出張や帰省など、定期券を使うほどではないが、定期的に国内で同じ地域間の移動がある人に便利なのが、新幹線回数券だ。
6枚セットになっていて、1回ずつ乗車券・特急券を購入するよりもお得な価格設定となっている。
有効期間は3ヶ月で、お盆・年末年始・GWとその前後を除き、「のぞみ」「みずほ」「ひかり」「さくら」「こだま」の普通車指定席を利用できる。
ただ、この新幹線回数券を購入にクレジットカードを利用する場合は、注意してほしい。
購入の状況によっては「クレジットカードの現金化」が疑われてしまい、カードが一時利用停止となるおそれがある。
また、購入したものの必要がなくなった回数券は、金券ショップなどで売るのではなく、払い戻しをすることをおすすめする。
これも「クレジットカードの現金化」を防ぐために重要な点だ。
本記事では、新幹線回数券をクレジットカードで購入する場合の注意点と共に、クレジットカードの現金化について、そのリスクと注意点を解説する。
カード払いはおすすめしない
結論から言うと、新幹線の回数券をクレジットカードで購入するのはできれば避けた方が良い。
理由は、「クレジットカードの現金化」を疑われることがあるからだ(現金化については後述する)。
新幹線の回数券は入手しやすく、換金率も高いため、本来は規約違反なのだが、現金化を目的としてカードで購入する人もいる。
そのため、カード会社が目を光らせており、クレジットカードの現金化が疑われやすい。
特に現金化が疑われやすいのが、次のようなケースだ。
- 一度に大量の新幹線回数券を購入する
- 普段新幹線を利用しないのに回数券を購入する
- 普段のカード利用と異なる地域の新幹線回数券を購入する
カード会社から現金化を目的としていると判断されると、カードが一時的に利用停止となってしまうこともある。
クレジットカードの現金化とは
カード会社にクレジットカードの現金化行為が知られると、カードは利用停止になる。
これは、ショッピング枠の現金化が、クレジットカードの規約違反にあたるからだ。
通常、クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠があり、限度額内で買い物や借り入れをすることが可能である。
ショッピング枠は、利用金額分をカード会社が立て替え、ユーザーはそれを後から支払うという仕組みになっている。
ところが、ショッピング枠で購入した商品を金券ショップやなどで売って現金化すると、キャッシング枠を利用せずに現金が手に入ってしまう。
そのため、手持ちの現金がない、キャッシング枠が利用できない、お金を借りることが難しいといった場合に、クレジットカードの現金化を考える人もいる。
しかし、ショッピング枠で購入した商品を、換金を目的に現金化業者に売ったり、金券ショップやオークションなどで転売したりすることは規約違反だ。
クレジットカードの利用停止や、同じカード会社のカードが発行不可になるなど、非常にリスクも大きく、絶対に行ってはならない。
また、現金化業者は違法業者であるケースも多い。
個人情報が悪用されたり、現金を騙し取られたり、いつの間にか多額の借金を背負わされてしまうという恐れもあるので、そもそも利用すべきではない。
トラブルに遭った体験談
クレジットカードの現金化をしてしまった人の中には、以下のようにトラブルに遭ったという声が多くある。
軽い気持ちで現金化業者を利用したら、業者に提示した個人情報が洩れてしまい、闇金融などからのダイレクトメールがひんぱんに届くようになった。
現金化をした次の日にカード会社から電話があり、カード決済の内容や目的などについて詳しく聞かれ、利用停止になりかけた。
オンラインで現金化業者に申し込んだが、振り込み予定日になっても振り込みがされなかった。
現金化業者にカード情報を提示したところ、暗証番号などを抜き取られて不正利用をされた。
以上のように、カード会社から確認の連絡が入った、悪質な業者に騙されたなど、現金化によるトラブルの声は多い。
カードの不正利用などかなり被害の大きいケースもある。
しかも、こういった利用者に大きな過失がある場合、不正利用は補償されない。
クレジットカードの現金化は絶対に止めた方が良いのが分かるだろう。
売却ではなく払い戻しを
新幹線回数券をクレジットカードで購入しても問題ないこともある。
特に、出張や旅行で日頃からよく新幹線を利用する場合や、よく利用するエリアでは現金化が疑われる可能性は低くなる。
ただし、そうやって購入した新幹線の回数券が必要なくなった場合、金券ショップに売却するのではなく、窓口で払い戻しをしてもらった方が良い。
現金化を目的として購入したわけでなくとも、結果的に金券ショップに売却すれば現金化の行為と同じ扱いになるからだ。
払い戻しの方法
新幹線回数券の払い戻し手続きは、みどりの窓口で行う。
払い戻しをするには、以下の条件を満たしている必要がある。
- すべて未使用
- 有効期限内である(有効期限当日まで)
- 購入時に使用したクレジットカードを持っている
- 購入した駅の窓口で払い戻しを行っている
手続きには、未使用の回数券と購入に使用したクレジットカードも必要だ。
注意したいのが、クレジットカードで新幹線の回数券を購入した場合、払い戻しをしても現金では戻ってこないという点だ。
窓口ではマイナス処理が行われ、クレジットカードで支払った分の金額が、次回の請求額から差し引かれることになる。
現金化によるペナルティ
ここまで述べてきたように、クレジットカードの現金化は「規約違反」にあたる。
そのため、現金化を目的としたクレジットカードでの商品の購入・転売がカード会社に知られると、ペナルティを受けることになる。
まず、現金化に利用したクレジットカードが利用停止になることは覚悟しなければならない。
さらに、カード会社から解約を求められた場合、利用残高を一括返済しなければならなくなる。
分割払いやリボ払いの支払いが残っている場合や、キャッシング枠で借り入れをしている場合など、それらの返済を一括で早急に求められてしまう。
また、一度クレジットカードの現金化がカード会社に知られてしまうと、同じカード会社のクレジットカードを発行できなくなる可能性が高い。
現金化を疑われないために
新幹線回数券に限らず、カード会社から現金化を疑われないために、クレジットカードの利用時は次の点に気を付けよう。
疑われる商品を購入しない
カード会社から現金化の可能性が高いとみなされている商品は、クレジットカードで購入することを避けたい。
具体的には、以下のような換金性の高い商品は、クレジットカードではなく現金で購入した方が良い。
- 新幹線の回数券
- 商品券、ギフトカード
怪しまれる買い方をしない
新幹線の回数券など換金性の高い商品に加え、以下のような商品も、状況によっては現金化を疑われる可能性がある。
- 人気、高級ブランドのバッグや靴など
- 話題のゲーム機器、新作のゲームソフト
これらの商品は、中古ブランドショップやネットオークションなどで、高額で買い取りがされやすいためだ。
ただし、通常の買い方であればまず問題はない。
注意すべきは、同じ商品を一度に複数購入したり、高い頻度で大量に購入したりする場合だ。
家族や友人に頼まれたり、ギフトなどで数が必要になったりすることもあるかもしれない。
しかしそうであったとしても、カード会社には現金化が目的なのか、通常利用なのか判断がつかない。
結果、現金化を疑われる可能性が高いため、クレジットカードの利用は避けた方が良いということを覚えておきたい。
正しく事情を伝える
クレジットカードには自動検知機能が備わっている。
この機能により、利用金額や場所など普段と違うケースの利用が検知されると、一時的な利用停止やカード会社から連絡がくることがある。
これは、不正利用を防ぐためでもあるが、現金化が疑われる場合も同様に対処されることがある。
カード会社から連絡があった場合、現金化が目的でないならば、買い物の目的や状況をきちんと伝えれば問題ない。
カードが一時的に利用停止になったとしても、実際に現金化をしていないのであれば、再び利用できるようになることがほとんどだ。
現金化は絶対にダメ
繰り返しになるが、クレジットカードの現金化は規約違反であり、絶対にやってはいけない。
現金化がカード会社に知られた場合、一括返済を求められたリ、信用情報に傷がついたりするなど、代償も大きい。
また、悪質な現金化業者を利用してしまうことで、個人情報の流出や不正利用の危険性もある。
さらに、意図的ではなく「自分が知らないうちに現金化をしていると判断されてしまう」ことにも注意したい。
現金化目的ではないのに、カード会社から現金化を疑われてしまい、カードが一時的に利用できなくなったというケースもゼロではない。
それを防ぐためには、まず、新幹線回数券を始めとした、現金化に使われやすい商品をカードで購入することを控えよう。
必要があって購入する場合も、一度に大量の購入をするなど、現金化を疑われやすい買い方は避けよう。
また、必要がなくなった新幹線の回数券は、金券ショップに売却するのではなく、払い戻しを行う。
現金化を疑われてカードが使えず不便な思いをしないためにも、注意してほしい。