すべてのクレジットカードには有効期限が設定されており、一定年数が経過すると更新が必要となる。
クレジットカードの更新は基本的に自動更新となっており、有効期限が近付くと新たなカードが送付されてくる。
しかし、カードの利用がまったくなかった場合や、支払い遅延が続いた場合など、解約となってしまうこともあるので、日頃の使い方に気を付けたい。
住所が変わったがカード会社に登録している情報の変更を行っていないために、新しいカードが届かないというケースも多いので、住所変更の際は気を付けよう。
クレジットカードの更新では、カード番号は変わらないが、有効期限とセキュリティコードが変更となる。
そのため、家賃や光熱費、携帯電話料金の支払いなど、月々の固定費をカード払いにしている場合は、カード情報の変更が必要だ。
変更を行わないと支払い遅延となってしまうこともあるので、新しいカードが届いたら、署名を行ったうえですぐに必要な手続きをしよう。
本記事では、クレジットカードの更新について、その必要性から変更となる点、更新時や更新後に気を付けるべき点をまとめた。
更新時期なのに新しいカードが届かないという方や、更新を控えて不安に思う点がある方は、ぜひ参考にしてほしい。
更新のタイミング
カードの本体にはそのカードの有効期限が印字されている。
カードによって表記方法に若干の差はあるが、「12/17」「12/’17」「12-17」のような数字がカードの表面に記載されているはずだ。
この場合は12月 2017年という意味で、2017年 12月までが有効期限となる。
注意が必要なのは、普段我々が見慣れている2017年12月という「年→月」順の表記ではなく、「月→年」順の表記になっていることだ。
クレジットカードの更新タイミングは、この有効期限の時期となる。
通常、更新は自動更新で、更新完了と共に新しいカードが登録している住所に郵送される。
このカードを受け取った時点で更新が完了となる。
クレジットカードの更新には、以下の目的がある。
- カード本体の老朽化対策
クレジットカードは利用するうちにどうしても劣化していく。カードが破損したり、見た目には問題がなくとも正常に利用できなくなることもある。そういった問題が起こる前に対策をしているのだ。 - 会員情報の更新
カード申し込み時に登録した会員情報に変更がないか、カード発行会社が確認する意味も持つといわれている。住所の変更があった場合は特に注意が必要となる。 - セキュリティ向上
クレジットカードの防犯技術は日々進歩している。定期的にカードを交換することで、最新のセキュリティを維持しているのだ。 - 再審査
カード会員として本当に相応しいかということを、カード発行会社が再度確認している。支払い状況や利用状況が良くない場合は、カード発行会社から更新拒否される場合がある。
更新により変わる点
更新をすることで以下の点が変わる。
- カード本体
- 有効期限
- セキュリティコード
更新で有効期限とセキュリティコードは変わるが、カード番号は変わらない。
ただし、更新時に一般カードからゴールドカードなどにグレードアップした場合などは、カード番号が変更になる。
ネットショッピングでカード決済をする際などに必要となるセキュリティコードは、セキュリティ上の観点からカード更新時に変更となる場合がほとんどだ。
またカードによっては、更新のタイミングでそれまでの利用状況に合わせて限度額や付帯サービスが変更されることもある。
変更点を詳しく知りたい場合はカード発行会社に問い合わせよう。
更新時にカードが届かない理由
クレジットカードの更新時には再審査が行われている。
審査の結果次第では更新ができず、解約になってしまう場合もある。
このことを「更新拒否」とも呼ぶ。
更新時期になっても新しいカードが届かない場合は、更新拒否されていると考えられる。
通常、カード会社はより多くの人に、長くカードを使い続けてもらいたいと考えている。
しかし、更新拒否となってしまうということは、それなりの理由があるということだ。
更新時のチェック項目
更新時の審査では以下のような項目がチェックされている。
- 支払い状況:延滞などがなくきちんと支払いが行われているか
- 利用状況:無理な使い方はしていないか、ある程度カードが利用されているか
- 信用情報:他社のカードや別のローンにおいてもきちんと支払いを行っているか
自社のカードにおける支払い状況は当然として、入会申し込み時と同様に他社のカードにおける延滞情報もしっかりと見られているので注意が必要だ。
休眠会員は解約になる可能性
年会費無料のクレジットカードなどで、持っていて損はないと考えて作ったものの、ほとんど使っていないというカードはないだろうか。
カードを持っていてもほとんど使わない会員のことを「休眠会員」と呼ぶ。
この休眠会員と判断されてしまうと解約になる可能性があるのだ。
会員の情報を管理したり、重要情報を送付したり、更新手続きを行うために、カード発行会社には少なからずコストが発生している。
カードの利用がない休眠会員はただのコストになってしまうため、更新時に整理を行うのである。
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更新時の注意点
更新の仕組みについて理解できたところで、ここからは更新時に注意すべき点を紹介していく。
カードが届かない場合
更新時にもっとも注意するべき点は住所変更の有無だ。
正確には、住所変更があった場合にきちんとカード発行会社に変更の旨を連絡しているかどうかだ。
クレジットカードの更新は新しいカードがカード発行会社から登録住所に届く仕組みだ。
そして、防犯上の理由から転居届・転送届けが出ていても転送されないようになっている。
つまり、正しい住所を登録しておかなければ、新しいカードを受け取ることすらできないのだ。
再審査を通過し更新できたとしても、新しいカードを受け取らない場合は「受け取り拒否」とみなされて、更新が無効になり解約になってしまう。
ちなみに、新しいカードが受け取れなかった場合は差し戻しとなり、改めて審査が行われている。
そして、その審査で落ちてしまうと、本来は更新できていたはずが無効となり解約になってしまう。
現在では、利用明細や利用残高を会員向けのwebサービスで確認できるカードが多いが、ほとんどの場合、登録住所の変更も同じサービスでできるようになっている。
登録住所に変更があった場合は速やかに対応しよう。
ETCカードは時間差あり
クレジットカードと一緒にETCカードを申し込んでいる人もいるだろう。
ETCカードの更新もクレジットカードと同時に行われ、新しいカードが郵送されてくる仕組みになっている。
しかし、ここで注意してほしいのが、一般的にはETCカードの方が遅れて送られてくるということだ。
ETCカードの利用頻度が高くない場合はそれほど問題にはならないが、利用頻度が高い人は注意してほしい。
クレジットカードは新しいがETCカードは古いままの場合、ETCカードを利用することはできない。
ETCカードも利用しているときは、クレジットカードの有効期限と合わせて十分注意してほしい。
カード到着後に確認すべき3項目
更新が無事に完了し、新しいカードが届いても、そのままにしてはいけない。
すぐに次の3つのことを行おう。
これを忘れると、不正利用の際に補償を受けられなかったり、支払い遅延になったりしてしまう。
新しいカードへ署名する
意外に多いのが、新しいカードに署名をするのを忘れて使おうとしてしまうことだ。
本来、署名のないクレジットカードは無効で、使うことができないルールになっている。
新しいカードが届いたら、念のため名義人に間違いがないか確認したうえで、すぐに署名をしよう。
古いカードを破棄
新しいカードが届いたら、古いカードは破棄することになる。
そのときに、絶対にそのままゴミ箱へ捨てないようにしてほしい。
クレジットカードには個人情報や金融情報などの重要な情報が非常にたくさん詰まっている。
スキミングといった違法行為で情報を抜き取られてしまう事件が後を断たない.
さらに、有効期限が切れたカードでも、ある一定の条件を満たすと一時的に利用できてしまうという。
大切な個人情報を守り、不正利用を防ぐためにも、古いカードは利用不可・情報読み取り不可の状態で破棄する必要がある。
もっとも簡単なは、ハサミでクレジットカードを切断してしまうことだ。
できる限り細かく切断し、バラバラで捨てることが望ましい。
特に署名欄やセキュリティコード欄は細かく切断しておこう。
ICチップなどはトンカチなどで叩いて壊しておくとなおいいだろう。
カード払いの登録情報変更
クレジットカードの更新ではカード番号が変わらないが、有効期限とセキュリティコードは変更となる。
そのため、ネットショッピングや公共料金の支払いなど、webサイトからクレジットカード払いの登録をしている場合は登録の変更が必要だ。
なぜなら、webなどでクレジットカードを登録する際、一般的にはカード番号と有効期限、セキュリティコードを入力するからである。
特に注意してほしいのが、公共料金、携帯利用料、プロバイダー料金、家賃等の月々の固定費をクレジットカードで支払っている場合だ。
カード情報の変更を行わないままにしていると、支払い遅延となってしまう。
カード発行会社の中には、「洗い替え」といって、カード更新の際に支払い先に変更をかけるサービスを行っている。
しかし、洗い替えはあくまでカード発行会社の善意によるサービスのため、すべての支払い先に適用されるとは限らない。
基本的には自分でカード情報の変更が必要になると思っておいたほうが良い。
更新時の注意点まとめ
クレジットカードの更新について解説してきたが、特に注意をしてほしいのが以下の3点だ。
- 住所変更があった場合は速やかにカード発行会社に連絡をする(web等で変更可)
- 古いカードはできる限り細かく切断して、バラバラに捨てる
- 新しいカードが届いたら毎月の支払い先に登録しているカード情報を更新する
基本的にはクレジットカードは自動更新のため、上記以外の手間はあまりかからない。
ただし、利用がまったくないカードや、支払い遅延を繰り返した場合など、解約となってしまうこともある。
特に支払い遅延などが原因で解約となった場合は、新規カード申込時の審査などでも不利になってしまう。
長く便利にカードを使い続けるためにも、日頃からクレジットカードの使い方に気を配ろう。