Stripeが年次カンファレンス「Sessions 2026」で288の新プロダクト・機能を発表した。GoogleとのAI連携により、消費者がAIに買い物を任せる時代に向けた決済基盤の整備が一気に進む。

AIが代わりに決済する時代が近づく
4月28〜29日にサンフランシスコで開催されたSessions 2026で、Stripeは決済・金融インフラに関する大型アップデートを一挙に発表した。全体のテーマは「AI変革には新しい経済インフラが必要」というもので、企業向けの機能拡張にとどまらず、消費者の購買体験そのものを変えうる発表が並んだ。
なかでも注目を集めたのが、Googleとの新たなパートナーシップだ。GoogleのAIモード(AI Overview)やGeminiアプリの会話画面上で、Stripe加盟店の商品を直接購入できるようになる。Quince、Fanatics、JD Sportsなどの海外ブランドを皮切りに、WixやBigCommerce、WooCommerceなど主要プラットフォームにも順次展開される予定だ。
AIエージェントが支払いを代行する「Linkウォレット」
もうひとつの柱が、「Link」を活用したAIエージェント向けウォレットだ。ユーザーが自分のAIエージェントに決済を代理させることができる仕組みで、タスクごとに使い捨てのカードが自動発行される。Stripeは「AIがノーベル賞レベルの問題を解けるのに、ドメイン1つ購入できないのはおかしい」と表現し、AI普及に即した支払いの自動化を推進する姿勢を示した。
Linkはすでにグローバルで2億5,000万人以上のユーザーが利用している決済ネットワークだ。日本でもStripe経由の決済処理は1日あたり480万件に達しており、この基盤の上にAI対応機能が順次追加される。
リアルタイム課金やグローバル送金も強化
ストリーミング決済
AI分野での従量課金需要に応えるため、トークンの使用時点で即時課金できる「ストリーミング決済」も新たに提供される。MetronomeとTempoブロックチェーンとの連携により、利用量に応じた細かな課金が可能になる。
Stripe Treasury拡張
企業間の資金移動では、米国企業間での即時・無料送金に対応。15通貨、100カ国への法定通貨送金が24時間365日対応となる。ChatGPT連携による操作機能も追加され、AIから直接送金指示を出せるようになる。
Stripe Projects
4月30日から全ユーザーに提供が開始された「Stripe Projects」は、Vercel・Clerk・Supabase・Hugging Face・Cloudflareなど32社のパートナーと連携し、AI事業者がゼロから決済基盤を構築しやすくする統合環境だ。
国内での影響は限定的だが、潮流として押さえておきたい
今回発表された機能の多くは米国市場が先行するが、Stripeが日本市場を重視していることはデータが示している。年間1.9兆ドル(約300兆円)を超える処理総額を持つStripeが動けば、競合する国内決済サービスや国際カードブランドの戦略にも影響が及ぶ可能性がある。GeminiアプリやAIエージェントとの連携が日本でいつ本格化するかは現時点で未定だが、AI×決済の融合という方向性は世界的な潮流として捉えておく価値がある。















