7月16日16時55分ごろから、決済アプリ「PayPay」でアプリの読み込みができない、公式サイトにアクセスできない、決済や入金・送金がしづらいといった障害が発生した。PayPayは公式サイトのお知らせで「AWSの障害による一部機能利用不可」とタイトルを付けて告知しており、原因はクラウドサービス「AWS」(Amazon Web Services)側のトラブルにあるとしている。
16時55分ごろから決済・送金がしづらい状態に
PayPay公式のお知らせによれば、障害の発生は7月16日16時55分ごろ。アプリでエラーが表示されたり画面が読み込めなくなったりしたほか、PayPay公式Webサイトにもアクセスしづらい状態が続いた。決済・入金・送金についても、一部の利用者で正常に完了しない状態になったという。出前館やチケットボードなど、PayPayを決済手段として使う外部サービス側でも「PayPay以外の支払い方法を」と利用者に注意喚起する動きが広がるなど、影響はPayPay本体の外にも波及した。
原因はAWSの大規模障害、PayPayも公式に認める
PayPayの広報担当者は報道各社に対し「AWSに障害が起きていることが原因とみられる」とコメントしており、公式お知らせのタイトルでも「AWSの障害による」と明記している。AWS側では日本時間16時45分ごろから、コンテンツ配信サービス「CloudFront」の一部機能(VPC Origins)で5xxエラーが増加しているとして調査中であることをAWS Supportが明らかにした。標準的なS3オリジンなどには影響がないとされる一方、CloudFrontを介した通信を行う複数のサービスに影響が及んだとみられ、note・ニコニコ生放送・はてなブログ・マイナポータルなど国内の他サービスでも同時間帯に利用しづらい状態が報告されている。なお、AWS障害の技術的な根本原因はこの記事の執筆時点でも調査中であり、確定した情報は公表されていない。
通信不要の「オフライン支払い」は利用可能だった
今回の障害中も、PayPayが備える「オフライン支払い」機能は利用できたとされる。これは通信状態が悪い場面でも決済できるようにする機能で、1回あたり5万円まで、24時間で5回まで、直近30日間で20回までという利用上限が設けられている。アプリの通信が不安定になるような障害時には、こうした代替手段があることを知っておくと役立つ場面があるだろう。
復旧は段階的、アプリ機能の全面回復は20時15分
PayPayの公式お知らせによると、復旧は段階的に進んだ。支払い機能は18時30分ごろに復旧し、公式Webサイトは19時35分ごろ、アプリ機能全体の復旧は20時15分ごろとなっている。発生からアプリ機能の全面回復まで、実に3時間20分ほどを要した計算になる。
AWS障害が国内決済サービスを止めるのは今回が初めてではない
クラウド基盤の障害が国内のキャッシュレス決済サービスに波及するのは、今回が初めてではない。
| 2019年8月 | AWS東京リージョンの一部で空調管理システムの不具合によりサーバーが過熱し、EC2・RDSなどに障害が発生。PayPayも13時14分ごろから一部利用者で支払い・チャージができない状態になり、ユニクロや楽天など30社以上のサービスに影響が広がった。約4時間後の17時ごろに復旧した。 |
| 2021年9月 | AWS東京リージョンで、専用線接続サービス「Direct Connect」の新プロトコル処理に関する潜在的な不具合が原因の大規模障害が発生。ANA・SBI証券・楽天証券・みずほ銀行など幅広いサービスに影響した。 |
クラウド依存時代のキャッシュレス、複数の決済手段を備えておきたい
PayPayに限らず、多くのキャッシュレス決済サービスは裏側で大手クラウド事業者の基盤に依存している。そのため、利用者側の問題ではないところで突然決済が使えなくなる可能性は今後もゼロにはならない。日頃からPayPay以外のコード決済やクレジットカード、現金など複数の支払い手段を用意しておくと、こうした障害時にも困りにくい。なお同じ7月16日の朝には、Visa系の決済処理基盤に起因する別のクレジットカード決済障害も発生している。原因はそれぞれ異なるが、決済インフラの一部にトラブルが起きるだけで生活に影響が出ることを示す一日となった。
最終更新日:2026/07/16













