2019年5月からサービスを開始したゆうちょPay。
銀行Payサービスを利用して提供される、一般的なスマホ決済アプリとは異なる特徴を持つサービスだ。
利用代金はゆうちょ銀行から即時引き落としとなる。将来的にはクレジットカード払いにも対応する可能性があるようだ。
「ゆうちょPay」「銀行Pay」マークのある店舗で利用できる他、「ゆうちょPay」マークのある払込取扱票の支払いにも利用できる。
また、東横線各駅(東京・神奈川)の発券機で、現金の引き出しができるというのも大きな特徴だ。
本記事ではゆうちょPayの初期設定から使い方、使える店、利用時の注意点やお得になる方法など、ゆうちょPayを使うために押さえておきたい基本的な点をまとめた。
目次
ゆうちょ銀行口座と連携
2019年5月からサービス開始となったゆうちょ銀行のスマホ決済アプリ。
利用代金は登録したゆうちょ銀行から即引き落としされるのが特徴で、チャージやクレジットカードの登録をする必要がない。
ゆうちょ銀行利用者の利便性向上を目的として提供されているサービスといえる。
銀行Payを利用したサービス
ゆうちょPayは、銀行Payを利用したスマホ決済サービスだ。銀行Payは、GMOペイメントゲートウェイが提供している銀行口座と連動したサービス。
銀行Payを導入して提供されているスマホ決済サービスは加盟店を共有しており、「銀行Pay」マークのある加盟店で共通して利用できる。
また、銀行ならではのサービスとしてキャッシュアウト・サービスに対応。2019年5月8日より、東急線各駅の券売機で銀行預貯金の引き出しができるキャッシュアウト・サービスを開始した。
その他、POSレジや自動精算機等との連携も可能だ。
銀行Payの決済手段は、現時点(2019年7月)では銀行口座およびAlipay決済だが、今後クレジットカードへの対応も予定されている。
駅の券売機で現金引き出しが可能
前述の通りゆうちょPayは銀行Payを利用したサービスで、東急線各駅(東京・神奈川)の発券機において、登録したゆうちょ銀行口座から貯金を引き出すことができる(キャッシュアウト・サービス)。
これは一般的なPayサービス、スマホQR決済サービスとは一線を画す特徴といえるだろう。
ゆうちょ銀行など金融機関のスマホ決済サービスは、基本的に第一目的をその金融機関の利用者の利便性向上としているため、一般的なPayサービスとは異なる特徴がある。
ゆうちょPayのキャッシュアウト・サービスの利用手順は次の通り。
- ゆうちょPayアプリで引き出したい金額を選択
- 暗証番号を入力
- アプリ内に表示されたQRコードを券売機にかざす
- 出金
利用できるのは東急線各駅(東京・神奈川)で、5:30~23:00。利用手数料として108円(2019年6月30日まで無料)がかかる。
ゆうちょPayの初期設定
ゆうちょPayを利用するにあたり、アプリのインストールと共に以下3点が必要となる。
- ゆうちょ銀行の総合口座(通常貯金)(個人口座のみ)
- キャッシュカードの暗証番号(4桁)
- 利用可能なEメールアドレス
なお、アプリのインストールには、iOS 10.0以降/Android 5.0以降の利用環境が必要だ。
これらを準備したら、次の手順でゆうちょPayの初期設定を行おう。
- ログイン画面で「アカウント登録」タップ
- メールアドレス・希望するIDを入力
- 入力したメールアドレス宛に届く確認コードを入力
- 利用者情報(氏名・生年月日)を入力、暗証番号を設定
- 「口座設定に進む」をタップ、ゆうちょ銀行を選択
- 口座番号(記号・番号)を入力
- キャッシュカードの暗証番号を入力
- 内容を確認して「口座振替申込」をタップ
- 初期設定完了
ゆうちょPayの使い方
ゆうちょPayを加盟店で利用する場合、「コード表示」と「コード読取」の2種類の方法がある。
- コード表示:アプリで支払い用バーコードを表示し、店側に読み取ってもらう
- コード読取:店側が提示するQRコードをアプリで読み取る
どちらの方法を採用しているかは店舗によって異なり、コンビニなどでチェーン展開の店舗ではバーコード決済が多く、個人店ではQRコード決済が多い。
それぞれの手順は以下の通り。アプリ起動時、前回起動より1時間以上経過している場合は暗証番号の入力が必要となる。
ゆうちょPayで決済を行うと、登録しているゆうちょ銀行口座から即時引き落としで支払いとなる。
コード表示手順
- アプリを起動し、支払い方法「コード表示」を選択
- 暗証番号入力(iOSはTouch ID/Face ID利用可能)
- コードが表示されるので店側に読み取ってもらう
- 支払い完了
コード読取手順
- アプリを起動し、支払い方法「コード読取」を選択
- カメラが起動するおんで店側が提示するコードを読み取り
- 支払い内容確認
- 暗証番号入力(iOSはTouch ID/Face ID利用可能)
- 支払い完了
ゆうちょPayを使える店
2019年7月時点で、ゆうちょPayが利用できる加盟店は下記の通り。
ゆうちょPayマークまたは銀行Payマークのある店舗で利用でき、加盟店は順次拡大している。
【コンビニ】
- ミニストップ
【ドラッグストア】
- ドラッグ・イン キムラヤ
- ウエルシア
- ハックドラッグ
- ハッピードラッグ
- B.B.ON
- マルエドラッグ
- カラースタジオ
- 金光薬品
【家電量販店】
- ヤマダ電機
- マツヤデンキ
- ツクモ
- ベスト電器
- エディオン
- 100満ボルト
- ケーズデンキ
【ファーストフード】
- 松屋
- 松のや
【生活雑貨】
- 東急ハンズ
【アミューズメント】
- ジャンカラ
【その他ショッピング】
- 芝田タオル
【その他サービス】
- 東急スノーリゾート
払込取扱票(請求書)支払いにも対応
ゆうちょPayは、店での支払いだけでなく、対応している払込取扱票(請求書)での支払いにも利用できる。
ゆうちょPayが使える払込取扱票には、ゆうちょPayのマークが掲載されている。
利用方法は、店でのコード読取と同様だ。
利用履歴の確認・その他
ゆうちょPayアプリでは「ご利用履歴」から利用履歴を確認することができる。
その他、ホーム画面左上の「メニュー」より、以下の設定・確認も可能。
- ご利用上限金額の設定
- 各種情報・パスワードの変更
- Touch ID/Face IDの設定(iOSのみ)
- 各種お知らせの確認
ゆうちょPayアプリ利用の注意点
ゆうちょPayアプリは、ゆうちょ銀行をメインに利用している人にとって便利なサービスだが、一般的なスマホQR決済サービスと比較して、以下の点が異なるので押さえておきたい。
ポイントプログラムがない
PayPayやLINE Payなど、利用者の多いスマホQR決済サービスには、利用金額に応じたお得なポイント還元のプログラムがあることが多い。
しかし、ゆうちょPayにはそういったお得なポイントプログラムがない。
得をするためにスマホ決済サービスを検討するのであれば、ゆうちょPayは向いていないといえるだろう。
2019年夏以降はクーポン配信予定
ゆうちょ銀行の公式サイトによると、2019年8月以降からお得なクーポンを配信予定と記載されている。ゆうちょPayが利用できるお店の割引などが予想される。
クレジットカードが登録できない
ゆうちょPayの支払い方法は、ゆうちょ銀行口座からの引き落としのみ。ゆうちょPayのメインターゲットはあくまでも「ゆうちょ銀行をよく利用している人」で、その利便性向上が目的となっている。
そのため、スマホQR決済サービスの支払いにクレジットカードを紐づけ、クレジットカードのポイントを貯めたいという人には向いていない。
ただし、ゆうちょPayの基となっている銀行Payでは将来的にクレジットカード払いに対応する予定があるようなので、ゆうちょPayでクレジットカード払いができるようになる可能性はある。
お得なキャンペーン・クーポンを活用しよう
ゆうちょPayではポイント還元やクーポンなど、常時利用できるお得なサービスはないが、期間限定でお得なキャンペーンが開催されることはある。
キャンペーンやクーポンはゆうちょPayアプリ内で確認できるので、決済前に確認してみよう。
他のスマホQR決済との違い
ゆうちょPayと一般的なスマホQR決済の違いを生んでいるのは、ゆうちょPayがゆうちょ銀行利用者の利便性向上を目的としているところだ。
具体的な違いとしては、以下のような点があげられる。
- 支払い方法はゆうちょ銀行口座引落しのみ
※将来的にはクレジットカード払いに対応する可能性あり - 東急線各駅の券売機で現金引き出しが可能
- ポイント還元なし、2019年夏以降にクーポン配信予定
これらの違いから判断して、ゆうちょPayは「スマホ決済アプリをお得さよりも簡潔かつ安全に使いたいゆうちょ銀行ユーザー」に適しているのではないだろうか。