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三井住友カードが入会審査にAI導入、担当者審査の20%を自動化

三井住友カードは、ELYZAの機械学習技術を活用した入会審査の自動判定AIの利用を開始した。従来は担当者が目視で確認していた審査のうち20%が自動化され、申込者が結果を受け取るまでの時間が短くなる。

目視審査の20%をAIが肩代わり

三井住友カードと、大規模言語モデル(LLM)の社会実装を進めるELYZAは2026年7月10日、三井住友カードの入会審査業務で自動判定AIの利用を開始したと発表した。運用そのものは2026年3月下旬から実際の審査業務で始まっており、今回はその成果の公表にあたる。

この自動判定AIは、審査担当者が判断に使うのと同じデータを入力し、あらかじめ学習させたモデルが承認・不承認を判定するというもの。現時点で、担当者による審査の20%が自動化されている。

「自動では判定できない申込」だけが残っていた

三井住友カードはこれまでも入会審査の自動化を進めており、多くの申込についてはすでに自動判定で結果を返す体制を築いていた。今回のAI導入は、その体制でも取りこぼしていた部分を埋めるものだ。

複雑な条件を伴う申込が目視審査に回っていた

条件が複雑に絡む申込については、引き続き従業員が目視で審査する必要があり、結果の返却までに時間を要するケースが残っていた。申込者から見れば、同じ「三井住友カードに申し込んだ」という行為であっても、審査に回されるルートによって結果が届くまでの時間に差が生じていたことになる。

VBAマクロやRPAでは扱いきれなかった領域

これまで審査自動化の主要な手法だったVBAマクロやRPAは、あらかじめ決めたルールどおりに処理を進める仕組みであるため、条件が複雑な申込への対応が難しかった。ELYZAが提供する機械学習技術は、審査データに含まれる複雑なパターンを学習したうえで担当者に代わって判定を行うため、ルールベースでは自動化できなかった領域まで踏み込める。

入会審査自動判定AIの仕組み

審査データは三井住友カード社内で完結する設計

クレジットカードの入会審査で扱う情報には、収入や勤務先といった機微な個人情報が含まれる。三井住友カードは、この自動判定AIについて、取り扱う情報が同社内で完結するよう設計していると説明している。外部のクラウドサービスへ審査データが渡ることを懸念する声に対して、あらかじめ設計上の答えを示した形だ。

申込者にとって変わるのは「待ち時間」だ

今回の発表で読者にとって意味があるのは、審査結果が届くまでの時間が短くなる点に尽きる。三井住友カードもプレスリリースで、入会審査における対応時間の短縮とより迅速な審査結果の通知を実現すると述べており、審査基準そのものの変更には言及していない。

つまり、AIが導入されたからといって審査が通りやすくなるわけでも、通りにくくなるわけでもないと考えるのが妥当だ。判定の役割が人からモデルに移ったことで処理が速くなる、という理解にとどめておきたい。従来「複雑な条件」に該当して結果待ちが長引いていた層ほど、体感できる変化は大きくなる可能性がある。

将来的には完全自動化を目指す

三井住友カードは、他の自動化施策と組み合わせることで、将来的に入会審査の完全自動化を目指すとしている。現在の自動化率は担当者審査の20%であり、残る8割は依然として人の目を通っている。

カード会社にとって入会審査は、貸し倒れリスクを見極める中核の業務であり、精度を落とさずに自動化率を上げられるかが問われる。ここで実績を積めた場合、審査スピードは他社との比較検討で無視できない要素になっていく可能性がある。カードを急いで手に入れたい人にとって、「申し込んでから使えるまでの時間」がカード選びの判断材料の一つになりつつあることは、頭に入れておいてよいだろう。

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オトクレ編集長 池田 星太

執筆・編集

池田星太

オトクレ編集責任者。2013年より「大人のクレジットカード」を運営。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、金融全般での情報発信を行っている。また、クレジットカード専門家として、雑誌やメディアでの編集や監修も行っている。日常生活のほぼすべてをキャッシュレスで過ごす。

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