Amazonは29日、Amazon Payの新たな機能として、スマートフォンを使って実店舗で買い物ができるQRコード決済サービスを開始すると発表した。
Amazon Payは、Amazonアカウントに登録したカード・配送先住所などの情報を利用し、Amazon以外のECサイトで簡単に決済ができるサービス。
2015年のリリースより3年が経過し、昨今では激戦区と化してきたQRコード決済市場、および実店舗決済市場へと舵を切った形となる。
本サービスの対象店舗は、株式会社NIPPON Tabletが提供するタブレット端末の設置店舗。
同会社は、Amazon Payの公式認定制度「グローバルパートナープログラム」のパートナーであるNIPPON Payの完全子会社だ。
Amazon Payの実店舗決済スタートにあたって、すでに全国1万店舗以上にタブレット端末が導入済み。
今後の戦略として、中小店舗向けに期間限定で店舗用端末を無料配布し、今年度末には5万6000店舗まで拡大していくとしている。
これまで、楽天やLINE、NTTドコモ、ソフトバンク等が参入する中、ついにEC事業の王者・Amazonまでもが加わったコード決済市場。
続いては、Amazon PayのQRコード決済の仕組み・使い方やメリットについて説明していこう。
QRコード決済の仕組み、使い方
Amazon PayのQRコード決済は、「Amazonショッピングアプリ」からすぐに利用できる。
Amazonアカウントをすでに持っており、カード情報も登録している人はひとまずダウンロードしよう。
該当アプリもすでに利用している人は、一切登録や設定の必要なく利用できる。
使い方は簡単。
アプリでQRコード・バーコード画面を表示し、会計時にそれを読み取って貰うだけ。
コードの表示方法(Android版)は以下の通りだ。
- Amazonショッピングアプリを起動、ログイン
- 左上のアイコンからメニューを開く
- 「プログラムと特典」欄の一番下にある「すべてを見る」をタップ
- 上から3番目にある「Amazon Pay」をタップ
- バーコードとQRコード、支払いに使うカード情報が表示される
若干ではあるが、とっさにコードを表示するには慣れが必要なため、支払時は注意しよう。
なお、カード情報が登録されていないと利用できない。
Amazonに登録できるものならクレジットカードでもデビットカードでも構わないので、予め登録を済ませておこう。
Amazon Payにはどんなメリットがある?
続いては、気になっているポイントを整理していこう。
まず、日本ではすでに「楽天ペイ」「LINE Pay」をはじめ、コード決済激戦区ともいえる状態となっている。
後発のAmazon Payを利用するメリットはどこにあるのだろうか?
その答えは、以下のような「Amazonアカウントの利便性」だ。
- Amazonショッピングアプリからコードを表示できる
- Amazonに登録したカード情報を利用して買い物ができる
- クレジットカードだけでなくデビットカードも使える
- 決済履歴はAmazonアカウントの「購入履歴」で確認可能
Amazonを日常的に利用しているユーザーであれば、普段使っているアカウントをそのまま使えるため、手間がかからない。
支払い履歴も一本化でき、わざわざ別アプリを開いて確認する必要もなくなる。
また、今後利用可能な店舗の広がりにも、期待が持てる。
現在、日本には120万店舗以上のレジ未更新市場があり、現金のみでしか決済できない店舗はまだまだ多い。
Amazon Payは、そういった中小店舗をターゲットに、NIPPON PAYとの提携で順次、展開していく。
展開にあたっては、期間限定で決済用タブレットと、Amazon Payの決済手数料無料キャンペーンを実施する。
レジ購入代金やカード決済の加盟店手数料といったコスト面の課題をクリアし、一気に加盟店舗の拡大を狙う。
翌日入金で利用可能店舗を伸ばせるか
今後Amazon PayおよびNIPPON Tabletは、店舗に対する売上の入金を翌日に行うサービスも提供予定。
実は、支払いサイクルの長さを理由に、クレジットカード決済の導入を渋る店舗は多い。
翌日入金にも対応することで、こうした中小店舗へのアプローチが各段にしやすくなるはずだ。
現状で翌日入金に対応しているQRコード決済対応のアプリは楽天ペイのみ。
LINE Payや、Origami Payは基本的に月末締め翌月末払いだ。
Amazon Payが翌日入金に対応できれば、120万店以上にのぼる「レジ未更新市場」の開拓が躍進する可能性も。
使える場面が増えれば、それだけユーザーにとってメリットの大きい決済手段となるだろう。
最終更新日:2018/10/03