森永乳業は9日、自社が運営する公式通販サイトにおいて、クレジットカード会社各社から「クレジットカード情報の流出懸念」に関する連絡を24日に受けていたことを発表した。
流出の懸念があるのは、番号・名義・有効期限・セキュリティコードなどのカード情報だ。
流出した可能性がある時期は、2017年1月10日〜2018年4月24日とされている。
森永乳業側の対応として、連絡を受けた24日当日には、サイトでのクレジットカード決済を停止。
加えて、上述した期間中にサイトでカード情報を入力して、商品を購入したユーザー約23,000名に対し、個別で連絡を取っていると明かしている。
現在は、第三者調査機関「Payment Card Forensics」が本件についての調査に携わっており、5月末日までに最終結果報告書が受領されるという。
その他、現在の状況・対応策は以下のとおり。
(1)クレジットカード決済の受付停止
現在、クレジットカード決済の受付は停止しており、別のお支払方法(代引きまたは振込)でのお支払いをお願いしております。(2)クレジットカードの不正使用の監視強化
流出の可能性のあるクレジットカード番号については、カード会社と連携し、不正使用の監視を強化しております。(3)所轄警察および所轄官庁への対応
既に相談・報告しております。
繰り返しになるが、今回の件はあくまで”懸念段階”であり、まだ流出が確定したわけではないことに注意してほしい。
なお、森永乳業では、クレジットカードの利用者に対し、注意事項として「利用明細書に不明な取引があった場合、カード会社に問い合わせる」ことを呼びかけている。
また、本件を受けてクレジットカード番号を変更する場合、クレジットカードの再発行に際し、手数料の負担はかからないと森永乳業側で確認済みとのこと。
クレジットカード番号の変更を希望する場合は、その点を留意しておこう。
対象となるクレジットカード会社は?
備考として、森永乳業の公式通販サイトに対応した主なクレジットカード会社は以下のとおりだ。
カード会社各社は、万が一本件に起因して不正利用が発覚した場合に備え、不正検知システムを利用し早期発見に注力すると発表している。
加えて、念のために取引内容(利用履歴)を一度確認するように呼びかけており、万が一の際は負担のかからないよう速やかに対応していくとのことだ。
不正利用をされた場合は盗難保険が適用可能
クレジットカードを利用する場合は、不正利用をされてしまった場合の対処方法も考えておかなくてはならないだろう。
しかし、現在では大半のクレジットカードに「盗難保険」が自動付帯されているので、必要以上に慌てる心配はない。
発覚した時点で連絡し、手続きをするだけで適用されるので、まずは保険の存在を覚えておくといいだろう。
盗難保険の適用期間は60日
ただし、盗難保険(+紛失保険)には、適用期間として、不正利用された日付から60日以内と定められている。
たとえば、締め日の翌日に不正利用をされた場合、決済が確定するまで30日程度のラグがあり、気付いたときにはすでに半分過ぎている…というケースも珍しくない。
したがって、「不正利用」をされた場合の対処方法として「毎月明細を見る」ことは必須となる。
60日を過ぎた段階で盗難保険は適用されないので、くれぐれも自分の持っているカードの明細をチェックすることは欠かさないようにしておこう。
最低限の自衛をしたうえで活用しよう
便利なツールであるクレジットカードには、セキュリティリスクがつきまとう。
とはいえ、セキュリティ面に不安を抱えながら顧客がカードを持つことを、クレジットカード会社側も良しとしていない。
近年では、盗難保険や紛失保険がついていないカードは無くなり、24時間・365日体制でのモニタリングもされている。
加えて、モバイル決済アプリが登場したことで、店舗側に個人情報を漏らすことなく決済ができるなど、ユーザー側でセキュリティ面を強化する選択肢もとりやすくなってきていることも追い風だ。
前述したように、毎月明細を見るなど最低限の自衛は必要だが、使いこなせば快適なクレジットカードに過度な不安を抱く必要はないだろう。
最終更新日:2018/05/16