められることはあるが、無理に引きとめられることはないので安心してほしい。