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全東信破産の乗り換え先、決済サービス6社を入金の速さで比較

飲食店向けにクレジットカード売上を立て替えていた全東信の破産で、加盟店は入金経路の切り替えを迫られている。乗り換え先を選ぶ基準は手数料率よりも、売上が何日で現金になるかだ。主要な決済サービス6社の入金サイクルと費用を、2026年7月時点の公式情報をもとに整理する。

[PR]本ページはプロモーションが含まれています。本記事は2026年7月10日現在の内容です。

全東信が担っていたのは決済ではなく「入金の前倒し」だった

まず押さえたいのは、全東信が何を提供していた会社なのかという点だ。同社はカード決済そのものを処理する事業者ではなく、カード会社から加盟店への入金までにある数週間の時間差を、立て替えによって埋める役割を担っていた。週2回・月6回という高頻度の入金は、日々の現金が必要な飲食店にとって資金繰りの生命線だった。

したがって加盟店が失ったのは「カードを受け付ける手段」ではなく、売上を早く現金化する手段である。乗り換え先を探すときも、決済端末の性能や対応ブランド数ではなく、入金までの日数を最初の物差しに置くのが筋になる。

手数料0.5%の差より、入金が5日早いほうが効く場面がある

決済サービスの比較記事はふつう手数料率を軸に並べる。しかし今回のように資金繰りが直接痛む状況では、優先順位が変わる。

月商300万円の店で手数料率が0.5%違えば、差額は月1万5,000円だ。一方で入金が週1回から翌営業日に変われば、常時手元にある運転資金がおよそ数十万円単位で変わる。仕入れや人件費を日銭でまわしている店では、後者のほうが経営に効く。手数料は損益に効き、入金サイクルは資金繰りに効くという違いを踏まえて選びたい。

ただし全東信の立て替えと、決済サービスの入金サイクルは性質が異なる。前者は債権を肩代わりする金融的な仕組みで、後者は自社が処理した決済の入金日を早めるものだ。同じ「早く入る」でも、費用の出方も相手方リスクも同じではない点は理解しておく必要がある。

主要6サービスの入金サイクルを比較する

入金までの日数、早期入金の有無、振込手数料を横並びにすると次のようになる。いずれも2026年7月時点で各社公式サイトに記載されていた内容だ。

サービス 通常の入金サイクル 早期入金の仕組み 振込手数料
Square 三井住友・みずほなら翌営業日/他行は週1回(金曜) 即時入金(入金額の1.5%、最低5,000円) 通常入金は全銀行無料
楽天ペイ 楽天銀行なら翌日(365日)/他行は最短3日後 楽天銀行指定の翌日入金が実質的な早期入金 楽天銀行0円/他行1回300円(税抜)
PayPay PayPay銀行なら翌日/他行は翌々営業日 早期振込サービス(利用料0.38%+振込手数料) 通常サイクルは全銀行0円
stera pack 締め日から2営業日後(月2回・月6回などから選択) 締め回数の多いプランが早期入金に相当 三井住友銀行0円/他行220円(税込)
STORES 決済 手動入金で最短翌々日/自動は月末締め翌月20日 別建ての即時入金は公式に確認できず 自動は無料/手動は10万円未満200円
Airペイ みずほ・三菱UFJ・三井住友なら月6回/他行は月3回 公式に案内なし 全銀行無料

Squareは三井住友・みずほ指定で翌営業日、即時入金も選べる

入金の速さという一点で見れば、Squareの条件は明快だ。振込先に三井住友銀行かみずほ銀行を指定すれば決済日の翌営業日に入金され、振込手数料もかからない。さらに入金額の1.5%(最低5,000円)を負担すれば即時入金も選択できる。

一方、それ以外の金融機関を指定した場合は週1回、金曜日のみの入金となり、資金化までに最長で1週間近くかかる。指定口座によって条件が大きく変わるサービスだといえる。対面決済の手数料は年間決済額3,000万円未満で2.5%、それ以上になると3.25%に上がる点も、成長中の店では見落とせない。

<<Squareの詳細・申し込みはこちら>>

公式サイトを見る

楽天ペイは楽天銀行なら土日祝も翌日入金

楽天ペイは、楽天銀行を振込先に指定した場合に限り、土日祝を含む365日の翌日自動入金となり手数料も無料になる。土日の売上が翌日に入る設計は、週末に売上が集中する飲食店と相性がよい。

ただし他の金融機関を指定すると最短3日後となり、振込のたびに300円(税抜)がかかる。楽天銀行の口座開設を前提とした設計であることは理解しておきたい。なおスタンダードプランには2年未満の解約で違約金が発生する条件がある。

PayPayは早期振込が0.38%と低いが、クレカ対応には端末が要る

PayPayは通常の入金でもPayPay銀行なら翌日、他の金融機関でも翌々営業日と比較的早く、しかも通常サイクルの振込手数料はどの銀行でも無料だ。さらに早期振込サービスの利用料は0.38%と、Squareの即時入金1.5%に比べて低い水準に設定されている。

注意すべきは、PayPayが基本的にQRコード決済のサービスである点だ。クレジットカードや電子マネーを受け付けるにはPayCAS端末の導入が必要になり、月額1,980円(税別)のプラン加入と別料率の手数料が発生する。カード売上の入金を全東信に頼っていた店がそのまま置き換えられる構成ではない。

stera packは締め日から2営業日後、ただし解約条件が重い

stera packは締め日から2営業日後の入金が基本で、締め回数を月2回・月6回などから選べる。1台で30種類以上の決済に対応し、月額費用は初年度0円、2年目以降3,300円(税込)となる。年間売上3,000万円以上であれば永年無料になる条件もある。

ただし端末は貸与で、3年未満に解約すると1台あたり最大88,000円の違約金と返却義務が生じる。振込手数料も三井住友銀行以外は1回220円(税込)かかるため、入金回数を増やすほど手数料負担が積み上がる。締め回数の多いプランには対象外の業種があり、毎日締めは新規申し込みを受け付けていない。早期入金を狙って契約したのに条件に合わないという事態を避けるため、申し込み前の確認が要る。

STORES 決済は手動入金なら最短翌々日

STORES 決済は銀行による差がなく、どの金融機関でも条件が同じという点で分かりやすい。手動で入金申請をすれば最短翌々日に振り込まれ、売上10万円以上なら手数料は無料。10万円未満だと200円がかかる。自動入金を選ぶと月末締めの翌月20日払いとなり、資金化はかなり遅くなる。

土日祝は入金処理が行われないため、週末の売上がすぐ現金になるわけではない点は押さえておきたい。手数料は月額0円のフリープランで2.48%、月額3,300円(税込・年間契約)のスタンダードプランならVisa・Mastercardが1.98%まで下がる。

Airペイは入金が月6回どまりで、早期入金の仕組みを持たない

Airペイは初期費用・月額固定費・振込手数料がいずれも0円で、決済ブランドの対応範囲も広い。ただし入金は、みずほ・三菱UFJ・三井住友を指定して月6回、それ以外の金融機関では月3回にとどまる。公式サイトおよび公式FAQには、手数料を払って入金を早めるオプションの案内が見当たらない。

さらにQRコード決済分を扱うAirペイ QRの入金は月末締めの翌月最終営業日に月1回だけで、クレジットカードや電子マネーとは別サイクルになる。固定費をかけずに幅広い決済を導入したい店には有力だが、全東信の週2回入金を代替する目的で選ぶと期待とずれる可能性がある。

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費用は「手数料率」と「月額」の組み合わせで逆転する

入金の速さと並んで、費用構造もサービスごとに考え方が異なる。月額固定費を払って料率を下げるか、固定費を0円に抑えて料率を受け入れるかという選択だ。

サービス 月額固定費 クレジットカード手数料
Square 0円 対面2.5%(年間3,000万円以上は3.25%)
STORES 決済 0円/3,300円(税込) フリー2.48%/スタンダードはVisa・Mastercard 1.98%
楽天ペイ 0円 3.24%(新規向けプランは2.20%〜)
stera pack 初年度0円/以降3,300円(税込) Visa・Mastercard 2.70%、その他3.24%(プランにより変動)
Airペイ 0円 3.24%(COIN+のみ0.99%)

月商300万円の店を例にすると、料率3.24%なら手数料は約9万7,000円、1.98%なら約5万9,000円で、差額はおよそ3万8,000円になる。月額3,300円を払っても差し引きで得になる計算だ。ただしこれはVisa・Mastercardの比率が高い場合の話で、JCBやAmexの構成比が高い店では料率差が縮むため、自店の決済ブランド内訳を確認してから判断したい。

なおstera packの料率は、公式のサービスページと配布されているガイドラインPDFで数値に食い違いが見られる。実際に適用される料率は審査結果の通知によって確定するため、契約前に条件書で確かめる必要がある。

指定する銀行口座ひとつで入金日が変わる

今回並べた6サービスのうち4つは、振込先に指定する金融機関によって入金の速さや手数料が変わる。Squareは三井住友・みずほ、楽天ペイは楽天銀行、PayPayはPayPay銀行、stera packとAirペイは三井住友系が有利という具合だ。

つまり乗り換え先を選ぶ作業は、実質的にどの銀行口座を用意するかという選択とセットになる。既存の取引銀行をそのまま使う前提で比較すると、本来得られたはずの入金スピードを取り逃がすことがある。屋号付き口座の開設には時間がかかる場合もあるため、切り替えを急ぐ場面では日程に織り込んでおきたい。

なお最低振込額の定めについては、今回調べた範囲ではSquareの即時入金(最低5,000円)以外に公式の明記が見当たらなかった。少額の売上しか立たない日の扱いは、各社の加盟店規約で確認するのが確実だ。

解約時の違約金と端末の扱いが後から効いてくる

急いで乗り換えた結果、数年単位で身動きが取れなくなる契約を結んでしまうことがある。stera packは3年未満の解約で1台あたり最大88,000円の違約金と端末返却義務があり、楽天ペイのスタンダードプランにも2年未満の解約で38,280円(税込)の違約金が設定されている。

Airペイのカードリーダーは0円だが無償貸与であり、解約時には返却が必要だ。Squareは端末を買い取る方式で、Reader が4,980円、単体で動作するTerminal が39,980円と、初期費用と引き換えに契約の縛りが軽い。初期費用の安さと契約の自由度はしばしば逆方向に働くため、当面をしのぐための一時的な導入なのか、長く使う前提なのかを決めてから選びたい。

全東信の加盟店がいま踏むべき手順

影響を受けている加盟店が取るべき動きは、乗り換え先の検討だけではない。順序を整理すると次のようになる。

  • 自店のカード売上が現在どの経路で入金されているかを確認し、全東信を経由していた分とそれ以外を切り分ける
  • 今後のカード決済が止まらないよう、決済サービスまたはカード会社への入金経路の切り替えを先に進める
  • 入金サイクルの条件が最も有利になる金融機関の口座を、乗り換え先の選定と並行して準備する
  • 全東信に対する未回収の売上がある場合は、破産管財人からの案内に従って債権届出などの手続きを行う
  • 当面の資金不足に備え、取引金融機関や公的な資金繰り支援の窓口に早めに相談する

適切な対応は契約内容や金額によって変わるため、最終的な判断は破産管財人からの通知と、税理士・弁護士など専門家の助言を踏まえて進めたい。

今回の一件は、入金の速さを外部の一社に預ける構造そのものにリスクがあったことを示している。乗り換え先を選ぶときも、入金が何日で入るかと同じ重さで、その入金を誰がどんな仕組みで支えているのかを見ておきたい。なお本記事で挙げた料率・入金条件はいずれも2026年7月時点のもので、各社の改定によって変わりうる。

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執筆・編集

オトクレニュース編集部

オトクレ編集部では、2013年のサイト開設以来、年間200枚以上のクレジットカード情報をチェックし、記事を更新し続けています。

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