後払いアプリ「atone」を運営するネットプロテクションズは4日、国内のスマホ決済の特徴・強みを可視化した「国内スマホ決済カオスマップ2018」を作成したと発表した。
乱立するスマホ決済サービスそれぞれの「機能・強み」がわかりにくい現状を踏まえ、機能・特性ごとに分類したものとなっている。
分類対象は2018年10月現在において公表済み、および詳しい情報を開示しているスマホ決済サービスだ。
特にキャッシュレス化の推進が望まれている、実店舗でのスマホ決済に焦点が当てられている。
なお、カオスマップは消費者向けのみならず、事業者向けに分類したものも作成された。
事業者向けマップでは、消費者の属性でニーズが明確に分かれる「支払いタイミング」と「クレカ登録の有無」で分類されている。
こちらは業態に合わせてどのサービスを導入するか判断する際に役立つ。
また、atoneでは今回のカオスマップ以前にも「キャッシュレスに関する消費者の意識調査」を発表している。
この調査と本マップを照らし合わせた結果、以下のようなことが明らかになった。
- 現金に次いでニーズの高いクレジットカードを紐づけるタイプのスマホ決済が最も多く存在する
- クレジットカードを持っていない/利用したくない現金派向けの後払い決済サービスには一定のニーズがある一方、そのニーズを満たすサービスは多くない
後払い決済サービスは主にネット通販で普及が進んでいるものの、実店舗での導入は未だ実験段階に留まる。
その中で、atoneはQRコードを用いた実店舗決済への導入に踏み切っていることから、実店舗普及の足がかりはatoneになるだろうか。
国内スマホ決済カオスマップからわかること
今回公表されたカオスマップから、現状が把握できるポイントをいくつかまとめた。
atoneが公表したものも含めると、以下のようなことがわかる。
- クレジットカード登録なしの後払いサービスは「atone」以外に普及していない
- クレジットカード登録が必須のサービスがもっとも多い
- クレジットカード+口座振替などハイブリッドなサービスが増加
- 純粋なプリペイド式は多くなく、デビット式も組み込んだものが多い
現在普及しているサービスのほとんどは、クレジットカード登録方式だ。
「クレジットカード不要な後払い(ポストペイ)方式」は競合が非常に少ないことがわかる。
裏を返せば、それだけクレジットカードを介さず信販(信用販売)を行うことが難しいということだろう。
だが、これだけクレジットカード登録方式のサービスが多くても、日本人の61%は現金派だ。
クレジットカードの利用率は全体の2~3割程度に留まっており、今はその少ないパイを多くのサービスで奪い合っているという形になる。
つまり、「現金派のユーザーが乗り換えやすいサービス」が多くないというのが現状といえる。
これについては、どの店でどのサービスが利用できるのか把握しづらい、加盟店が少ないなどの理由もあるだろう。
そういう意味でも、後払いサービスやQRコード決済といった、新しいタイプの決済サービスの普及は重要だ。
どんなユーザーにどんなサービスが適切?
また、本マップからは、どんなユーザーにどんなサービスが合っているのかも見えてくる。
たとえば、クレジットカードが持てない年齢層や、クレカを持たないユーザーには以下のサービスがおすすめだ。
- LINE Pay
- Kyash
- atone
- d払い
また、クレジットカードの使い過ぎが怖いユーザーには、以下のようなサービスもおすすめできる。
- デビットカード
- iD、QUICPay(デビットカード利用)
- Suica
- d払い
クレジットカード登録方式のiDやQUICPayなども、デビットカードを利用すれば計画的に利用できる。
こうしたサービスを利用して、使いすぎの心配をすることなくキャッシュレスのメリットを得ていこう。
最終更新日:2018/10/17