政府からクレジットカード会社へ手数料値下げ要請か?カード決済可能な店舗が増える?

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19日、政府は来年10月の消費税率引き上げにあわせ、カード会社に対して加盟店手数料を引き下げるよう要請する方針であると、産経が報じた。

これは、先日報じた中小小売店のキャッシュレス決済時に、2%のポイント還元を行う景気対策を後押しするため。

店側がカード会社に支払う売り上げ高に応じた手数料の負担を軽減することで、キャッシュレス決済の導入率を増やすことがねらいだ。

通常、店や業態に応じて加盟店手数料は変動するものの、中小小売店は倒産リスクを鑑みて手数料を高めに設定される傾向にある。

状況によっては5%を超えることもあり、これは小規模の店へのキャッシュレス決済導入が進まない理由の一因でもある。

すでに発表された景気対策では、端末代金の負担および2%のポイント還元が報じられた。

今回は、手数料の負担を軽減することでさらに中小小売店が決済システムを導入しやすくなるとみられている。

なお、カード会社に要請する引き下げ幅については今後、詳細を協議していく方向だ。

薄利多売の事業を除き、一般的な中小小売店や専門店では、加盟店手数料は3%~5%が相場。

一部の飲食店ではさらに上がり、7%を超えることもある。

こうした、決して安くはない手数料の負担が軽減されれば、二の足を踏んでいた事業者にとっても決済システム導入は現実的になるだろう。

手数料値下げをすることによるメリット

今回の発表で、カード会社の加盟店手数料が全体的に引き下げられた場合、以下のメリットが生まれる。

  • 加盟店の負担軽減
  • 加盟店の増加
  • キャッシュレス決済ができる場所の増加
  • キャッシュレス決済の利用者増加

前回の2%還元に関するニュースと統合すると、以下のような流れになる。

カード会社が加盟店手数料を引き下げ(加盟店の負担軽減)

中小小売店に対し政府が端末を配布(加盟店の増加)

結果、クレジットカード決済ができる場所の増加

買い物客がキャッシュレス決済しやすくなり、2%還元を受けやすく

増税後の景気対策になる

このうち、政府が負担するのは2%還元分と、決済端末代金。

カード会社側にとっても、加盟店が増えれば収益も増えるため、悪い話ではない。

結果として、政府が目指すキャッシュレス決済比率上昇と、増税後の景気対策の両方を達成できる仕組みだ。

なお、政府は2025年までにキャッシュレス決済比率40%超えを目指す。

今回の対策は、長年停滞していたキャッシュレス決済比率の上昇幅を、大きく引き上げる起爆剤となることが期待できるだろう。

考えられるデメリット

ただし、今回の発表には懸念すべき部分もある。

もし、政府の負担なく一方的にカード会社側で手数料削減措置が執られた場合、収益減のしわ寄せがどこに行くか、という点だ。

政府はあくまでカード会社に「要請」する方向であり、削減した手数料分を負担すると明言されているわけではない。

したがって、仮に手数料が引き下げられたとしても、カード会社側の利益が守られるとは限らないのだ。

とはいえ、今回の発表は新規加盟店を取り込むチャンスでもあり、負担が重くなってもプラスに転じるということも無くはないだろう。

だが、もしカード会社側が反動を受けた場合(経営が苦しくなった場合)どうなるか。

予想されるデメリットとしては、以下のようなものが考えられる。

  • 年会費無料のカード減少、年会費の上昇
  • ポイントプログラムが維持できなくなり、還元率低下
  • 旅行保険のサービス低下(有料化、自動付帯→利用付帯など)
  • 人員削減によるサポート体制低下

このように、減った収益の穴を埋める目的でのサービス低下は考えられなくもない。

今後、どういった方向で詰められるのか次第で変わるだろう

増税に合わせたキャッシュレス決済比率拡大のチャンスに、陰りを出さぬよう願うばかりだ。

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執筆・編集:ニュース編集部

大人のクレジットカードのニュースコラムを担当。ニュースをただ伝えるだけではなく、そのニュースに隠された背景や意図を読み取り、解説しています。

国内・海外問わず、クレジットカード選びに重要な最新情報を発信しています。