送料が無料になったり、映画が無料で見放題になったり、様々なサービスがお得に利用できると評判の「Amazonプライム会員」だが、5月17日以降の請求から値上げされることが発表された。
従来は年会費3,900円(税込)で利用できたAmazonプライムだが、今回の値上げにより4,900円(税込)となった。
月単位で換算すると400円以下でサービスを利用できていただけに、新規ユーザーのみならず既存ユーザーからも不満の声が続出している。
実際にSNS上では「Amazonプライムを解約するという」という声もあり、今回の年会費の値上げが与える影響は大きい。
Amazonゴールドカードがお得!には要注意
今回のAmazonプライム年会費の値上げにより、ネット上ではAmazon Mastercardゴールド(以下、Amazonゴールドカード)が「プライム会員よりお得」という内容の記事をよく目にするようになった。
【Amazon Mastercardゴールドの概要】
- 三井住友カードが発行するクレジットカード
- 年会費10,800円(税込)
- Amazonプライムの特典が使い放題
- Amazonのショッピングでポイント2.5%還元
- 全国主要空港ラウンジ利用などのサービス付帯
Amazonゴールドカードは年会費の割引が可能で、「マイ・ペイすリボへの加入」+「WEB明細書サービス」の利用で年会費を4,320円(税込)まで下げることができる。
【年会費割引のシステム】
- マイ・ペイすリボ割引 5,400(税込)
- WEB明細書割引 1,080円(税込)
割引を適用すると通常のAmazonプライム会員年会費(4,900円(税込))よりも安くなり、その他のサービスも付帯するため、Amazonゴールドカードを発行した方がお得になってしまうのだ。
一見すると今すぐAmazonゴールドカードを発行した方がよさそうに見えるが、以下の点を必ず事前に知っておいてもらいたい。
- 決済方法がリボ払いになる
- 初年度はWEB明細書サービスの割引が適用されない
「マイ・ペイすリボ」というのは全ての支払いが自動的にリボ払いになる三井住友カードのサービスで、必然的に決済方法がリボ払いのみとなってしまう。(リボ払いについては後述)
「WEB明細書サービス」の割引も初年度は適用されないため、「マイ・ペイすリボ」を設定したとしてもAmazonプライム会員よりも高い5,400円(税込)の年会費を支払うことになる。
もしリボ払いが嫌だということで「マイ・ペイすリボ」を設定しない場合は、5,400円(税込)の割引が受けられないため、Amazonゴールドカードの年会費の方が高い。
結果的に通常のAmazonプライム会員の方がお得になるので、Amazonゴールドカードを「今すぐ作らなければ」と焦って作らないようにしてもらいたい。
リボ払いには要注意!
そもそもリボ払いとは毎月の返済金額を一定にして分割払いするサービスだが、分割で支払う際に利息(手数料)が発生する。
そのため一括払いや分割払いと比較して返済総額が増えるというデメリットがある。
また、場合によっては利息が増えすぎて元金が減らない「リボ地獄」に陥る可能性がある。
【リボ地獄】
リボ払いの利息は元金によって変化し、カード利用金額が増えるほど利息も高額になる。
しかし毎月の返済金額は一定なので、増える利息に対して返済スピードが追い付かない事態に陥るのがリボ地獄。
リボ払いでも金利がかからない裏ワザ
リボ払いの利息(手数料)が発生しないようにする裏技として、リボ払いの月々の支払額をカードの限度額と同じにするという方法がある。
この方法だと実質的に一括払いと同じ扱いになり、利息を支払う必要がなくなる。
この裏ワザが使えるのは、Amazonゴールドカードではリボ払いの利息が発生しなくても年会費割引が適用されるからだ。
全てのカードでこの裏ワザが使えるわけではないので注意してほしい。
年会費の値上げを考慮する
Amazonプライム会員の年会費が値上げされたことで、これまで以上に脚光を浴びたAmazonゴールドカードだが、いつまでもお得な状況が続くとは限らないというデメリットもある。
今後Amazonゴールドカードの年会費も値上げされる可能性があるからだ。
実際にクレジットカードの年会費が値上げされるのはそれほど珍しいことではない。
もともとAmazonプライムは年会費以上のサービスが受けられると評判だったので、それを適正価格にする途中ととらえることもできる。
焦ってAmazonゴールドカードに切り替えた結果、年会費が上がり、結果的に損をしてしまう可能性もあるのだ。
最終更新日:2020/07/28