アプラスとSBI VCトレードは2026年10月1日、暗号資産が貯まるクレジットカード「SBI VISAクリプトカード」の事業者向け版として「SBI VISAクリプトカードBIZ」「SBI VISAクリプトカード ゴールドBIZ」の発行を開始した。事業費の支払いで貯まるポイントを、ビットコインなどの暗号資産で受け取れるのが最大の特徴だ。
法人口座から引き落とせる事業費決済用のSBI VISAクリプトカード
SBI VISAクリプトカードは、カード利用で貯まったポイントが月1回、手数料無料で自動的に暗号資産へ交換されるVisaカードだ。個人向けの「SBI VISAクリプトカード」「SBI VISAクリプトカード ゴールド」がすでに発行されており、今回のBIZはその事業者版にあたる。
申し込めるのは法人・団体等の代表者または個人事業主に限られる。支払口座は、法人・団体等なら法人・団体等名義の口座、個人事業主なら本人名義の口座を指定できる。経費の支払いをプライベートのカードと分けつつ、その利用分をポイントではなく暗号資産として受け取れる設計だ。
ただし契約形態はあくまで「個人契約」であり、法人そのものがカード会員になる法人カードとは異なる点は押さえておきたい。申込にはSBI VCトレードのVCTRADEサービス口座(個人口座)を持っていることが条件で、暗号資産もこの個人口座に貯まっていく。法人名義の口座から支払っても、受け取る暗号資産は代表者・事業主個人の口座に入る仕組みとなる。
貯める暗号資産は申込時にBTC・ETH・XRPから1つ選ぶ
交換先の暗号資産は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、エックスアールピー(XRP)の3種類から、カード申込時に1つを選ぶ。1枚のカードで選べる暗号資産は1つだけのため、複数の銘柄に分散して貯めたい場合は向かない。どの銘柄で受け取るかは申込前に決めておく必要がある。
BIZとゴールドBIZのスペック比較
2券種の主な違いは年会費、還元率、付帯サービスだ。リリースに記載された内容を整理すると次のとおりとなる。
| 項目 | SBI VISAクリプトカードBIZ | SBI VISAクリプトカード ゴールドBIZ |
| 年会費 | 初年度無料、次年度以降1,650円(税込)。カードショッピング年間10万円(税込)以上の利用で無料(追加会員利用分含む) | 本人会員6,600円(税込)、追加会員3,300円(税込) |
| 還元率 | 通常0.5%(リボ払い利用時は0.3%上乗せで最大0.8%) | 通常1.0%(リボ払い利用時は0.3%上乗せで最大1.3%) |
| 国際ブランド | Visa | Visa |
| 対象暗号資産 | BTC・ETH・XRPから1つ | BTC・ETH・XRPから1つ |
| 追加カード | 契約者本人が指定する従業者に最大4枚 | 契約者本人が指定する従業者に最大4枚 |
| 付帯サービス | カード盗難紛失補償 |
|
| 付帯カード | ETCカード(発行手数料1,100円・税込)、Apple Pay / Google Pay | ETCカード(発行手数料1,100円・税込)、Apple Pay / Google Pay |
ゴールドBIZは初年度から年会費6,600円
個人向けのSBI VISAクリプトカード ゴールドは初年度無料だが、公式サイトの案内によるとゴールドBIZは初年度から本人会員6,600円(税込)がかかる。追加会員にも1枚3,300円(税込)の年会費が発生するため、従業者にカードを持たせる場合はその分もコストに含めて考えたい。
還元率1.0%で年会費6,600円を利用分の還元だけで回収するには、年間66万円以上の利用が目安になる。毎月の経費決済が5万5,000円程度を超えるかどうかが、スタンダードとの分かれ目の一つと考えられる。一方のBIZ(スタンダード)は、年間10万円以上使えば次年度以降も年会費がかからない。
リボ払いの上乗せ0.3%は手数料との比較が必要
両券種とも、リボルビング払いを利用すると還元率が0.3%上乗せされる。ただしリボ払いには所定の手数料がかかるため、上乗せ分の還元だけを目的にリボ払いを使うのは慎重に判断したい。通常の還元率で比較すると、BIZは0.5%、ゴールドBIZは1.0%が基準になる。
ゴールドBIZ限定の暗号資産コンシェルジュサービス
ゴールドBIZの本人会員には、暗号資産やステーブルコインを用いた取引や資産活用について専属の担当者がサポートする「暗号資産コンシェルジュサービス」が付く。暗号資産を事業の資産運用に組み込みたい事業者向けの特典といえる。
個人用カードとBIZの違いは支払口座と申込対象
還元率(通常0.5%・1.0%)、対象暗号資産、月1回の自動交換といったポイントの仕組みは、個人用とBIZで共通している。違いが出るのは主に次の点だ。
| 項目 | 個人用(SBI VISAクリプトカード/ゴールド) | BIZ(SBI VISAクリプトカードBIZ/ゴールドBIZ) |
| 申込対象 | 個人 | 法人・団体等の代表者または個人事業主(個人契約) |
| 追加カード | – | 指定する従業者に最大4枚 |
| ゴールドの年会費 | 初年度無料 | 初年度から本人会員6,600円(税込) |
※個人用カードの内容はSBI VCトレード公式サイトの案内に基づく。
申込年齢は、公式サイトによるとスタンダードが18歳以上(高校生不可)、ゴールドが20歳以上(学生不可)で、この点は個人用と同様だ。すでに個人用カードを持っている人がBIZを追加する場合、事業費とプライベートの支出を別々のカードで管理できるようになる。
12月31日までの発行と1月5日までの利用が条件の入会キャンペーン
発行記念として、2026年10月1日から11月30日23時59分までの申込を対象に、2つのキャンペーンが実施される。どちらも申込時に選んだ暗号資産で受け取る形で、2027年3月末までにVCTRADEサービス口座へ進呈される。
キャンペーン1は入会だけで最大1,500円相当
申込期間内に申し込み、2026年12月31日までにカードが発行されると、BIZは1,000円相当、ゴールドBIZは1,500円相当の暗号資産がプレゼントされる。
キャンペーン2は利用額の段階で最大3万円相当、エントリー必須
カード発行後、2026年10月1日から2027年1月5日23時59分までのカードショッピング利用額に応じて、通常還元とは別に暗号資産が還元される。公式サイトによると、このキャンペーンは「My APLUS」からのエントリーが必要だ。
| 券種 | 利用額 | キャンペーン還元 | 通常還元と合わせた実質還元率 |
| SBI VISAクリプトカードBIZ | 50万円以上 | 5,000円相当 | 1.5%(50万円利用時、計7,500円相当) |
| SBI VISAクリプトカードBIZ | 100万円以上 | 10,000円相当 | 1.5%(100万円利用時、計15,000円相当) |
| SBI VISAクリプトカード ゴールドBIZ | 100万円以上 | 15,000円相当 | 2.5%(100万円利用時、計25,000円相当) |
| SBI VISAクリプトカード ゴールドBIZ | 200万円以上 | 30,000円相当 | 2.5%(200万円利用時、計50,000円相当) |
※実質還元率はリリース記載の通常還元(BIZ 0.5%、ゴールドBIZ 1.0%)とキャンペーン還元を合算して編集部で算出。リボ払いの上乗せは含まない。
還元は利用額に比例するのではなく、到達した段階ごとの定額になる。たとえばゴールドBIZで190万円使った場合のキャンペーン還元は15,000円相当にとどまり、実質還元率は約1.8%まで下がる。狙う段階のちょうど上を目指して利用額を組み立てるのが効率的だ。
公式サイトによると、カードキャッシング、年会費、SBI証券のクレカ積立の利用分などは対象外となる。クレカ積立で利用額を積み上げることはできない点に注意したい。
利用対象期間は1月5日までだが、カード発行までの日数分だけ実際に使える期間は短くなる。ゴールドBIZで200万円の段階を狙う場合、発行後の約3か月で月平均60万円以上の決済が必要になるため、申込は早めに済ませたい。
なお最大額の「31,500円相当」は、ゴールドBIZのキャンペーン1(1,500円相当)とキャンペーン2の上限(30,000円相当)を合計したもので、BIZ(スタンダード)の最大は11,000円相当となる。
受け取りは暗号資産、円換算の価値は変動する
キャンペーン・通常還元とも「〇円相当」の暗号資産として付与されるが、受け取った後の価値は相場によって上下する。ポイントのように一定の価値で使える還元とは性質が異なり、値下がりすれば受け取った時点の円換算額を下回る可能性もある。
また、暗号資産は代表者・事業主個人のVCTRADEサービス口座に入るため、事業の経費で得た還元をどう管理するかは事業者ごとに整理しておく必要がある。会計・税務上の扱いが気になる場合は、税理士などの専門家に確認するとよいだろう。
経費決済を暗号資産の積立に回したい事業者向き
SBI VISAクリプトカードBIZは、年間10万円以上の利用で年会費がかからないため、経費決済の金額が大きくない個人事業主でも持ちやすい。ゴールドBIZは初年度から年会費がかかるものの、還元率1.0%と旅行傷害保険・空港ラウンジなどの付帯サービスがあり、年間の経費決済が多い事業者ほどメリットが出やすい。
一方で、受け取る還元はすべて暗号資産になり、現金や他社ポイントでの受け取りは選べない。暗号資産の価格変動を許容でき、経費の支払いを通じてBTC・ETH・XRPを少しずつ貯めていきたい事業者に向いたカードといえる。
最終更新日:2026/10/01















