10月26日にクレディセゾンが不正利用検知システムにAIを導入することを発表した。
導入するAIは株式会社PKSHA Technologyが提供する「PREDICO for Financial Intelligence」だ。
「PREDICO for Financial Intelligence」は、学習する予測エンジン「PREDICO」を金融業界向けに特化させることで、さまざまなサービスを支援するアルゴリズム・モジュールだ。
与信スコアリング・融資判断・生損保の不正請求対策などに用いられてきたが、今回用いられるトレンド追従型アルゴリズムが、常に変化する不正手口に自動適応する。
PKSHAが保有するアルゴリズムを株式会社インテリジェント ウェイブによるクレディセゾンの不正使用検知システムにカスマイズして組み込む仕組みだ。
インテリジェントウェイブとPKSHAの連携によって、決済に関連する多種多様なデータを活用をすることで、常に進化するアルゴリズムを実現する。
これによって日々、巧妙かつ複雑化していく不正利用の手口に対してAIが学習を続けるため、あらゆる変化に素早く対応できるようになる。
クレディセゾンの特徴
クレディセゾンはお手頃な年会費に、西友・リヴィンのセールや、ポイント有効期限が無期限な永久不滅ポイントが有名だ。
顧客重視のサービスによって「セゾンカード」と「UCカード」の2つのブランドを合わせて、約3,700 万人の利用者を持っている、メジャーカード。
利便性の高いクレジットカードが揃っていることから、今回の不正使用検知システムにAIを用いることで安全性がさら向上することで、ユーザーが増加することが予想される。
今回、不正使用検知のAI導入に携わるPKSHAは、「アルゴリズムサプライヤー」として、深層学習領域のアルゴリズムを利用し、自動応答・画像や動画認識・予測モデルなどの、近未来的な技術を開発している。
インテリジェント ウェイブについてはオンラインネットワーク基盤のシステム構築をメインとしており、決済ネットワーク接続にてカード不正使用検知の面で高いシェアを誇っている。
不正利用防止への対策
クレディセゾンが不正利用検知にAIを導入したが、個々人でも不正利用への対策を立てる必要がある。
以下は不正利用への3つの基本的な対抗策だ。
【むやみにカード情報を登録しない】
日常的に利用しているサイトにログインしようとしたところ、普段は聞かれないはずのカード情報の開示を要求されたら注意しよう。
偽証画面に誘導された可能性があり、うっかり入力してしまうと、カード情報が漏えいしてしまう危険がある。
また、海外サイトやあまり名前を聞かないECサイトなどの場合も要注意だ。
カード情報を入力させるためだけの偽サイトなどが蔓延しているため、よく確認してきちんと公式サイトからアクセスするように心がけよう。
【SNS経由で通販サイトにアクセスしない】
twitterやFacebookにて通販サイトのリンクを付けた投稿は珍しくもない。
しかしそれをクリックしてショッピングをすると、偽の通販サイトに誘導される危険性がある。
商品を購入する際に入力したクレジットカード情報が、そのまま相手の手に渡ってしまう。
SNS場では「なりすまし」による偽サイトへの誘導などが蔓延しているため、上記と同様きちんと公式サイトからアクセスすることが重要だ。
【公式からのメールでも一度疑う】
実在している企業名からのメールで、セキュリティ上の問題が起きたので、カード情報を入力してください」といった文面で、カード情報入力画面に案内されることがある。
本当に問題が起きている可能性もあるが、その前にニュースサイトなどで問題が本当に起きているのか必ず確認しよう。
これはフィッシング詐欺というもので、偽証画面に誘導されて、アカウントのロック解除のためという名目でさまざまな情報を要求される。
公表されていないアクシデントを告げる企業のメールは絶対に開かないようにしよう。
クレディセゾンが不正使用検知システムにAIを導入することで、「セゾンカード」や「UCカード」はさらに有用かつ、顧客満足度の高いクレジットカードになるだろう。
その上で、ひとりひとりの防犯意識も重要だ。