自然豊かな数々の絶景スポットがあり、留学先としても人気の高いニュージーランド。
日本から首都ウエリントンまでは、直行便利用で成田・羽田・関西国際空港からは約11時間。ゴールデンウィークなどの長めの連休を利用して旅行に行く人が多い。
海外旅行では、ショッピング、移動費、宿泊費など支払いの機会が多くなることが予想される。しかし、多額の現金を持ち歩くのは不安があるだろう。また、毎回現金で支払うのは正直不便だ。
そこで、主な支払いをクレジットカードで行い、チップやクレジットカード非対応の買い物など最低限必要な場合のみ現金で支払うことで、手持ちの現金を少なくし、支払いをスムーズに行える。
今回はニュージーランドのクレジットカード利用の現状や使用可能な国際ブランド、支払いやキャッシングなどのカード使用時の注意点、渡航する際に持っておきたいおすすめのクレジットカードを紹介していく。
目次
ニュージーランドのキャッシュレス事情
ニュージーランドではキャッシュレス決済が浸透している。ニュージーランドへの留学・旅行情報や、ニュージーランド在住の人が発信する情報などを見ると、日常生活において現金を利用する機会はとても少ないようだ。
デビットカード(EFTPOS)、クレジットカードが主流
ニュージーランドで主流のキャッシュレス決済方法は、デビットカードを利用したEFTPOS(エフトポス)というシステム。
合わせてクレジットカードを利用できる場所も多いようだ。主に使用されている国際ブランドは、VisaとMasterCard。
デビットカードの利用には現地の銀行口座が必要になるため、日本人が旅行や短期留学でニュージーランドを訪れるときは、Visa、MasterCardいずれかのクレジットカードを持っておけば問題ないだろう。
また、露店や個人店などで稀に現金のみの対応の場合があるため、念のために1万円程度、現金を両替しておくと安心だ。
ニュージーランドのキャッシュレス決済に関するデータ
ニュージランドのキャッシュレス事情について触れたデータを探してみると、川本明人「ニュージランドにおけるキャッシュレスの進展と銀行活動の変容」という論文が見つかった。
この論文に記載された「ニュージーランドで好まれる決済手段」の2021年のデータでは、「デビットカード/EFTPOS」が51%、「クレジットカード」が26%となっている。
また、論文に記載された「World Bank, Global Financial Inclusion」のデータによると、2017年時点でのニュージランド国民の15歳以上のデビットカード保有率は96.2%、クレジットカード保有率は60.9%となっている。
データ出典:川本明人「ニュージランドにおけるキャッシュレスの進展と銀行活動の変容」
日本との比較
JCBの「クレジットカードに関する総合調査」によると、日本のクレジットカードの保有率は2021年で85.9%、デビットカード保有率は2021年で24.3%となっている。
また、経済産業省のキャッシュレス決済比率の算出・公表によると、日本のクレジットカード決済比率は2022年で30.4%、デビットカード決済比率は2022年で1.0%となっている。
ニュージランドと日本を比較すると、ニュージランドはデビットカード重視、日本はクレジットカード重視という傾向が見られる。
クレジットカードの使える店(場所)
ニュージーランドでは、クレジットカードで支払いできる店舗が非常に多い。
たとえば、日用品や観光地での買い物を始め、飲食店、ホテル、タクシーやガソリンスタンド、病院での支払いまで、クレジットカード払いに対応している。
公共交通機関を利用する際も、窓口または販売機から乗車券を購入するシステムとなっており、その場合でもクレジットカードで支払いが可能だ。
なお、ニュージーランドでは地域ごとに公共交通機関で使える交通系ICカードがあり、事前チャージで利用できる。
公共交通機関の利用が多い場合は、各地域で対応した交通系ICカードを活用すると良いだろう。たとえば、オークランドでは「AT HOPカード」という交通系ICカードが利用されている。
国際ブランドはVisa、Mastercardが主流
ニュージーランドでクレジットカードを利用する際、主流の国際ブランドは、Visa、MasterCardである。
いずれの国際ブランドも世界中に多くの加盟店があり、ニュージーランドでも利用できる場所が多い。
日本国内では、American Express、JCBが利用できる場所も多いが、ニュージーランドでは事情が異なる。
American Express、JCBはニュージランドでは加盟店が少なく、都市部では多少利用できたとしても、郊外・リゾートエリアでは利用できない場合が多い。
ニュージーランドに行く際は、Visa、MasterCardどちらかの国際ブランドのカードを保有しておくことを強くおすすめする。
クレジットカードの使えない店(場所)
キャッシュレス決済が浸透し、多くの場所でクレジットカードを使えるニュージーランドでも、クレジットカード払いが不可な場合がある。
クレジットカードは店舗がVisaやMastercardなどの国際ブランドの加盟店となることで使用できるものだ。そのため、利用したいカードの国際ブランドの加盟店となっていない場所や店舗では使用できない。
たとえば、個人経営の店舗、露店などでは現金のみの支払いしか受け付けていない場合がある。支払い前に、対応している決済方法を確認するようにしよう。
クレジットカード払いの方法
ニュージーランドでクレジットカード払いに対応している店舗は、デビットカードの利用にも使われる決済システムEftpos(エフトポス)を導入している場合がほとんどだ。
Eftpos(エフトポス)を利用した支払い手順
Eftpos(エフトポス)でのクレジットカード使用手順は下記の通りだ。
1.クレジットカードを使用することを店員に伝える
会計時に、店員にクレジットカードを使用する旨を伝える。ほとんどの場合、財布からカードを出していれば、店員にクレジットカード払いであることが伝わるだろう。
2.クレジットカードをEftposマシンに読み込ませる
店員にEftposの操作を行うように言われたら、Eftposにクレジットカードを差し込むかスワイプしカードを読み込ませる。
ICチップ付きクレジットカードは、端末の下に差し込む。ICチップがない場合やICチップの読み込みがうまくいかない場合、端末の右部分でスワイプして読み込ませてみよう。
3.アカウントを選択する
クレジットカードを読み込ませると、画面上に「CHQ」「SAV」「CRD」と表示される。
このうち、「CHQ」「SAV」はデビットカードになる。クレジットカードを使用するためには「CRD」を選択する必要がある。
4.暗証番号を入力し、「Enter」を押す
クレジットカードの暗証番号を入力し、問題がなければ「Accepted」と画面に表示される。
「Accepted」が表示されたら決済完了、その後「REMOVE CARD」と表示されるため、カードを抜いて支払は完了という流れとなる。
クレジットカード使用時の注意点
ニュージーランドでクレジットカードを利用したい場合、以下の点に注意しよう。
サインではなく暗証番号の入力が必要
Eftpos(エフトポス)の使用手順からもわかる通り、ニュージーランドでクレジットカード決済を行う場合、暗証番号の入力が必要となる場合が非常に多い。
そのため、ニュージーランド渡航前にクレジットカードの暗証番号を確認しておく必要がある。逆に、クレジットカード決済時にサインを求められることはほぼないだろう。
分割払いが利用できない
日本国内では一括払いの他に分割払いなど支払い方法の選択が可能なクレジットカードであっても、ニュージーランドでは分割払いは利用できない。一括払いで支払える金額を利用するよう注意しよう。
例外として、カード会社によっては、海外でのクレジットカード支払代金が「リボ払い」になる設定がされている場合がある。ただし、このケースは非常に限定的だ。
為替手数料が発生する
日本国内で発行したクレジットカードを海外で利用する場合、1.6%前後の為替手数料がかかることに留意しよう。なお、手数料の詳細は国際ブランドによって異なる。
紛失、盗難のリスク
クレジットカードは便利な決済方法だが、紛失・盗難のリスクがある。紛失・盗難時は、カードを不正利用されないようすぐに利用停止などの手配をする必要がある。
そのため、海外に行くときは、クレジットカード会社の連絡先を携帯電話に登録するか、紙に書いておくなどして緊急時にすぐに連絡できるようにしておこう。
キャッシング利用方法と留意点
ニュージーランドでは多くの場所でクレジットカードでの支払いが可能だ。しかし、急に手持ち以上の現金が必要になる場合もあるかもしれない。
そういった場合に備えて、クレジットカードの海外キャッシング機能を事前に設定しておくことで、ATMを利用して現地の通貨を借りることが可能だ。
キャッシングを利用できるATMの確認方法
ニュージーランドでキャッシングを行う際、まずATMの横に記載されているマーク「Plus」と「Cirrus」の確認が必要となる。
ATMに「Plus」のマークがあればVisa系のクレジットカード、「Cirrus」とのマークがあれば「MasterCard」「JCB」系のクレジットカードでのキャッシングが可能だ。
キャッシングの操作手順
キャッシングの操作手順は、下記の通り。
- 1.クレジットカードをカード挿入窓口に挿入する。
- 2.表示画面で、クレジットカードの暗証番号(4桁)を入力。
- 3.引き出しボタン「Withdraw」を選択し、ボタンを押す。
- 4.希望の引き出し金額を入力する。
日本国内で銀行のATMで操作する手順とそれほど大きな違いはなく、操作終了後は現金が出金、カードが返却される。
ニュージーランドの都市部のATMであれば、多くの場合はキャッシングを利用できるだろう。
しかし、郊外やリゾートにあるATMではキャッシングできない場合があるため、現金が必要であれば、都市部でキャッシングを行う必要がある。
利用額と返済額に注意
キャッシング利用時の注意点として、キャッシングはクレジットカード会社に借金を行っていることと同義であることを忘れてはならない。明細書などで利用金額を明確に把握した上で、早めに返済を行おう。
多くのクレジットカードで、キャッシング利率は年18%に設定されている。返済までの期間が長くなるほど、返済しなければならない金額が上昇するので気をつけよう。。
ニュージーランドでの利用におすすめのクレジットカード
三井住友カード(NL)
日本最初のVisaカードとして有名な「三井住友カード」も、海外旅行では欠かせない。
三井住友カード(NL)では、旅行安心プラン(海外旅行傷害保険)として、海外旅行傷害保険が最大2000万円付帯している。
傷害死亡・後遺障害 | 2,000万円 |
---|---|
傷害・疾病治療費用 | 50万円 |
賠償責任 | 2,000万円 |
携行品損害 (免責3,000円) | 15万円 |
救援者費用 | 100万円 |
保険の適用は、事前に旅費などを当該カードで決済することが必要になる。
特に、3か月以上のアメリカ長期留学者におすすめなのが、三井住友カード(NL)の海外旅行傷害保険(利用付帯)の裏技だ。
三井住友カードの海外旅行傷害保険(利用付帯)の適用開始日は、「海外で交通費を支払った時点」から適用される。保険適用の条件としても、以下が紹介されている。
日本出国後に航空機、電車、船舶、タクシー、バスといった乗客として搭乗する公共交通乗用具(※1)の利用代金を特定クレジットカードで決済した場合。
引用:旅行安心プラン(海外旅行傷害保険)
他のカードで90日間の海外旅行傷害保険を利用し、それが切れるタイミングで三井住友カード(NL)を使用し、現地交通費を支払えばさらに90日間の保険適用を受けられる。
合計で180日程度の有効期間があるので、半年程度の留学ならば十分に対応可能だ。
さらに三井住友カード(NL)のNLはナンバーレスの略。カード券面にカード番号が印字されていないので、番号を盗みみられることがなく安心できる。 最新のVisaタッチ決済にも対応しており、海外でも安全かつスピーディーに支払いできるのが魅力だ。
三井住友カード(NL)
Vポイントが貯まる!ナンバーレス、タッチ決済対応の三井住友カード
対象のコンビニ・飲食店でのスマホのVisaのタッチ決済・Mastercard®タッチ決済でポイント最大7%還元*
*最大7%内訳(通常ポイント0.5%+スマホのタッチ決済利用6.5%)
*商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗があります。
*iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外です。
*一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます。
*ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
*Google Pay™ で、Mastercard®タッチ決済はご利用いただけません。ポイント還元は受けられませんので、ご注意ください。
年会費 | 永年無料 |
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還元率 | 0.5~7% |
旅行傷害保険 | 海外:2000万円(利用付帯) |
エポスカード
エポスカード
年会費 | 無料 |
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還元率 | 0.5% |
旅行保険 | 海外:最高3,000万円(利用付帯) |
電子マネー | 楽天Edy、モバイルSuica ※チャージによるポイント付与のみ |
国際ブランド |
エポスカードは年会費無料で最短即日発行が可能なカード。
海外出張や留学、出張などで急いでクレジットカードを用意したい人でもすぐにカードを用意できるだろう。
利用付帯ではあるが、最高3,000万円補償の海外旅行傷害保険が付帯。傷害治療費用は200万円補償、疾病治療費用は270万円補償、海外賠償責任(免責なし)は最高3,000万円補償と手厚い内容となっている。
また、24時間日本語対応のサポートデスクも存在しており、いざというときに心強い。
さらに、国際ブランドがVisaであるため、ニュージーランドに限らず世界中で利用できる。海外に行かれる方におすすめできる一枚だ。
楽天カード
楽天カード
楽天SPUで最大14倍還元。ポイントアップキャンペーンの多さも魅力
- 年会費無料、いつでも1%還元の高還元率
- 楽天市場なら常時3%還元
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楽天経済圏の必須アイテム、カード所持だけで楽天グループの決済に+2倍される。海外保険も付帯。
年会費 | 無料 |
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還元率 | 1.0% |
旅行保険 | 海外:最高2,000万円(利用付帯) |
電子マネー | 楽天Edy |
国際ブランド |
CMで話題の楽天カード年会費無料でありながら、基本ポイント還元率1%の高還元率カード。
また、国際ブランドはVisa・Mastercard・JCB・American Expressから選択可能であり、海外旅行に行く人は世界的にシェアの高いVisaかMastercardを選択しよう。
海外傷害治療は最高200万円、海外賠償責任(免責なし)は最高2,000万円と事故にも対応し、海外旅行保険は最高2,000万円が利用付帯する。
また、海外旅行中の病気やケガの治療費、携行品損害も補償。
24時間受付の専用ダイヤルが設けられており、万が一カードを紛失・盗難してしまった場合にも迅速な対応が可能。
海外で紛失や盗難等によりクレジットカードが利用できない場合、海外滞在期間中だけ使用できる緊急再発行カードを現地で手配してもらえるサービスもある。
コストパフォーマンスが優れており、日常生活から海外旅行まで使用できる頼りがいのあるカードだ。
ニュージーランドとクレジットカード
ニュージーランドでは、デビットカードの保有率・利用率が高いものの、クレジットカードも当たり前に普及している。日本人がニュージーランドに行く際は、クレジットカードを持っていれば支払いに困ることが減るだろう。
国際ブランドについては、加盟店が多く、キャッシングや支払いに便利なVisa、MasterCardがおすすめだ。
なお、本記事でおすすめのカードとして取り上げた三井住友カードは、満18歳以上(高校生は除く)しか契約できないことに注意してほしい。
学生が留学などでクレジットカードを作る際は、エポスカードか楽天カードを選択し、Visa・MasterCardどちらかのブランドを選択しよう。
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